スタートアップの資金調達のすべて−資金調達を成功させる方法−

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

スタートアップの立ち上げにさいして、資金調達の方法に悩んでいたり、調達先を探したりしていませんか?そもそも本当に資金を調達できるかも半信半疑な場合もあるでしょう。

しかし、自社の状況に合わせた調達先の選定といったポイントをおさえておけば、効率的な資金調達がめざせます。実際、創業から数年で数十億円の資金調達をしているスタートアップ企業もあるほどです。

そこで、6万件以上の起業や資金調達の相談にのってきたドリームゲートが、資金調達のパターンや調達先の選定方法などをまとめて解説します。資金調達の重要ポイントが明確になって自社の成功確率アップにもつながるので、ぜひじっくりとお読みください。

どのくらいの資金が調達できる?スタートアップ資金調達ランキングを紹介

資金調達の経験がない場合、十分な資金を調達できるかどうか半信半疑なことでしょう。しかし、現実的に新たなビジネスをしていけるだけの資金は調達可能です。根拠として国内スタートアップ資金調達ランキング(2020年1~8月)を紹介します。

*引用元:「国内スタートアップ資金調達ランキング(2020年1-8月)」│STARTUP DB

スタートアップでも数十億円から数百億円もの資金を調達できている企業が多数あるとわかります。詳しくは後述しますが、国内にもエンジェル投資家やベンチャーキャピタルといった新たなビジネスに投資したがっている個人や組織がいるためです。もちろん公庫や銀行からの資金調達もめざせるので、資金調達の手段は多岐にわたります。

ちなみに、新たに14位にランクインしたSkyDriveは2018年に設立された企業で、3位にランクインしたティアフォーは2015年に設立された企業です。

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スタートアップとは?ベンチャーと何が違い、なぜ資金調達できる?

明確な定義があるわけではありませんが、スタートアップとベンチャーには違いがあり、スタートアップだからこそ多くの資金を調達できている部分もあります。具体的な違いとしては以下のとおりです。

  • ベンチャー:中長期的な成長をめざす企業。ある程度確立されたビジネスをベースにしている。
  • スタートアップ:短期間でのイグジット(上場やM&A)をめざす企業。イノベーションをおこして生活や社会を変える。

いわゆるGAFAは典型的なスタートアップ企業と考えられています。ベンチャーキャピタルといった出資する側の立場からすると、イグジットできたときのリターンが大きいのがスタートアップ企業だといえるでしょう。

起業するにあたって自社がスタートアップだといえそうなら積極的にアピールして資金調達するのがおすすめです。

資金調達の代表的なパターンは3つ

代表的な資金調達のパターンは以下3つです。

  • アセットファイナンス(自己資金・資本を原資とした資金調達)
  • デットファイナンス(銀行や公庫からの融資=負債)
  • エクイティファイナンス(投資家などからの出資=資産)

アセットファイナンスは、不動産や知財権などのキャッシュフローを返済原資として資金調達する方法です。多くの場合、スタートアップ企業には不向きなのでデットファイナンスとエクイティファイナンスについて詳しく解説していきます。

デットファイナンスの特徴

デットファイナンスは、銀行借入や社債発行などで資金を調達する方法で、新株の増加をともなわないのが特徴です。もともとはDebt financeという英単語で、debtは借り入れという意味になります。負債となる資金調達がデットファイナンスというわけです。

当然返済の義務があり、利息も発生します。一方で経営に介入されるといったデメリットは発生しません。スタートアップ企業におすすめの借入先などについては、以下の記事に詳しくまとめているので参考にしてください。

エクイティファイナンスの特徴

エクイティファイナンスは、新株を発行して資金を調達する方法です。エクイティは英単語のequityにあたり、自己資本を意味します。要するに発行した新株をとおしてベンチャーキャピタルや投資家から資金を集めるのが、エクイティファイナンスです。

エクイティファイナンスは自社の資産が増えた形になり、デットファイナンスのように返済義務は発生しません。しかし、資金をだした組織や個人は株主になっているので経営に口をだされることになります。

