Vol.14 開業一カ月で患者制限した歯医者に学ぶマーケティング

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
いまや数のうえで はコンビニ以上の熾烈な競争にさらされている開業歯科医。 そんななかにあってさまざまな工夫で成功されている歯科医院があります。 現在では診療の質を保つために、来院を制限しているほどの人気となっている歯科医院、横浜にある小野歯科医院の小野院長に人気の秘密をインタビューしまし た。

「開業時には、もう近所の話題になっていました」

 本当に私で いいんでしょうか?広告や宣伝なんてほとんどしていないので……
 こんな小野院長の言葉から始まったインタビュー。でも うまくいっている方ほ ど、こうおっしゃるものです。

 横浜のある住宅街に、小野歯科医院はあります。最寄駅からはかなりの距離があり、近くには商店のかわりに大 きな空き地。夜は辺りが真っ暗になるような、どちらかというと寂しいとおりという感じさえ受ける場所です。立地に頼ることができないぶん、きっとさまざまな 工夫が・・・…

 そんな期待に応えるような歯科医院とは思えぬようなたたずまい。周囲を見渡してみても明らかに雰囲気が違います。なかに入 るとビクトリア調の暖かい感じのする待合室。重厚な感じの無垢木の家具がさらに落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

 通常の歯科医院のイ メージとは対照的な、ゆったりとした時間を感じさせる部屋で、さっそく小野院長にインタビューを開始。

 「着工から一年かかりましたが、そ のことがかえって宣伝になっていたようです。いよいよ完成して開業する頃には、近所で噂になっていたようですから」

 自らも設計するほど建 築にも詳しい小野院長だけあって、医院の作りからして妥協がありません。

 「通常の医院よりはだいぶ予算も掛かってしまいましたが、そのか わり開業1カ月目には、もう今と同じぐらいの患者さんが来院してくださいました。この建物に話題性があったおかげじゃないかと思います」

 

歯科医院のイメージとは程遠い演出が奏功

 たしかに、一般の歯科医院に比べれば個性的で特徴の ある医院です。そのため開業当初は物珍しさもあって来院する患者さんがいるかもしれません。

 でも、歯科医院は患者は来てもとりあえず問題 の大きい治療が終われば足が遠のいてしまい、他の医院に乗り換えるということも多いものです。

 実際に駅前などの立地のいいような所でも患 者の流出には頭を悩ませているところも少なくありません。

 その点については、何か工夫していることなどあるのでしょうか?

  定期検診の案内を出すとか、普段患者さんとコミュニケーションをとる工夫をしているとか・・・…
 

 「検診の案内?ご自身で必要だ と思えばいらっしゃるでしょうし、私自身はそういう案内があまり好きでないので、一切送りません。広告は電話帳とインターネットのホームページを最近使う ようになりましたが、どちらも住所と電話と診察時間が書いてある程度です。患者さんが来るのに困らない最低限の内容しかありません」

 どう も、広告宣伝の手法以外に秘密がありそうです。特別なことをしなくても、「歯医者に行く必要があるならあそこ」と思ってもらえるということは、院内での体 験のよさが理由のようです。

 「待合室は歯科医院とは思えないとよく言われます。調度品などもなるべく患者さんがリラックスできるようなも のを使っています。診察室も同様です。歯科医院というだけで緊張する人もいるので、リラックス効果のあるアロマを焚いたりすることもあります」

  とにかく、何もかもが歯科医院らしくない。それは、内装のみならず、すべての面で意識していることのようです。

 「私自身も普段もこの通 り白衣も着ていません。(この日はボタンダウンシャツにチノパンという服装)とにかく患者さんにリラックスしてもらいたいと思ってのことです。遊び心も大 切にして気持ちにも余裕を持って仕事をするように心がけています。そういうのって何となく伝わると思うので」

 さすがに、ここまでこだわっ ていると、他の歯科医院との差は明確です。当然、腕がいいというのが前提ですが、「どうせ治療をしなければならないなら小野医院に」と考える人がいても不 思議はありません。

 しかし、お話を聞くとさらに患者さんとのコミュニケーションにおいても、非常に特徴的なポイントが分かってきました。

(次 回、後編に続く)

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