最大450万円、IT導入補助金2021の概要をITコーディネータが解説

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 森口 智志 (もりぐち さとし)

こんにちは。ドリームゲートアドバイザーの森口智志です。

私はネットショップ運営支援を行いながら中小企業診断士、ITコーディネータとして多くの事業者の起業支援、IT化支援、補助金支援などを行っています。

現在、事業再構築補助金などに注目が集まっていますが、売上が減っていたり事業転換したりしなくても申請できる補助金があります。コロナ禍の中、売上を減らさずにがんばっている事業者にこそ使って欲しい補助金がIT導入補助金です。

コロナに負けない体力をつけるにはITによる業務の効率化は不可欠です。IT導入補助金ってなに?という方、IT導入補助金を使ってみたいという方、ぜひこの記事を参考にしていただければと思います。

IT導入補助金とは

IT導入補助金は中小企業や自営業者を対象に、IT導入による生産性向上を目的とした補助金です。対象のITツールを導入すると導入金額の1/2~2/3、30万から最大450万円を受け取ることができます。

今年度は1次締め切りが5月14日までとなっており、4月9日現在で2次締め切りまでの予定が公表されています。今後、状況をみながら年度内に5回程度の締め切りが設定され順次公募されていくと予想されます。

IT導入補助金は申請したら必ずもらえるものではありません。申請内容に対して審査があり、採択となった場合のみ補助金を受け取ることができます。

採択率は公表されていませんが、昨年度はコロナによる応募殺到などもあり50%以下という厳しい数字だったのではないかと思われます。

しかし最大450万円といった補助額は中小企業にとっては魅力です。上手に使えば事業の体力強化に役立つ補助金なので活用しない手はありません。

ITツールはIT導入支援事業者が登録したものから選ぶ

IT補助金公式サイトから引用)

IT導入補助金の特徴は、事業者が単独で補助金を申請することはできず、必ずIT導入支援事業者と組んで申請しなければならないということです。

補助を受けたい事業者はIT導入支援事業者が登録したITツール(ソフトウェアやサービス)の中から一つまたは複数を組み合わせて申請します。ただし複数のIT導入支援事業者にまたがってツールを選ぶことはできません。

ITツールはパッケージとして販売されていることが前提で、システム開発を伴うものやITハードウェアはこの補助金では認められていません(ただし、低感染リスク型ビジネス枠ではハードウェアのレンタルが認められています)。

ITツールはIT導入補助金のポータルサイトで検索できますのでどんなツールが登録されているのか探してみましょう。

申請枠の種類

通常枠(A、B類型)に加えて、2021年度は新型コロナウイルスの感染拡大を抑えながら経済の持ち直しを図り、中小企業のポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環を実現させるため「低感染リスク型ビジネス枠」としてC、D類型が加わりました。

通常枠より補助率が高く、補助対象にハードウェア のレンタル費用まで含める事ができるのが特徴ですが、申請条件が通常枠と一部異なります。

また、どの類型についても賃上げ目標の策定が加点または必須項目となっています。

どの類型に申請可能かは、ITツールが持つ機能(業務プロセス)やその数によって決まります。

通常枠(A、B類型)

補助金申請額は30~450万以下、補助率は1/2以内、補助対象はソフトウェア購入費用および 導入するソフトウェアに関連するオプション・役務の費用となります。

低感染リスク型ビジネス枠(C、D類型)

補助金申請額は30~450万以下、補助率は2/3以内、補助対象はソフトウェア購入費用および 導入するソフトウェアの利用に必要なハードウェアのレンタル費用と関連するオプション・役務の費用となります。

A類型 B類型 C-1類型 C-2類型 D類型
補助金申請額 30万~150万未満 150万~450万以下 30万~300万未満 300万~450万以下 30万~150万以下
補助率 1/2以内 2/3以内
補助対象 ソフトウェア購入費用及び 導入するソフトウェアに関連するオプション・役務の費用 ソフトウェア購入費用及び導入するソフトウェアの利用に必要不可欠なハードウェアのレンタル費用と関連するオプション・役務の費用
賃上げ目標 加点 必須 加点 必須 加点
必要な
プロセス数
1種類以上
(汎用のみでは不可)
4種類以上 2種類以上
ツールに関するその他の要件 業務形態の非対面化に資するITツールである 業務形態の非対面化に資するITツールである

 

