やさしい企業会計 Vol.03 起業するためにはいったいいくらのお金が必要?

やさしい企業会計
実際に起業しようとしたときには、一体どれくらいのお金が必要になるものなのでしょうか。もちろん、業種や規模によって異なりますから、具体的な金額を計算する事は難しいのですが、いくつか気をつける必要があります。

 

 平成18年の5月1日より株式会社に関する法律が改正され、それまで1000万円のお金を用意しないと設立することのできなかった株式会社を1円でも設立できるようになりました。そのため「起業が容易になった」とも言われていますが、実際問題1円で起業出来るはずもないことは、想像に難くないでしょう。

 それでは、実際に起業しようとしたときには、一体どれくらいのお金が必要になるものなのでしょうか。もちろん、業種や規模によって異なりますから、具体的な金額を計算する事は難しいのですが、以下のような点に気をつける必要があります。

 

会社を設立するときにかかるコスト

 まず、そもそも株式会社を設立するためには、そのための費用がかかります。会社の憲法ともいえる定款を作成し、それを公証人に認証してもらう費用(電子認証の場合には収入印紙代はかかりません)や、法務局に設立の届出をする際の登記費用など、数万円から十数万円がかかります。さらに、これらの手続きを専門家に依頼した場合、その手数料が安くても数万円はかかります。

 次に、会社を設立する場合には、場所(住所)が必要になります。自宅で開業する場合を除けば、その賃貸費用も必要となるでしょう。そして、事務所を借りる場合、保証金(敷金)は、家賃の6ヶ月分から10ヶ月分を要求されるのが一般的で、不動産屋さんへの仲介手数料や、礼金なども支払う必要があります。すなわち、例えば月額10万円のオフィスを構えようと思ったら、約1年分の120万円くらい必要になる可能性があるということ。近年、保証金の金額が低くなってはいるようですが、事務所費用が起業時の大きな負担となることは間違いありません。なお、この点については、レンタルオフィスを利用して、コストを抑えるという方法も効果的です。

 さらに、事務所の備品が必要になります。机、イス、パソコン、電話などは、どんなビジネスであっても必需品でしょう。どんなに安くそろえようとしても、数万円から十数万円はかかるでしょう。

 そして、いざ会社ができあがれば、日々の経費がかかります。水道光熱費をはじめ、電話代などの通信費、移動のための交通費など、1つ1つはたいした金額ではなくても、月々数万円のコストは避けることができないでしょう。ちなみに、備品についてもレンタルという選択肢があります。

 

どんなビジネスでも少なくとも300万円は必要

 なお、ビジネスやプロジェクトをはじめるに当たって、とにかく最初に必要になる金額を「初期投資」と言います。ビジネスが軌道に乗るまでは、お金は出て行く一方ですから、数ヶ月間の支払いに耐えられるだけのお金を初期投資として計算し、その分のお金を用意しておくことが、スムーズな事業展開へとつながるはずです。

 そう考えると、どんなに小さな会社で、どんなにコストのかからないビジネスでも、少なくとも300万円、当初から従業員を雇う計画があるのであれば、そのコストも上乗せした金額を用意する必要があるでしょう。