経営を成功に導くIT Vol.35 「データは消しても消えない」という危険

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
みなさんは、デー タをどのように消去していますか?ごみ箱から消えたら消去されたと思っていませんか?そう思っている方は、コンピュータを捨てる時に困るかもしれませんか ら、ぜひ一読してください…

データの消し方、知っていますか?

 パソコンにもサーバーに も、いつか交換時期が来るという意味では寿命があります。寿命が来たコンピュータは、廃棄するか、リースならば返却することになります。

  そのとき、中に格納されているデータをそのままにしておくわけにはいきません。当然、事前に削除することと思います。ところでみなさんは、デー タの「本当の消し方」をご存じでしょうか?

 「本当の」と言うのには理由があります。実はコンピュータのデータというの は、画面上でDeleteするだけでは、消えません。ごみ箱から見えなくなっても、消えません。ハードディスクを完全にフォーマットしても、消えません。35-1

 この事実を知らないと、機密データを消さずにパソコンを捨てることになります。情報セキュリティ上、極めて危険 です。

 実際、過去にこんなことがありました。あるIT企業が、顧客のパソコンのハードディスク修理を請け負いました。そのハードディスク は動作不能と判断されて廃棄処分となりましたが、この際、破壊処理をしませんでした。するとそのハードディスク、中古販売業者に渡り、なんと売りに出され てしまったのです。中には個人情報が格納されており、結果的にニュースになってしまいました。

 

コンピュータのファイル管理の仕組み

 なぜ、消しているのにデータは消えないのでしょうか?その 理由は、コンピュータがファイルをどう管理しているのかを知ると分かります。

 簡単に説明しましょう。まず、「本」をイメージしてくださ い。本には冒頭に目次があって、その後に本文がありますよね。これと同じように、コンピュータの中では、目次となるデータ一覧が管理されており、それと別 にデータ本体が格納されています。

 利用者がデータにアクセスするとき、コンピュータはまずデータ一覧でそれがどこにあるか探します。見つ かれば、本のページをめくるようにしてそのデータ本体にアクセスする、という仕組みになっています。

 実は、コンピュータ上で「データを消 す」という行為は、「データ一覧からデータ名を消す」という行為であり、つまり目次から名前が消えるだけでデータ本体は残るの です。フォーマットも同様の仕組みで、「データ一覧を完全にクリアにする」という動作になります。従って、フォーマットしてもデータ本体が消えることはあ りません。

 

「完全消去」しなければデータは消えない

 この仕組 みを利用した、消したデータを復旧させるソフトが、実際にお店などで売られています。これが示すとおり、データが「完全消去」されていなければ、そのデー タは容易に復旧できてしまうのです。ですから、パソコンやサーバーを廃棄するときは、必ず「完全消去」しなければならないの です。33-1

 では、どうやって「完全消去」すればよいでしょうか?データ本体を文字とおり「消す」のは仕組み上難しい側面があ り、一般的には、データ本体に無意味なデータを上書きして読み取れなくする、という方法が取られています。

 これを簡単に実行できる、いわ ゆる「データ完全消去ソフト」も、簡単に入手することができます。ビジネスにコンピュータを使うなら、こうした対策は必ず意識して実行するようにしてくだ さい。

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