飲食店開業:立地・自店のポジショニング

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
立地が先か、業種 が先かの問題は鶏と卵の問題とよく似ていると思いますが、立地にあわせた業種、業種にあわせた立地ということになるでしょうか。今回は、その業種・業態の 選定について考えます。

 お店を出そうと思うと物件探しのために、町の不動産屋へ出向いたり、インターネットで検索したりと、店舗の空状況や賃 料、保証金や礼金・敷金はいくらかなどが気になるところでしょう。その前に考えなくてはいけないのは、その立地や地域にはどのような生活スタイルの人たち が多く住んでいるのか?どんなタイプの街づくりなのか?そこで生活している人や働いている人たちは、何を求めているのか?そこには何が足りないのか?な ど、必要とされている業種・業態は立地で決まります。

 

業種・業態を決める 前に

 飲食業を始めるにあたりほとんどの方は、「こんな人に」「こんな料理を」「こんなお店で」などイメー ジが先行し、イメージ=夢となっていくことが多いようですね。もちろん「開業における阻害要因」で触れましたが、経験のない業種をあえてやろうとする事 は、それが「リスク」となり、障壁も高くなります。

 開業するということは、イメージではなく、莫大な資金がかかる訳ですから、まず経営者 としての能力を身につけることが必要です。それは、第一にニーズを捉える能力(マーケティング能力)、第二に商品化能力(商品の知識と技術)、第三に計数 管理能力(マネジメント能力)が必要になります。

 経営=利益が目的であり、コストはどのぐらいで、販売方法や利益確保はどうすれば良いの かなど、十分に理解をした上で、業種・業態を決定していくことが重要です。それらの土台の上で、どの地域でどんなターゲットに、何が求めらているのか、そ してどのくらいの売り上げが見込まれるのかを読む能力が求められます。

 

外食産業の特性を知る

 外食産業は4つの大きな条件を必要としま す。まずは「立地」です。大げさに「立地で売り上げの70%が決まる」といっても過言ではありません。そして次には、「商品力」といわれるメニュー構成、 「店舗力」といわれる店舗デザイン、「人材力」といわれる接客サービスです。

 これらのバランスが崩れると売り上げが伸びずに廃業へと落ち 込んで行くことになります。立地については変更することができませんので、他の条件を変更しながら、業種や業態、店舗の内装、商品・人材を変えていくと いった、「リニューアル」という手法で、継続していく場合もあります。これらの基本条件の他に、事業特性というものがあります

1.料理や飲 物の提供をすること
2.時間や場所の提供をすること
3.提供場所が固定されていること
4.多額の先行投資が必要であること
5. 時間や時期に制約があること
6.損益分岐点が高いこと
7.店舗やデザインが老朽化すること

 これらの特性を理解し、長期的 に経営の可能な業種・業態を選定することが望まれます。

 

業種・業態とは

  「業種」とは、取扱商品の種類の違いによる分類であり、「何を売っているのか」ということで、パン屋、ケーキ屋とか、すし屋、レストランだったりします。 それでは「業態」とは何なのか、これは販売形態の分類で「どんなふうに売っているのか」ということで、ファストフード、ベーカリーカフェ、回転すし屋、海 鮮居酒屋など売り方のシステム表現があります。また、消費者のニーズに合わせて設定し、完成されてきた業態を「フォーマット」と言います。これは業態類型 と言い、「どのような商品を」「どのようなお客様の二ーズに」合わせてつくられたか、というパターンとなっています。そして「その地域の」「どんなター ゲットに」「どんなライフスタイルに」合わせて業態を設定していくのかというものです。

 

業種・業態の種類は?

 社団法人日本フードサービス協会の分類によると、以下のよ うに分類しています。

1.ファストフード(テイクアウト含む)
2.ファミリーレストラン
3.パブレストラン/居酒屋
4. ディナーレストラン
5.喫茶

 もう少しくわしく見ていくと、14業種125業態と細分化しているデータもありますが、現在の多様化す る飲食形態から考えると、数え切れないくらいの業態が生まれてきていると思われます。

 

新規性のある「ニッチ」なビジネスを見つけよう

 皆さんが考えている飲食店のイ メージは、どんな店舗ですか?他にはない雰囲気のお店づくりなのか、他にはない新メニューを開発してお店の売りにしたいのか、他にはないシステムやサービ スを売りにしていくのか・・・。不況といわれた時を過ぎ、「物あまり時代」「少量多品種」「高品質高価格」など、平成のバブル期を迎えようとしている現在 ですが、時代の二ーズはどこにあるのでしょうか?

 少子高齢化の時代に突入し、「若者をターゲットにしていくのか」それとも「高齢者をター ゲットにするのか」、二極化といわれる、「薄利多売、低価格路線」はたまた「高級化、高価格路線か」どちらにしても消費者に選ばれる訳ですから、その市場 を、いくつかの切り口に分けて細分化することから始めるべきでしょうね。

 ニッチ=すきまであり、大手企業やチェーンストアが手を出してこ ない、関心を持たない市場であり、利益が見込まれ、潜在性があり、自身の商品やシステムが受け入れられる市場でもあります。「自分の商品が、どの市場に ニーズがあるのか?」個人店の強みを生かし、その市場のターゲットの生活シーンやライフサイクルに合わせた、商品やシステムの提供を考えるとよいと思いま す。

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