節税

会計・決算・確定申告

執筆者: ドリームゲート事務局

節税とは言葉の通り「税金を節約する」わけだが、節税を考える際、最も大切なのはその目的である。行き過ぎた節税は「脱税」と呼ばれる違法行為に繋がることもあり、どこまで節税するのか、その決定は非常に重要なのだ。
例えば他の会社で大丈夫だった節税方法でも、行為計算の否認(経済的な行為はどうあれ、税務上だけその取引がなかったものとして課税される)によって自社では認められないということも出てくる。何のためにその経済行為をするのか、そしてそれは証拠をもって立証できるか。節税では、こうしたポイントが重要なのである。

計画的に事業に必要な投資を行ったり、あるいは雇用増加や昇給、ボーナス、福利厚生の原資に当てたりすることが結果的に節税になり、支払う税金が安くなり結果手元にお金が残る。そのお金を再び事業に使うことで、将来のキャッシュフローを増加させることになる。つまり会社をより成長させ、顧客満足をさらに高めることができるというわけである。
また政策的に特定の投資を行ったり、従業員数を増加させたりした際には、会社が支払う税額から一定の控除が認められることもある。税務の知識があれば、節税で浮いたお金を将来に向けた一定の投資に使うことで、さらなる節税が可能となり、より会社が強くなっていくという好循環を作り出せるのだ。

ただしその反面、税金を払いたくないばかりにこんな行動を取ると、大きなデメリットを生んでしまう。

・無駄な飲み食いに使ってしまう(無駄遣い)
・社長の個人的な趣味に会社のお金を使ってしまう(公私混同) など

税務的に接待交際費として損金にならない部分が出たり、実質的には過大な役員給与だと認定されて、法人税の損金にならなくなった上に個人の所得税まで課税されたりする。さらには加算税や延滞税がついて、多額の追徴税額を払わさせるような結果となるのだ。

また節税で留保したお金は、同時に会社の守備を固めるために使うことも可能だ。
解約返戻金があり、必要な時に保険金が入るような生命保険に加入しておく。解約返戻金がある生命保険や経営セーフティ共済などは、実質的に外部にお金が貯まっているので、これを担保として借り入れを行うことで急場のキャッシュフロー改善することができるだろう。
住宅ローンの場合は、夫が亡くなったときに保険から借金を返済してくれて、家を遺族に残すことができるようにするのが一般的だ。これと同様に社長が連帯保証している会社の借金も、社長が亡くなった際には保険金が支払われ、一括返済が可能になるといった仕組み作りを行う事も可能である。もしこれをしておかないと、せっかく残した家を会社の借金返済のために売らなければいけないことにつながりかねない。これは商品にもよるが、節税しながら保障を確保し、解約した際に受け取れるお金を貯めておくことができるというわけだ。

会社における節税の第一歩は、給与所得控除を使った節税と、所得分散による節税だ。個人事業では自分に給与を払うことはできず、たとえ払ったとしても資金移動でしかない。そのため、必要経費に含めることはできないのである。また家族に給与を支払う場合でも、専従要件や事前届出が必要になるなど要件が厳しく、実情として使い勝手が悪い。

しかし会社の場合、役員には会社法上一定の責任があるため、非常勤でも一定額の役員報酬を支払うことができる(一定の手続きと勤務実態は必要)。

「給与が年間103万円までは、所得税がかからない」

などという話を聞いたことがある方も多いのではないだろうか。これは全国民に認められている38万円の基礎控除の他に、65万円の控除があるため無税になるのだ。この65万円の控除が、給与所得控除である。給与所得控除は他の損金と異なり領収書などが不要で、給与をもらうことによって自動的に認められるという特徴がある。
また給与所得控除は、給与が増加すればするほど増加する。この領収書がいらない給与所得控除を上手に使うのが、節税ではとても重要なのだ。ただし平成25年からは、給与が1,500万円を超えても給与所得控除が増加しなくなるので注意しておきたい。

所得税には、所得が増加すればするほど税率が上がっていくという特徴がある。そのため、できるだけ多くの人に分散した方が税率は安くなるのだ。その際にも、やはり個人事業と比べて会社は有利ということになる。また先ほど触れた解約返戻金のある保険を使って節税をしながら、退職金の原資を貯めていくということもできる。退職金は退職所得控除が認められ、所得が1/2になったり、他の所得と合算せずに課税されたりするなど、非常に有利な所得区分なので使わない手はない。家族で会社を営んでいるケースなどでは、社長に高額な給与を支払うより、奥さん等に仕事に応じて給与を支払う方が、所得税や住民税は安くなる。

最後に赤字が出た場合を考えよう。個人事業では、赤字が出たとしても3年まで繰り越して次年以降の所得から差し引くことができる。これが、会社では9年間まで繰り越すことが可能なので、たとえ赤字になっても回収できる可能性が格段に高くなり、リスクが低い点もメリットと言える。
税率も個人は最大50%になってしまうが、会社の場合38%程度。平成25年からは復興増税があるが、個人は平成49年まで続くところを法人は平成27年までで終了となる。法人税の税率は国際競争にさらされるため低下傾向にあるのだが、最終的に個人が支払う所得税や相続税、消費税は増税傾向にあるという点もポイントだ。中小企業の場合は年800万円までの所得について税率の軽減措置があるので、利益が出てもこのラインまでは納税が比較的少なくて済むという点も見逃せない。

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