解雇でよくあるトラブル

経営トラブル

執筆者: ドリームゲート事務局



 次に解雇の問題です。30日分の賃金を支払えば解雇ができると勘違いしている社長が多いのですが、労働基準法において解雇はかなりハードルが高いことがわかります。これは従来の日本社会が終身雇用を前提としているため、安易な解雇をしないように労働基準法や判例によって規制しているためです。特に解雇に関しては、就業規則に解雇事由の記載がないといけません。さらに懲戒解雇(従業員の不正行為による解雇)の場合は、その事由を列挙していなければなりません。これを限定列挙と呼びます。能力不足のような普通解雇では就業規則の包括事由で足りるので、「その他前各号に準ずるやむを得ない事由があったとき。」等に当てはめることができますが、懲戒解雇はさらに困難だとわかります。そのため、就業規則も雇用契約書もなければ、解雇自体がほぼできません。

 特に解雇の場合は、従業員が会社に戻るのは気まずいので、紛争になった場合には金銭解決になることがほとんどです。昨今急増している労働審判制度を使えば数千円で原則3階までの審議で判断されます(東京では1~2回程度)。会社がきちんと証明や反証ができなければ、半年もいなかった社員に1年分の賃金の支払い命令が出されることもあります。能力不足や勤怠不良で解雇等で行う場合、会社はどれだけ教育・指導を行ったのかが重要となります。しかし、第3者が不当かどうかを判断する際に実際に社員教育等を行っていたかどうかを客観的に判断することは難しく、そのため、解雇を行うにはそれを証明する具体的な事実と証拠が必要です。それを踏まえても認められるのは困難なのが現状です。

 さらに、「では短期間の契約を繰り返せばよいのか?」というと、そうでもなく、今回の改正労働契約法において、5年を超えて有期の雇用契約を繰り返した場合には、本人の希望により正社員へ転換できるという判例法理が明文化された上、5年を超えていなくても、実質的には無期契約の正社員と変らないと判断されると、それも雇い止め自体ができなくなります。

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