基本の基本。「自己成長力」を鍛える

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

出題・解説: 羽根 拓也(アクティブラーニングスクール代表)

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起 業家として必要な資質は何か?関連の雑誌や本を読むと、論理思考力、リーダーシップ力、ビジョン創造力とさまざまな資質を磨くことの重要性が説かれている。し かし、それらの能力をすべて身につけることは容易なことではない。成功する起業家が、すべてを兼ね揃えているわけでもない。しかし、成功する起業家ならだれし もが持っている重要な資質がある。今回は、人間のタイプを超えて、起業家としてもっとも重要であると思われる「自己成長力」についてお話ししてみたい。

 

ア スリートにとって重要なことは何か?100メートル走者であれば、0.1秒でも早く走ることが重要である。営業マンにとって重要なことは何か?毎月の売上 げの中で、1円でも多く売ることが重要である。では、起業家にとって重要なことは何か?自分の起こした会社を成長させ、事業を継続していくことが重要であ る。

三者は、一見、別々のことを言っているように聞こえるかもしれない。しかし、本質的には皆同じことを言っている。つまり、「今までよりも上を目指す」ということだ。スポーツ選手であれ、芸術家であれ、会社員であれ、起業家であっても根本にある目的に変わりはない。

昨日、机の上の掃除をしたのはなぜか?本屋でダイエットの本を買ってきたのはなぜか?インターネットで新しいソフトウェアをダウンロードしたのはなぜだろう?いずれも根本にあるのは、「それまでの状態よりも上を目指したい」という欲求である。

「今よりも収入を上げたい」「今よりも興味のある仕事をしたい」「とりあえず今の環境よりもいい環境で働きたい」。起業という選択をする人の多くは「それまでの状態よりも上を目指したい」という動機をもっているケースが多い。

人間の行動の本質は何かと問いつめていけば、最後に残るものは、「上を目指すこと」、つまり「成長すること」であるということがわかる。これこそが、すべての原点であり、かつ最終ゴールであると私は考えている。

人間の行動の本質が「成長」であるということは、人間としての質を向上させるためには、まず何をさておいても、「今よりも上を目指したい」と思える能力「自己成長力」を向上させておくことが必要なのだ。

しかし、「成長しようとすること」そのものが能力であることに気づいていない人が多くいる。それは、その能力自体が抽象的であるからだ。それよりも、目の前にある、具体的なわかりやすい「方法論」にどうしても目が行ってしまいがちなのだ。

例をあげてみよう。

「今、 私はこのコラムを都内のしゃれたカフェで書いている。自分のオフィスで書くよりも発想がわきやすいからだ。数時間後には、出来上がった原稿がこのPCから 直接、編集担当者に送信される。私は昨年よりこの方法を導入しているが、これによって仕事の生産性が何倍も上がった。

10年前には考えられなかったことだ」

さて、雑誌でこんなインタビューが載っていたとしよう。まだ自分がそういう方法を取り入れていないとしたら、あなたはこの話から何を学ぶべきだろうか?早速、室外でメールを飛ばせるコンピュータを買うべきだろうか?

実 際には、この方法があなたの仕事に必ず役に立つという保証はない。役に立つ場合もあるだろうし、役に立たない場合もある。しかし、どんな人にも吸収できる ことが一つだけある。それは、環境の変化に対応し、即座に新しい可能性を取り入れたという姿勢である。つまり、「上を目指す資質」=「自己成長力」だ。

成 功した起業家の話を聞く時、「何をしたか」という具体的な方法に目が行ってしまいがちだ。しかし、その起業家が、携帯ビジネスに飛びついたから優れている のでもなければ、レンタルビジネスに目をつけたから優れていたのでもない。常に、今の状況に満足せず、人よりも早く「成長」しようとしたことに、その起業 家としての優れた資質が隠されているのだ。

起業家志望の人が集まる講演会などで、これからのビジネス界で成功していくためには、どのよう な力をつけておくべきだろうか?という質問を受けることがある。グローバル化に対応するために英語力、IT時代に対応するためのコンピューター力、いずれ もないよりはあった方がいい。しかしそれらが無くても立派に成功している人を私は多数知っている。

今後、我々の仕事のやり方は、劇的に変わっていくだろう。しかし、方法は変わっても、100年後も200年後も「今より上を目指す」ということ、つまり、「成長する」という姿勢の重要さは変わることなく求め続けられるだろう。

このことは、恐らく人類が誕生した時からもっとも重要な仕事であり、今後何千年たっても、その重要性が失われることはない。

極論すると、人間の存在理由そのものがそこにあると私は考えている。時間、場所、環境を超えて、唯一変わらない、もっとも重要な資質があるとしたら、それは「自己成長力」なのである。

だからこそ、まず磨くべきものは、「自己成長力」なのだ。だれよりも、成長することが求められている起業家にとって、「自己成長力」は必要不可欠な資質であると言える。

人 間はどういう時に成長することができるのだろう?成長する力を伸ばすための方法は何なのか?日々の生活を「自己成長」というキーワードで見直す習慣を持っ て欲しい。そういう姿勢を持つことによって、一過性のものではなく、業種、時間軸を超えて、生涯にわたって役立つ「何か」を手に入れられるに違いない。

 

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 【羽根 拓也 プロフィール】

日 本で塾・予備校の講師を勤めた後、1991年渡米。ペンシルバ大学、ハーバード大学等で語学専任講師として活躍。独自の教授法はアメリカでも高い評価を受 け、94年、ハーバード大学より優秀指導賞(Certificate of Distinction in Teaching)受賞。「知識を与える教育」から、「自己成長力を向上させる教育」こそが、世界に求められていると考え、97年に東京に「アクティブ ラーニングスクール」を開校。これまで日本にはなかった「自己成長力」を育成する教育機関として各界より高い評価を得ている。独自の教育理論えおその指導 方法に、有名企業、政府関係機関、教育機関などより指導依頼が絶えない。

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