起業の心得:ゲンイチ第88回 信頼させて依存させない

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

第85回の「約束をカタチにする」でも少し書いたのですが、今回も信頼と依存についてお話します。「信頼させて依存させない」とはカウンセラーやセラピスト、最近ではコーチングの専門家たちがクライアントとの関係でよく使う言葉です。でもこれって、親子でも夫婦でも、上司と部下、仕入先、得意先、開発と営業、起業家と事業などなど、人間関係だけでなく、あらゆる関わりで一番大切なことだと思います。

「信頼させて」という言い回しが一方的に聞こえるので、主体をかえて「信頼して、依存しない」というように、自分のこととして考えてみましょう。

まず、みなさんは何かに依存してはいませんか?私生活でもそうですが、ビジネスではどうでしょうか?一人では何もできません。とはいえ、みんな誰かに依存しているのでしょうか?違いますよね。事業をする上で、スタッフ、お客様、仕入先、銀行、投資家、みんな大事ですし、その人たちのお陰でビジネスが成り立っている訳ですが、どれかがなくなったら事業が終わるかというと、そんなヤワな話ではないですよね。もともと、何もないところから一つずつ積み重ねてきた事業ですから、もし、どれかが欠けたとしても、代替を考え、次の手を用意するのが起業家です。

「信頼する、信頼してもらえる」という関係で、なおかつ依存しないためには何が必要だと思いますか?
答えは「自立」です。精神的な自立と経済的な自立の両方です。自立している者同士が協業することで、新しい価値が生まれるのです。決して、誰かが誰かを一方的に助ける世界ではありません。

僕は支援する側の人間ですが、起業家を支援する時に依存させないというか、依存してはいけないということをいつも言っています。「依存した瞬間に、その事業はお前のものではなくなるよ」ってね。それは得意先でも仕入先でもスタッフでも銀行でも同じです。依存してしまえば、それは銀行の事業になったり、得意先の事業になってしまいます。そして究極は、事業が成長すると、起業家も事業に、事業も起業家に依存しなくなります。ここまで来たら本物。この時点であなたの会社は公器になります。

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