さまざまなビジネスモデルに精通しているプロから意見を聞けるともいえますが、あまりにもエクイティファイナンスで資金調達をすると経営しづらくなってしまう恐れがあるのも事実です。バランスを考えて資金調達の手段を選ぶのが重要になります。

なおエクイティファイナンスとして資金調達をする方法は複数あります。以下の記事でまとめて確認できるので、参考にしてください。

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『投資ラウンド』と【成長フェーズ】、各段階での調達先を紹介

資金調達をめざすにあたり、『投資ラウンド』と【成長フェーズ】という概念を理解しておくのが重要になります。投資サイドが出資する段階のことを投資ラウンドといい、投資額などを左右するスタートアップの成長段階を成長フェーズといいます。

各投資ラウンドと成長フェーズで有効な資金調達の手段は変わってくるので、自社がどの段階にあるかを理解しておくのが重要になります。そこで、投資ラウンドと成長フェーズについて解説していきます。まず投資ラウンドの詳細は以下のとおりです。

『投資ラウンド』名 詳細
シードラウンド 創業の準備中のスタートアップ企業が創業資金などを求めておこなう資金調達。
シリーズA 創業し、事業資金や設備投資を目的にする資金調達。
シリーズB 経営が安定しだした段階での事業拡大のための資金調達。
シリーズC より経営が安定し、黒字がみこせている段階での資金調達。

上記4段階ごとに適した調達先があります。また、投資ラウンドは成長フェーズと関連性があり、自社の状態でも適した投資先を判断できるので成長フェーズについても解説していきましょう。具体的には以下のとおりです。

【成長フェーズ】名 詳細 関連する投資ラウンド
シード期 事業計画や商材の試作を作成しており、実際にビジネスの展開はまだしていない段階。 シードラウンド
アーリー期 創業しているが、まだ売上はあがっていない段階。基本的に赤字。 シリーズA
ミドル期 ビジネスが軌道にのり始め、新規事業の開始や既存事業の拡大などをする段階。 シリーズB、C
レイター期 ビジネスが大きくなり、より規模を大きくしたりイグジットを意識したりする段階。 シリーズC

やみくもに資金調達にむけた行動をしても効率が悪いので、自社が投資ラウンドと成長フェーズのどの段階にあるかを判断してから投資先を選ぶのが重要です。

シードラウンド』と【シード期】に適した調達先

『シードラウンド』や【シード期】に適した調達先は以下のとおりです。

  • エンジェル投資家
  • ベンチャーキャピタル
  • 創業補助金や公庫の新創業融資制度

調達額としては数百万円程度が目安となるでしょう。詳しくは後述しますが、資金調達するにあたりビジネスモデルの有益性や将来性を理解してもらうために事業計画書をきちんと作成するのが重要です。

『シリーズA』と【アーリー期】に適した調達先

『シリーズA』や【アーリー期】に適した調達先は、以下のとおりです。

  • エンジェル投資家
  • ベンチャーキャピタル
  • 各金融機関
  • 補助金、助成金

調達額としては1,000万~5,000万円が一般的でしょう。必要に応じて事業の運転資金だけでなく設備資金も含めて考えるが重要です。

『シリーズB』と【ミドル期】に適した調達先

ビジネスが軌道にのってきた『シリーズB』や【ミドル期】では、ベンチャーキャピタルや銀行が調達先として適しています。

特に複数のベンチャーキャピタルの活用を検討するとよいでしょう。調達額としては数億円が目安で、マーケティングの強化や新規事業のチャレンジなどに資金を使います。

『シリーズC』と【ミドル~レイター期】に適した調達先

経営が安定している『シリーズC』や【ミドル~レイター期】ではイグジットをめざしてより企業の規模を大きくしていく必要があります。

調達手段としては、銀行の融資やファクタリング、シンジケートローン、補助金・助成金などが代表的です。調達額は数十億円が必要でしょう。

ベンチャーキャピタル(VC)の選び方や種類を解説

先に解説した調達先として多く登場したベンチャーキャピタル(VC)とは、ハイリターン・積極的投資をおこなうファンドのことです。エクイティファイナンスで株を渡して資金を調達するので、経営に介入されます。

