2024年度も事業再構築補助金はあるのか!?専門家が解説

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 坂井 優介

こんにちは。ドリームゲートアドバイザーで、認定経営革新等支援機関V-Spirits総合研究所株式会社の坂井です。今日は経済産業省の公表資料から、次年度(2024年)の事業再構築補助金がどうなるかを解説していきます。大きく制度が変わることが予定されているようなので、いち早く情報をキャッチしておかないと損をしてしまうかもしれません。

ぜひこの記事を読み、制度変更に備えていただければと思います。

事業再構築補助金という名前は無くなる?!

経済産業省が11月に発表した資料によると、中小企業等事業再構築促進事業(事業再構築補助金)を再編して中小企業省力化投資補助事業が創設されることが分かりました。事業目的が「省力化投資を支援することにより、中小企業等の付加価値額や生産性向上を図り、賃上げにつなげること」だと判明しました。これは現行の事業再構築の目的とは大きく異なるものであり、制度内容自体も大きく変化することが予想されます。

中小企業省力化投資補助事業

出典:経済産業省 令和5年度補正予算案の事業概要 (PR資料)より

https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2023/hosei/pdf/pr.pdf

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中小企業省力化投資補助事業の予算は総額5,000億円

経済産業省が11月に発表した資料には、2023年度の補正予算で中小企業省力化投資補助事業に予算として1,000億円が計上されています。そこに中小企業等事業再構築基金の活用等含めることで総額5,000 億円規模の事業になることが、経済産業省の資料から分かっています。この予算が多いか少ないかは後文で解説をしていきます。

出典:経済産業省 経済産業省関係令和5年度補正予算案の概要よりhttps://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2023/hosei/pdf/01.pdf

中小企業省力化投資補助事業の内容は?

経済産業省が11月に発表した資料に記載されている補助事業の内容を解説していきます。現時点で決まっているのは、「IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性がある省力化投資を促進する。」という概要です。

申請枠として案内されているのは「省力化投資補助枠」、補助上限金額は最大1,000(1,500万円)、補助率は1/2の枠だけです。※賃上げ要件を達成した場合、()内の値に補助上限額を引き上げ

これは現行の事業再構築補助金に比べて、圧倒的に少ない申請枠数です。

出典:経済産業省 令和5年度補正予算案の事業概要 (PR資料)より

https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2023/hosei/pdf/pr.pdf

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現在の事業再構築補助金の内容は引き継がれるの?規模は?

現在の事業再構築補助金の内容は存続するのか?それとも消えてしまうのか?続くとしても、規模感はどうなっていくのでしょうか。これを考えていくにあたり、経済産業省の資料の記載内容と、これまでの事業再構築補助金の予算感、この二面から考察していこうと思います。

再編されることで事業再構築補助金の支援内容は無くなるのか? 

経済産業省の資料によると「企業の思い切った事業再構築の支援については、必要な見直しを行う。」という記載と、「従来の事業再構築補助金は、経済構造の転換に挑戦する事業者、コロナ債務を抱える事業者等に支援先を重点化。」という記載があります。

これらの記載から考えるに現行の事業再構築補助金の取り組みは残る可能性が高いと言えます。「経済構造の転換に挑戦する事業者」が使える枠として「産業構造転換枠」が残るなどのように記載内容と親和性のある枠が残るのではないだろうかと想像できます。ただ、「コロナ債務を抱える事業者」というのが現行の事業再構築補助金の申請条件などにないため想像が難しい状況です。コロナ融資の債務が残っている事業者だけが出せる枠という可能性もあれば、コロナ融資の債務が残っている事業者に加点措置を与えるなどの可能性もあります。

一部報道によりますと、現行で6つある申請枠を3つに減らすのではないか?という案もあるようです。

いずれにしろ「必要な見直し」・「支援先を重点化」という文言がいかようにも解釈を可能にしている状況のため、どのような条件で募集していくかは想像が難しいです。

出典:経済産業省 令和5年度補正予算案の事業概要 (PR資料)より

https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2023/hosei/pdf/pr.pdf

出典:経済産業省 経済産業省関係令和5年度補正予算案の概要よりhttps://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2023/hosei/pdf/01.pdf

規模感はどうなるのだろうか?

これまでの事業再構築補助金の予算は「令和2年度第3次補正予算で1兆1,485億円、令和3年度補正予算で6,123億円、令和4年度予備費で1,000億円、令和4年度第2次補正予算で 5,800億円」でした。

事業再構築補助金の事業目的

出典:事業再構築補助金事務局 事業再構築補助金の概要より

https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/download/summary010.pdf

上記の通り右肩下がりに予算が減っていき、現在では補正予算で1,000億円追加されたことにより、5,000億円規模の補助金になることが予定されています。ものづくり補助金などの中小企業生産性革命推進事業が2,000億円であることを考えると、まだまだ大型の補助金であることには変わりありません。しかし、一つ言えることは、確実に規模は縮小するということです。

まとめ

事業再構築補助金は名称が変わり、規模が縮小したとしても、まだまだ注目してくべき補助金であると言えます。補正予算が参議院の本会議を通過したあとに、詳細な情報が出てくるかと思います。その際はまた詳細な解説記事を書けたらなと考えております。

今年度の事業再構築補助金は残すところあと12回のみとなりました。まだ、12回公募のアナウンスはありません。しかし、事業再構築補助金事務局の資料には令和5年度末までに3回程度の公募を予定と記載があります。令和5年度は10回と11回の2回しか実施していないため、残り1回の公募があると想定されます。

出典:事業再構築補助金事務局 事業再構築補助金の概要 (中小企業等事業再構築促進事業)12.0版

https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/download/summary010.pdf

弊社では年間数十件の事業再構築補助金の支援をさせていただいております。もちろん私も毎回5~6件ほど支援をさせていただいております。ここまで事業再構築補助金の実務と、政策面に精通した専門家はなかなかいないかと思います。最後になるであろう12回の事業再構築補助金をご検討の方は、ぜひお問い合わせください。

弊社V-SpiritsグループのYouTubeも参考にしてください。

 

執筆者プロフィール:坂井 優介(さかい ゆうすけ) V-Spirits総合研究所株式会社

V-Spiritsグループで資金調達を担当している坂井アドバイザー。
ものづくり補助金の採択率は9割超え、リベンジでの採択を含めると100%という高い採択率をお持ちです。補助金についてサポートを望んでいる方は是非ご相談ください。

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坂井優介

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