経営戦略 Vol.55 マニアがあなたのビジネスを救う!?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
玩具大手のバンダ イが「ハイパーヨーヨー」の販促に、「愛好家」たちを起用し始めました。愛好家団体を通じて募集を行い、採用した約100人の大人を、 大手量販店などに派遣するという作戦です。ネットでうんちくを語る多くの愛好家たちを、リアルの世界にひっぱり出すという視点は、マーケティング上もかな り有望な戦略だと思います。

愛好家100人と契約!? 達人を現場に派遣する

55-1  バンダイは、今年(2010年)2月に発売された「ハイパーヨーヨー」の販促に当た り、ちょっと面白い戦略を取り入れました。愛好家団体を通じて募集した技術の高い大人約100人と契約し、ヨーヨーの達人たちを約150の店舗へ派遣した のです。この新製品は、糸と本体の間に特殊なベアリングなどを入れることで、さらにさまざまな回し方が可能になったようですが、この商品の面白さを最大限に引 き出すには、「技術の高い愛好家」たちの手が必要だと読んだのでしょう。 

  なんと言っても、その商品の良さや楽しみ方を存分に知っているのは「愛好家」たちです。その愛好家たちが販促に手を貸すとなれば、鬼に金棒ですよね。技術 の高い大人から教われば、子どもたちは「ハイパーヨーヨー」の技をどんどん習得したくなるはずですし、一方の愛好家たちにしても、自分の技を披露できる 「場」を提供されたわけですから、イキイキと活躍してくれると思います(*^^)v。
 

ディープな技や情報は顧客の囲い込みに有効

55-2  愛好家を集めるに当たっては、「日本ヨーヨー協会」 を通じて、ヨーヨー技術にたけた人を募集したようですが、彼らを大手量販店や家電専門店を中心に派遣して、各店で月に1~2回、子どもたちに技を教えるイ ベントを開催するのだそうです。
 さらに、イベントに参加してくれた子どもたちには「専用のカード」を配り、技をマスターしたらその都度「認定 印」を押していくような仕組みも用意したのだとか。ディープユーザーの“囲い込み”作戦としては、なかなかのセンスですよね。
 最近、私の周りに も「iPhone」ユーザーが急に増えてきたのですが、彼らのちょっと得意げな「iPhone解説」を聞いていたらうっかり欲しくなり、買ってしまいまし た (笑)。彼らは「iPhone」に関してなら、携帯電話売り場の販売員さんより、ずっとお客さんの心に届く説明ができるのです。 

  この視点をマーケティングに活かさない手はありません。今はネットを使えば「その道の愛好家」を集めることは比較的容易にできますし、その愛好家集団をう まくマーケティングに組み込めれば、最強の仕組みを構築することも可能でしょう。
 

ネッ トの住人をいかに「リアル」に引っ張り出すか

55-3  少し話は逸れますが、先月(2010年3月)オープンした茨城空港で、「コスプレ大会」が開かれ、集客に一役買ったのをご存じでしょうか? これは、同月 に水戸市中心部で開かれた同人誌即売会の全国イベントのPRを兼ねて企画されたものだそうですが、主催者側も「空港でコスプレイベントが開かれるのは初め てではないか」とし、撮影目当ての愛好家が県内外から100人以上集結したそうです。参加したコスプレーヤーたちも、「普段は入れないところで(コスプレ を)披露できてうれしい」と話していたようですが、「活躍の場」を上手に提供することでその道の「愛好家」たちを集めることが可能なのです。

  このイベントだけの効果ではないにしろ、オープン最初の週末を迎えた茨城空港には、2日間で計1万5000人を超える搭乗者や見学客が詰めかけたそうです よ。

  それはともかく、この事例は、他の業界にもかなり応用がきくと思います。ネットでうんちくを語るだけではあきたらない愛好家たちを、いかに「リアル」の世 界に引っ張り出すか…。この戦略の成否を決めるカギは、そんなところにありそうです。この事例を参考に、あなたの会社の商品やサービスの「愛好家」たち を、うまくマーケティングに巻き込む仕組みを考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~。

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