さまざまなスタートアップに投資してビジネスに詳しくなっているVCが経営に介入するのはメリットになり得ます。

したがって、調達額だけで選ばずに信頼関係が構築できそうなVCを選ぶのが重要です。具体的な選び方は後述しますが、自社とビジョンが共有できたり事業の特性に合っていたりといった要素で相性をはかることになります。

VCの仕組み

VCの仕組みは、運営母体(金融機関や事業会社)や投資家などから資金を集め、成長がみこめるスタートアップ企業に投資するというものです。投資先の企業が成長や上場をはたせば、株式を第三者や市場に売却してキャピタルゲイン(値上がり益)を得ます。

経営の助言や役員派遣といった企業価値を高めるための活動もおこなうので、スタートアップ企業としては積極的に活用したい存在です。

VCの選び方

自社に適したVCを選ぶには、以下の要素を調べて相性を探るのが重要です。

  • 創業直後を好むか上場直前を好むか
  • 大手か中小か
  • クラシック(積極的に経営のアドバイスをする)系かマーチャント系(企業に任せる)か
  • 投資審査はスピード重視か精査するか

VCの種類4つを解説

VCは大きく分けて以下4つの種類に分かれています。

  • 政府系:公的な資金を原資としたVC。大学発のスタートアップ企業を支援するVCも存在する。
  • 独立系:独自の資本で投資をしているVC。上場しているVCもある。
  • 金融機関系:銀行や証券会社などを母体としたVC。投資金が多い傾向にある。
  • コーポレート系:事業会社が母体としたVC。特定の地域に特化したVCも存在する。

投資ラウンドや成長フェーズ、自社の業界などに合わせてVCの種類も考慮すると効率的に資金を調達できるでしょう。

提出先別の事業計画書のポイントを解説

創業前や実績のないスタートアップ企業が資金調達するにあたって重要になるのが事業計画書です。主にVCか投資家にみてもらうので、それぞれのポイントを解説していきます。

VCむけの事業計画書のポイント

VCむけの事業計画書のポイントは、将来性と収益性を示すことになります。VCは投資先のいくつかの企業が大きく成長して大きなリターンを得ることを目的にして、複数の企業に投資しているからです。

もちろん、各VCによって重視しているポイントは異なるので相手に合わせてアピールする内容を変えるのが重要です。VCむけの事業計画書のポイントについてより詳しくは以下のページを参考にしてください。

投資家むけの事業計画書のポイント

投資家むけの事業計画書は、事業の全体像のサマリーシートと相手が興味を持っている点をアピールするのが重要なポイントになります。なぜなら、個人の投資家は判断がはやい傾向にあるので事業の概要を端的にみせたほうがよく、投資の判断基準は人それぞれだからです。

自社にあった投資家を探したほうが効率的な場合もあるでしょう。投資家むけの事業計画書についてより詳しくは以下の記事を参考にしてください。

資金調達アドバイザーに相談すると成功確率アップ

資金調達をめざすにあたってはアドバイザーに頼るのもおすすめです。効率的に資金調達できる可能性が高まります。また、資金調達にかかる時間を削減してビジネスにかける時間を増やすことにもつながるので、ビジネス自体の成功確立も上げられることでしょう。

もちろん実績豊富なアドバイザーに相談するのが重要です。以下のページから実績豊富で評価の高いアドバイザーを確認でき、オンライン面談などができます。

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まとめ:資金調達を成功させてスタートアップ企業としての成功へ!

スタートアップ企業の成功に資金調達の成功はかかせない要素です。自社の成長フェーズや投資先を見極めて効率的に資金調達を成功させることで、スタートアップ企業としての成功もみえてきます。

資金調達アドバイザーの活用なども積極的に検討して、スタートアップ企業の最終目標であるイグジットの成功確率を上げましょう。

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