Vol.2 商品を絞り込んで成功した地方のスポーツ店

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

今回は、50年の歴史を持つ地方のスポーツ店が、商品を絞り込むことによって売上を伸ばした事例を紹介します。

A県のH市にある小さなSスポーツ店の事例

私が、そのスポーツ店を訪れたのは2年前のことでした。その店のあるH市の人口は7万人。駅前には大した商店もなく、ひっそりとした町ですが、Sスポーツ店は50年もその地で商売を続けています。売り場は20坪ほどで、店長は二代目の息子、Kさん(40代)が引き継いでいます。取り扱っている主力商品は野球用品です。

私への相談は、どうしたら今の売上を伸ばしていけるか、ということでした。そこで、私はこの店に対しては客数をあげることを提案しました。とは言っても、そんなに簡単に客数が上るものではありません。近代兵器を使うことにしました。

私はK店長に聞いてみました。

「ところで店長、ブログは書いていますか?」

K店長はブログについて知りませんでした。そこで、ブログを書くと、うまくいけばお客様が増えることを説明しました。

「へーぇ。じゃあ、ブログを書くにはどうしたらいいの?」

ちょっと興味を持ったようです。

「とても簡単です。ブログを発行してくれるサイトに登録するだけですよ」
「金がかかるのだろ?」
「いいえ、無料で出来ます」
「無料か!」

店長の気持が動きました。ブログを書いてみることになったのです。

「だけど、そんな時間はとても無いよ」
「分かりました。それでは3行だけなら書けますか?」
「そりゃあ、3行くらいなら書けるさ」
「じゃあ3行で行きましょう」

私は続けました。

「ただし、条件があります」
「条件?それは何?」
「それは、まず毎日書くこと、それも野球グラブのことだけです。そして必ず関係した写真を載せてください」

このK店長、たいしたものです。すぐに行動をしました。しかも、約束どおり毎日書き続けました。そうしてブログを書き始めて3ヶ月ほどたち、徐々に変化が起こり始めました。

「知らないお客から問い合わせが来るようになったよ!」
「メールが一杯来ちゃって、返信をするのが大変だよ」
「それにさぁ、野球グラブの注文まで来ちゃったよ!」

店長は、ブログの効果をしっかりと感じていました。その後も熱心に3行ブログを書き続けます。

野球グラブの専門店にすることでさらに売上増

ブログを書き始めて一年後、K店長から再び相談がありました。

「もっと売れるようにしたい」

このとき、店長には秘策がありました。「もっと取扱商品を絞り込みたい」と言うのです。この店は野球専門店です。野球用品を、これ以上どうやって絞り込むのでしょう。

店長は言います。

「野球グラブ専門店にしたい」

そして

「型付けを商売に活かしたい」

ということです。

「型付け」とは、野球グラブの形を整えて、球が捕りやすくする技術のことです。実は、このK店長、型付けの技術には自信を持っていました。

それを活かすための知恵を、私に貸して欲しいということです。即座に、私はこの店のホームページを作り変えることが必要だと提案しました。そして、時間をかけてK店長の思いや技術力を反映させたホームページに作り変えました。型付けについてもくわしく説明してあります。お客様の声もしっかりと載せました。

ホームページをリニューアルした成果はすぐに出てきました。ネット上で野球グラブマニアと言われる人たちの間で、この店のことが話題になるようになったのです。そうして、型付けの注文が、続々と入ってくるようになったのです。

今も熱烈なファンが増えてきています。その結果、現在の店内は「型付け」の出来上がりを待つグラブが山のように積まれています。今では出来上がりまで最低3ヶ月は待つ必要があるほどの注文が入っているそうです。お客様は「3カ月待ちでも頼みたい」というのです。すごいですね。

この店が成功した3つのポイント

 

この店が成功したポイントは何でしょう。それは3つありました。

1つは商品を絞るということでした。つまり、野球グラブ専門店として生きて行こうと決断をされました。

2つ目は、この店の強みを活かすということでした。この店の一番の強みは、他の店にはない技術を持っているということです。それがグラブの「型付け」です。

3つ目は、お客様との対話です。2年前にブログを始めました。そのブログでは、野球グラブのこと、型付けや修理のことを中心に、毎日書き続けました。それに伴ってブログを読んだ人からメールが来ます。そのメール一通一通に丁寧に返事をします。このようなお客様との対話からファンが増えていったのです。

以上、この3つがこの店が売れるようになった秘訣です。

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