広告とブランディングの関係

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
最近どの企業も 「ブランド」に注目を集めています。消費者の側も、ブランド名やブランドイメージが強い要因となって、消費行動に移ることも実感として感じるところです。 今回は広告とブランド構築=ブランディングの関係をお話します。

ブランドとは何か?

 ブランドの重要性といった 話は最近よく聞かれますが、はたしてブランドとは何かはっきりと定義できる経営者の方はいらっしゃいますか。ブランドに関する本やセミナーなども数多くあ るが、それぞれにブランドの定義をしているというのが現状ではないでしょうか。
 経営者は学問的にブランドを語る必要はなく、今あなたの会社や商 品を世に出していくのに必要な基本的な要件が「ブランド」と呼ばれる幅広い概念なのです。ある人は、ブランドは広告ではつくれないと言います。また、ある 人は、ブランドの定着は広告におけるイメージが重要だと言います。そもそもブランドは商品力あってのものだという人もいます。一体、どれがブランドと迷わ れるかもしれませんが、ブランドに関して語られることのすべてが正しいのです。ただ、それぞれの会社や商品によってアプローチが違うだけのことです。つま り、これからのブランドというのは、他社の実例が自社にも当てはまると言うことは皆無に等しく、それぞれ手探り状態でブランディング作業を進めていかなけ ればならないと言うことです。
 結論、ブランドとは、会社・商品そのものです。
 

レクサスブランドを広めた方法とは

 これはアメリカでレクサスが誕生したときの有名なエピソード です。レクサスが発売された当初、日本車=トラックといったイメージがあったアメリカの市場でラグジュアリーカーとしてのレクサスは、ブランドとしての認 知はほとんどありませんでした。ところが、クルマに欠陥が見つかり、それを自社負担で全車を回収し、その間の代車用意、整備してから自宅に届けると言った プログラムをすべてのオーナーにサービスすることにより、車両の性能だけでなく、レクサスとしてのお客様に対する姿勢が伝わり、瞬く間にレクサスブランドを 全米に広める結果になりました。
 ポイントは、そこで生まれたストーリーでした。ブランディングに必要な要件とはストーリー、もっというと神話の ように人々の口から口へと語られ続ける物語性が必要なのです。
 もちろん、そのストーリーには、会社や商品の信頼性や独自性がバックボーンにある ことが前提です。消費者はブランドという一見すると社名とか、商品名とかの「言葉」でしか認知できないものの裏側に荒野のように拡がる広大な大地を感じさ せてくれるものを認識しているのです。

 では具体的にどうしたらストーリーはつくれるのでしょうか。

 まず、ストーリーを 人に伝えるには、広告は向いていません。このことについてある人は「ブランドは広告ではつくれない」といっています。では、何がつくれるのか、正確に言う と、何がきっかけでつくれるのか。それが、パブリシティ、PRです。つまり、第3者的なメディアからの情報がもっとも信頼性のあるものとして消費者に届 き、ストーリーがスタートするのです。
 では、どうしたらパブリシティに取り上げられるのか、そこにストーリーのネタになる要素が必要なのです。 会社や商品を説明するだけでなく、それに至る苦労だとか、ちょっとしたハプニングだとか、具体的な出来事でもいいかもしれません。それを聞いた人が想像力 をふくらませるようなアクセントが必要です。これは難しいかもしれませんが、必ず見つけてください。いや、つくってくださいといってもいいかもしれませ ん。そういったものがない会社や商品なんて、つまらないものに違いないからです。
 

ス トーリーを伝え続けることが大切です

 次にできることが、広告です。パブリシティで消費者の中に潜みこんだ「ブランド」のタネを顕在化さ せ、継続させるチカラを持つものが広告です。
 では、広告で何を訴えていくのか。次の3点がポイントです。
【一つ目は、オリジナリ ティです】
 この広告を見れば、どこの広告か分かるようにする工夫が必要です。これを、広告表現上では「トーン&マナー」、縮めて「トン マナ」といったりします。たとえば、“iichiko(いいちこ)”という焼酎の広告展開は大変参考になります。皆さんもどこかで一度は目にしたことがあ るのではないでしょうか。駅のポスターであったり、テレビCMであったり、雑誌広告であったり、どれも商品は隅に小さく商品写真が載っているだけで、あと は”いいちこ“のロゴタイプと印象的な風景写真というパターンですね。これこそシンプル・イズ・ベストという、トンマナのオリジナリティが徹底された事例 です。

【二つ目は、継続性です】
 なかなか費用もかかることなので、広告を続けることは難しいと思っていませんか。 広告といっても、新聞やテレビばかりではありません。広くいえば自社の店舗の看板も広告ですし、飲食店のニューも、広告の一種です。つまり、広くお客さん にモノやコトを伝える媒体はすべて広告と思って、対応することが大切なのです。メニューだったら、季節毎に変えていくとか、手配りのチラシも月1回は必ず 行うとか、手間や費用をかけ広告を続けていかなければブランドはすぐに忘れられてしまいます。少しづつでもいいので、続けていくことが大切なのです。

【三 つ目は、統一性です】
 一つめのオリジナリティと二つめの継続性をベストミックスさせていくことが統一性です。表現と機会の合致といって もいいでしょう。経営だって同じですよね、統一した考えのもと、続けてこそ成果が表れてくるモノです。まさに、ブランドというのは経営そのものだと言われ るのは、この辺に理由があるのです。ブランディングを進めることは、経営戦略と切っても切れない関係なのです。
 

会社の物語=ブランド

 ブランディングはストーリーづくりだと言いました。ストーリーを 伝えるためには、パブリシティから広告へとつながっていくことが必要だともお話しました。ブランドこそ、経営戦略のそのものであることも触れました。その ことを踏まえ、御社なりのブランド戦略をつくり上げ、展開してください。ブランドづくりは決して難しくありません。なぜならそれは、あなたの会社の物語そ のものだからです。

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