起業・経営FAQ:株を譲渡する際に必要な手続きは何ですか?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

数年前に1人で会社(資本金700万円)を立ち上げました。立ち上げてすぐに休業していたのですが、数ヶ月前に再開をしました。しかしながら、この環境下、新しい事業ではまだ収益が出ず、他に働きに出ています。

最近会社を退職した友人がいるので会社を譲ることを考えています。株を譲渡する際に必要な手続きを教えてください。

回答:法務・株式譲渡価格・税務上の手続き・計算が必要です。

この質問への回答者

森 滋昭(もり しげあき) / 森公認会計士事務所
誠実な人柄とわかりやすい説明で、多くの起業家や中小企業の資金繰りや資金調達の支援をされている森アドバイザー。資金調達や資金繰りでお悩みの際にお勧めのアドバイザーです。

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法律的な手続き

(1)株主間 質問者様からご友人に株式を譲渡するということで、株式譲渡契約書を作成する必要があります。(参考リンク:https://smabi.dreamgate.gr.jp/sb/paper_pack/scenes/90

(2)会社での手続き

定款・登記簿でご確認いただきたいのですが、おそらく、株式の譲渡制限については、会社の承認が必要という条項がついているのではないでしょうか。

その場合、会社としては譲渡の承認をする必要があります。

  • 株式譲渡承認申請
  • 取締役の株式譲渡承認とその議事録
  • 株式譲渡承認通知の通知(通知書)

といった流れの手続きが必要ですが、議事録を作成していれば十分かと思います。

株主間と会社での法的な手続きの概略を見ましたが、最低、株式譲渡契約書は作成をされた方がいいかと思われます。

株式譲渡価格=株価

(1)算定方法

株式譲渡契約書を作成する際に問題となるのは、株式譲渡価格をいくらにするかです。基本的には、時価で譲渡するのですが、上場しているわけではないので、株価はついていません。

また、株価の算定方法はいくつかあり、算定方法が違えば、算定される株価も異なってきます。ただ、一般的に簡単に算定するのであれば、純資産の価格で取引をすればいいかと思います。

(2)無償譲渡

休業している場合であれば、通常、純資産がマイナスの債務超過に陥っていることが多いかと思いますので、その場合であれば、株価はゼロということで無償譲渡になります。多少純資産がプラスでも、実質的に価値がないということで、無償譲渡でかまわないかと思われます。

(3)有償譲渡

純資産が大きくプラスの場合は、その価格で譲渡するということもあります。また、理論的ではないですが、資本金の700万円の簿価で譲渡するというのも実務的には比較的あるかと思います。

税務上の手続き

(1)700万円超での売却

この会社の取得価格は、出資したときの700万円かと思います。そのため700万円超で売却をすれば、利益が出ますので、譲渡所得として確定申告をする必要があります。

(2)700万円での売却

簿価での譲渡で利益も損失も出ないので、確定申告の必要はありません。

(3)700万円未満での売却

700万円未満で売却をすれば、損失が出ますが、非上場株式は、基本的には、損失の繰り越し控除という制度もないため、確定申告は不要となります。

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