コラム:日本政策金融公庫「新型コロナ対策資本性劣後ローン」について

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 成長資金調達部会

本融資制度の趣旨と特徴

この融資制度は、国の新型コロナ対策施策の「中小企業向け資本性資金供給・ 資本増強支援事業」の一環として、今年8月から申込受付が始まっています。
日本政策金融公庫では、従来から「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」という類似した制度がありましたが、新型コロナ対策に特化した融資制度として、新設されました。

「新型コロナ対策資本性劣後ローン」には、次のような特徴があります。

    (1)スタートアップ企業や事業再生に取り組む企業等が対象
    (2)返済は、分割払いではなく、5年1ヵ月、10年、20年のいずれかで一括返済
    (3)毎月の支払いは利息のみで、3年経過後の利率は毎期の業績に応じて変動する
    (4)金融機関の資産査定上、自己資本とみなすことができる(注)

(注)融資ではあるものの、金融機関が融資先を査定(ランク付け)する際には、自己資本とみなして計算するという意味です。

自己資本が大きくなるので、民間金融機関の融資が利用しやすくなるメリットがあります。

利用に適する企業とは

本制度は「スタートアップ企業や事業再生に取り組む企業等」が対象と想定されており、本制度を利用することで、民間金融機関からの融資も受けやすくするというのが狙いです。

たとえばスタートアップ企業で、プロダクトの研究開発段階にあって、まだ赤字もしくは低収益の段階の企業や、業績不振ながら抜本的な事業再生に取り組んでいる企業などが、適しているといえます。
その他の一般的な企業でも利用できる可能性はありますが、「黒字だと利率が高め」「認定支援機関等の支援が必要」「事業計画書の作成が必要」などを考慮して、申し込みすべきかどうかを検討すべきです。

本制度に併せて、民間金融機関の融資も活用しながら、基盤強化と事業繁栄を図る企業は、利用するメリットが大きいといえます。
ただし本制度は、3年間無利子となる「特別利子補給制度」は適用されませんので、「新型コロナウイルス特別貸付」を利用するほうがいいケースも多いと思います。

審査にパスするためのポイント

本制度は、返済はかなり先の一括返済なので、それまでに事業を維持するのはもちろん、返済原資を生み出せるかどうかが、ポイントの一つになります。

そのため、事業計画書や資金繰り表について、実現可能性の根拠をしっかりと示すことが重要です。
また、民間金融機関から1年以内くらいに融資を受けることが前提になるので、融資を受けたい金融機関とも、並行して相談しておく必要があります。

この記事の監修者
上野 光夫(うえの みつお)
(株)エムエムコンサルティング
資金調達コーディネーターⓇ/中小企業診断士
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方はぜひご相談ください。
著書「事業計画書は1枚にまとめなさい」「起業は1冊のノートから始めなさい」など。
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