女子高校生とマニキュア

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
欲しがっているも のを、どう知ってもらい、どう接触してもらい、どう届け、どう対価を回収し、どうフォローし、どうリピートしてもらうのか。そう考えてビジネスは完成す る。

「誰」と「何」を、どうやって結びつけるか

  「誰に、何を」 売るのか。これはいわば事業が成立するかどうかの基礎です。ここが失敗していれば、「まったく売れない」という事態になりかねません。「いらない」と言っ ている人に、いらないものを売りつけるのは容易ではありませんから。

  欲しがっている人に、欲しがっているものを提供する。これが鉄則で す。しかし、話はそれで終わるわけではありません。欲しがっている人に、欲しがっているものを、どうやって知ってもらい、どうやって接触してもらい、どう やって届け、どうやって対価を回収し、どうやってフォローし、どうやってリピートしてもらうのか。そこまで考えないことには、ビジネスは完成しないので す。

 

例えば、女子高校生とマニキュア 

 仮に、「キレイなマニ キュアが欲しい」と思っている女子高校生がいるとします。そこで、ある人が72色のマニキュアシリーズを製造したとしましょう。「誰に、何を」は基本的に 成立しています。では、ここから先はどうすればいいですか? 悩ましいですよね。 
 実はここからが、考えなくてはならないこと、決めなくてはな らないこと、準備しなくてはならないこと、さらには何が何でも実現せねばならないことが、山ほどあるのです。
 例えば価格を決めないといけませ ん。小売価格を一本10万円にすれば、まず高校生は買いません。買えません。では、思い切って1本10円にします。(それでも原価を割らないという前提 で)。これなら高校生は飛びつくかもしれません。が、こんな低価格では小売店に利益が落ちないので、小売店がこの商品を陳列することは、普通考えられませ ん。

  でも、こんな考え方もあります。この超低価格マニキュアを小売店における「目玉商品」にしてもらうのです。それ自体では利益が出な くても、これを店頭に並べていれば、すごい集客力を発揮するはず。結果、他の商品の購入に結び付くでしょう。それならいっそ0円にして、他の化粧品の「お まけ」にしてはどうか? いやいや、「10円マニキュア」だから話題性があるので、無料なら、試供品と同じ意味にしかならない。であれば……。もう、この へんにしておきますね。

  要するに、価格ひとつ取っても、いろいろな観点があるのです。マニキュアを入れる容器にしたって、考える余地はたくさんあります。一般的にはキレイな小型 透明ビンを用いますが、そうじゃなくてもいいかもしれません。中が見えない黒いビンに入れる。ないしは、ちょっとファニーな感じを狙って牛乳ビンくらいの 大きさにする。あるいは、洗剤などに似た発想で、詰め替え用容器にする。極論ですけどね(笑)。

 

販売方法も多種多様

 また、ここまでの話は小売店での販売を前提にしましたが、販売方法にしても 一様ではありません。訪問販売で売る。ネットショップで売る……。さて、ここで問題です。女子高校生を対象にカラフルなマニキュアを売るとしたら、小売店 は別としてどの販売方法が有力だと思いますか? 答えは出ましたか? どれも可能性があると言えばありますが、課題も少なくありません。
 例え ば、主婦を対象にした高額の基礎化粧品セットなら、専属販売員が一軒ずつ家庭を訪問する方法はあり得ますが、自宅に高校生を訪ねてマニキュアを販売するの は、ちょっと割りが合わないでしょう。むしろ低単価商品ですから、少ない販売機会で大量に裁きたいところです。であれば、女子高校生が大量に「たむろして いる」場所をめがけて出かけていく、という発想の「訪問販売」はあるかもしれません。訪販というよりは、移動販売に近いかたちでしょうか。

 

「どう」売るかの答えは、ターゲットに聞け!

 ネット販売はどうでしょう。売って売れないこと もないのですが、ここには強力な競争相手がひしめいています。キーワード広告をしっかり展開している大手企業も少なくありません。また、店頭販売のよう に、「衝動買い」を期待するのも難しくなります。ただし72色もあるなら、そのことを訴えたキーワード広告を出稿することで活路が開けるかもしれません ね。

  つまり、どんな販売方法を選択したところで、クリアしなければならない課題はいくつもあるということです。小売店に卸すにしても、 女子高校生が買いたくなる仕掛けだけではダメで、その小売店が売りたくなる仕掛けを考える必要があります。
 この手の話を続けていけば際限があり ません。どう売るか。つまり、ターゲットと商品(サービス)を、どうやって結び付けるのか。ここのアイデアとプランの良し悪しで、そのビジネスが成功する か否かが決定的に分かれてきます。

 では、どうすれば、正しい「どう」が確立できるのでしょう。実は簡単です。その商品を買ってほしい相 手、つまり「誰」のことをよく研究すればいいのです。
 女子高校生が相手なら、彼女たちが好む商品、好む価格、好む商品名、好む容器やパッケー ジ、好むサイズや分量、好む販売場所(方法)、好む陳列方法、好む宣伝文句……。こういったことを、こまめに調べていけばいいのです。簡単ですよね。です が、手間隙はかかります。それを面倒くさがらないことが、成功への第一歩です。

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