1つのツールで複数のプロセスを満たすツールもあり、必要なプロセス数が2種類以上だからといって複数のツールを選ばなければならないというわけではありません。

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IT導入補助金の事例

IT導入補助金の最大の目的は労働生産性の向上です。ITによって業務が効率化しそれにより売上・利益が向上したり、労働時間削減につながったりすることが目的なのです。

ではIT導入補助金の事例をみてみましょう。

飲食業の例

  • タブレット端末から料理を注文できるセルフオーダーシステム
  • POSレジに打ち込まれた売上データと会計システムを連携させられるITツールの導入
  • ウェブ予約のシステム
  • お客さま自身のスマートフォンからメニューをオーダーできるシステム

卸・小売業の例

  • 競合店や競合他社サイトに掲載されている商品価格を自動的に収集するシステム
  • 商品ごとの条件を発注や仕入のタイミングでデータ化して登録できるツール
  • 取引先の名称から、過去の注文情報を検索・管理できるツール
  • マーケティングオートメーションツール
  • Web上で受注を完結でき、さらに顧客管理や販売管理も行えるツール
  • 宅配便の送り状と、商品のピッキングリストや納品書を連携できるツール
  • SNSの投稿など、ユーザーが作成したコンテンツをマーケティングに利用できるツール
  • 複数のECサイトに提供している情報を一元管理できるツール

会計・経理業務の例

  • 交通費精算フォームに記入された金額と、乗り換え案内サイトの情報の照合を自動化するツール
  • ICカードやタッチパネルを使った勤怠管理システム
  • 仕訳のルールを学習し、自動化できる会計ツール
  • 税理士に提出する会計情報を、クラウド上でのやり取りで完結できるツール

IT導入補助金の申請手順

①gBizIDプライムアカウントの取得

gBizIDとは1つのID・パスワードで様々な行政サービスにログインできるサービスです。IT導入補助金はオンラインでの申請となりますので、gBizIDプライムアカウントの取得が必要になります。ID発行までに時間がかかる場合があるので、早めの手続きをお勧めします(2021年4月9日現在、発行まで3週間ほどかかるようです)。

②履歴事項全部証明書、法人税の納税証明書の準備

履歴事項全部証明書は3カ月以内に発行されたもの、納税証明書は窓口で発行された直近分のものが必要です。

③ITツール選定

自社に必要なITツールを選定します。IT導入支援事業者、ITツールはこちらから検索できます。

④交付申請の作成

IT導入支援事業者からの招待メールに記載されたURLから申請マイページ作成します。必要事項を入力し、IT導入支援事業者と連携しながら交付申請の作成を開始します。

⑤交付申請を事務局に提出

⑥交付決定

交付決定後に補助事業を開始します。交付決定前に契約や発注、支払いを行った場合は交付の対象にならないので注意が必要です。ただし、低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)については特例として遡り申請が可能な場合があります。

⑦補助対象事業実施

事業実施後、事務局へ事業実績報告を行います。

その後、補助金が交付されます。

採択へのコツ

冒頭にも書きましたがIT導入補助金は審査があり、申請内容が採点され採択になるかどうかが決まります。ではどうすれば採択されるのか?最後にIT導入補助金採択のコツを公開します。

●クラウドを利用したITツール

同じような内容のツールであればクラウドを利用したITツールが優先されます。

●テレワーク対応ITツール

テレワーク対応製品として登録されているツールは採点の際、加点されます。

●インボイス対応ITツール

2年後の2023年10月から消費税にインボイス制度が導入される予定です。このインボイス制度に対応しているITツールは採点の際、加点されます。

●ITツール導入の目的を明確に

ITツールの導入を決める前に、自社の分析をきちんと行います。特に自社の弱点となっている部分を改善するためのITツールであるかどうかは審査の時に必ずみられます。自社の課題、それによって選定したITツール、それによって改善する労働生産性、これらが一致していると採択されやすくなります。

最後に

今年度はコロナによって疲弊した中小企業を支援する目的で多くの補助金や助成金のメニューが組まれています。ただし補助金によってどんな部分を支援するのかという目的は様々です。IT導入補助金はコロナ発生前からある「生産性向上=効率化」のための補助金です。もらえるものならなんでももらうというスタンスではコロナに負けない強い企業を作るということになりません。補助金はもらってなんぼではなく活用してこそのものです。

補助金を上手に活用して事業を強化する、ぜひそんな姿勢で取り組んでください。

 

この記事の執筆者:ドリームゲートアドバイザー 森口 智志氏
有限会社アダプト代表取締役、中小企業診断士・ITコーディネータ

2000年に有限会社アダプトを設立、Web制作会社として業務を開始。中小企業診断士、ITコーディネータ等の資格を取得し、中小企業のシステム導入、経営効率化など幅広い支援を行っている。また製造業からサービス業までさまざまな業種において「ものづくり補助金」、「IT導入補助金」など各種補助金の支援を多数行っている。

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アドバイザー:森口 智志

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