2-3-6.LLP事例1

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

STEP2.こんなに違う。会社の種類

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2-3-6.LLP事例1

ラジオ番組を基点とする「異業種仲間」を組合化。ブレストから出たアイデアが短期間で新事業に!

福井弁で「やんちゃ」の意味を持つ「あばさけ」と名付けられたLLP(有限責任事業組合)が、今年8月31日に誕生した。オンラインショップの研究会「どっと混む福井」で知り合った異業種仲間が、地元ラジオ局でパーソナリティを務めることとなり、その番組企画として、「あばさけブランド」の日本酒を開発・販売しようと考えたことが事の始まり。県内申請第一号となり、地元メディアの話題をさらったこともメンバーにとっては“想定内”の出来事だった。「LLPなら、すでに出来上がっていた人間関係や役割分担を生かしながら、楽しんで事業活動ができる」と語る、組合員・吉村明高さんに経緯や反響を聞いた。

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「県内一号」の注目度も計算に入れて

Q:組合の事業内容とメンバー構成を教えてください。

A:地元福井にこだわった、さまざまな商品を掘り起こし、「あばさけブランド」として認定した上で、販促・PRを行うことを目的として設立しました。もともと、インターネット通販の研究会「どっと混む福井」で知り合って意気投合した仲間4名が集まった組合ですので、電子商取引をはじめとするインターネットを活用した販売促進活動や通信販売を企画していこうと。また、私たちがパーソナリティを務めているFMラジオ番組「全開! 福井あばさけビジネス道」とも連動させることでPR効果を倍増させ、利益の出せるビジネスモデルに育てていきたいと考えています。

組合員の職種や業界はバラバラでして、私はプロジェクター用スクリーンの製造販売を手がける株式会社シアターハウスの代表者。ほかの3名は、パソコン教室フランチャイズ、教則DVD販売などを運営する株式会社ウォンツの代表取締役・鈴木洋、製造業のネット活用に取り組む三和メッキ工業株式会社の常務取締役・清水栄次、そして、ジュエリーデザイナーの木村佳美という顔ぶれです。

Q:すると、設立より先に活動が始まっていたのですか?

A:そうです。今夏に、FM福井さんに「経営者が本音でビジネスを語る トーク番組をやってみたい」と提案をして、週1回・30分のラジオ番組を持つことになりました。番組の中で地元のビジネスについて語り合ううちに、埋もれている特産品や技術、アイデアなどを生かして福井が元気になるような名産品を開発しようという思いが高まってきたのです。ほどなく、リスナーから「米も水も“福井産”にこだわったお酒はどうか?」という意見が寄せられて、本県素材だけでつくった純米吟醸酒のPRに取り組むことに。その際、メーカーや販売店にお世話になるビジネスですから、信用力をつけたほうがいいと考え、私はNPO法人の設立が最適かなと思っていたのです。ところが鈴木が、「LLPという新制度ができると聞いた。自分たちに合うのではないか?」と言い出したのです。そこで、専門家に相談するなどして詳しい内容を確認したら、本当にピッタリ。自由に活動したい自分たちのためにあるような制度でした。必要な書類は約2週間で整えました。登記に至るまでの手続きに煩雑さは感じませんでしたね。

小資本×スピード経営に適した制度

Q:LLPのどんなところに魅力を感じたのですか?

A:まずは出資金の規制がなく、少資本で始められる点。加えてパススルー課税が採用されているため、法人税がかからない点にひかれました。そして、福井県下で最初のLLPになることでメディア露出の機会が増えれば、PR面で効果が出せるという計算もありました。実際、新聞などの取材が相次ぎ、「あばさけ」の名前が広まったと感じています。さきほど紹介した日本酒も販売開始から、すでに200本を超える販売実績を上げており(10月20日現在)、出足は好調です。

また、他の法人組織などに比べると、組合員同士が対等な立場にあるため、意見交換が活発になり、どんどんアイデアが出てくることを実感しています。「やるか、やらないか」を、メンバーの合議だけで決めていけるので、企画から実現までの時間が短いですね。販促企画のようなスピーディーな運営が求められる業態には、とくに向いていると思います。

Q:組合員の出資比率や損益持分は対等なのですか?

A:損益持分は25%ずつと対等ですが、出資比率は異なります。個人事業主である木村だけが5万円で、残り3名が15万円ずつの合計50万円でスタートしました。木村はメンバー1のしっかり者でネットのスキルも高く、LLPをつくる前から、ラジオ番組の公式ブログの運営・管理、スケジュールや打ち合わせの段取りなど、全員にかかわる業務を担ってくれていました。このように、メンバーが提供できる人的資産(能力・人脈・スキルなど)や作業負担の大小も加味して出資格差がつけられることも、メリットのひとつですね。

異業種が組むプロジェクトの受け皿となるか?

Q:デメリットは感じませんか?

A:感じません。ただ、LLP自体の認知度がまだまだ低いところが、難点といえば難点でしょうか。それでも、個人事業よりも信用を得やすいでしょうし、法人よりもフレキシブルな経営ができるはずです。メンバーたちも、「自分の会社と違い、いい意味で力を抜いて取り組める」(清水)、「法人・個人の区別なく仲間として組めるので、やり甲斐があるうえ、学べることが多い」(木村)、「交流会なら雑談で終わっているような仲間とのブレストが、LLPとしての活動なら事業化されてしまうダイナミズムが面白い。学生時代の部活のよう」(鈴木)と、LLPでの活動を満喫しています。

Q:どんな人たちにLLPを勧めたいですか?

A:私たちと同じように、すでに人間関係が出来上がっており、プロジェクトを組むようなスタイルで仕事をしている人たちですね。LLPという組合契約を結んでいることによって、組合員としての自覚が生まれ、チームワークが強まり、個々のモチベーションも上がると思いますから。とくに、これまでは、異業種が組む、法人と個人が対等に仕事をする、といったケースにしっくりくる形態はなかったので、LLPには期待しています。

Q:将来的に、株式会社などに変更する意向はありますか?

A:関連法規が変わるなどすれば別ですが、現状のメリットを享受できる限りは、変更の必要はないでしょう。そこで、組合の存続期間も10年間と長めにしておきました。

また、新聞記事などを見た法人などから、LLPへの参加に関するお問い合わせをいただくこともありますが、以前からの役割分担を継承して活動しており、あらゆる意味でバランスがとれたチームですので、今のところ増員する予定はありません。

Q:今後の目標や活動予定は?

A:日本酒の好評を受け、第二弾として、カニ・エビ・ヘシコなど、福井の海産物を組み合わせた「あばさけ海鮮セット」という商品を開発し、10月18日のオンエアで紹介。すでにオンライン通販が始まっています。そのほか、味噌や生さば寿司など、現在企画中のものもいくつかあります。また、出版の企画も進行しています。番組ではさまざまなゲストを招いてトークを行っているので、ビジネスに関するノウハウが蓄積されてきました。これをきちんとまとめれば、内容の濃いビジネス書になるはずです。

いずれも、利益の見通しはまだまだですが、リスクを恐れずチャレンジできるのがLLPの利点。自分たちで企画したものが形になり、しかも話題になることほど、痛快なことはありません。これからも、もっと「あばさけ」ていきますよ(笑)。

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