Vol.1 起業戦闘力の爆発へ…まずは「セルフスカウティング」から

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

皆さんこんにちは!日本で唯一の「あなた専属の銀行員」ホームバンカーとして活躍をしている正田です。

今回から、元・銀行員である私・正田が、「起業戦闘力を爆発させる、銀行活用術」と題し、これから起業されるサラリーマンの皆さまを対象に、銀行を起業ツールとして最大限活かしきるための“裏ワザ”についてお話していきたいと思います。

起業を目指される方の中でも「初期投資がある程度必要」で「開業1~3年以内に従業員を雇用したい」といった事業規模をお考えの方にピッタリなコンテンツとなっております。

また元銀行員という立場から、銀行の裏情報や創業融資の利用方法、創業者の住宅ローンの利用方法についても触れていきますので、楽しんでお読みいただければ幸いです。

銀行活用で戦闘力を爆発させる前段階、それは「気」の存在を知ること

それではさっそく、「銀行活用法」について…と入っていきたいところですが、みなさんには最初に謝らなければならないことがあります。それは本コラムの第一回では「銀行活用法」については一切触れる部分がないということです。第一回ではすぐに「銀行活用法」に入ることはせず、前段階でやるべきことについて解説をいたします。

まず、銀行というのは、あなたのビジネスモデルや起業家としての資質について「この人なら問題ない」と判断出来れば、非常に積極的にあなたの起業の後押しをしてくれます。本コラムでは、ビジネスモデルや起業準備のことを起業戦闘力と定義付けさせて頂きます。

銀行があなたの起業戦闘力に対して「これなら問題ない」と太鼓判を押した場合、融資を受けることができるのです。

ビジネスモデルを「人の体」に例えるなら、資金は血液です。血液は事業に必須の要素となりますが、さらに重要となる要素があります。それは「脳」や「魂」の部分です。この「脳」や「魂」の部分の掛け算したものを「気」と定義します。

いよいよ「某・少年マンガ」に近づいてきましたね(笑)。

「起業戦闘力を構成する要素」を知ることが、戦闘力UPの近道

この「脳」がしっかりあってこそ、「血液」を有効活用することができるのです。

では「起業戦闘力」を上げるために必要な脳や魂といった起業5要素を担うプレイヤーについて解説をいたします。

魂の部分…まさに「事業の原動力」。プレイヤーは「起業家」自身のみ
脳の部分…「ビジネスモデル構築」や「問題解決」。プレイヤー「起業家」や「コンサルタント」
骨の部分…「事業計画」にあたる部分。プレイヤーは「コンサルタント」・「起業家」・「銀行」等
肉の部分…事業を回す「マンパワー」。プレイヤーは「従業員」・「起業家」・「家族」等
血の部分…事業を回す「資金」の部分。プレイヤーは「銀行」・「起業家」・「家族」等

「起業戦闘力」を実体として、なんとなくでも想像頂ければOKです。

サラリーマンが起業前にしておくべきこと。それが「セルフスカウティング」

さて、前置きが長くなりましたが、ここから今回のテーマ「セルフスカウティング」について触れていきたいと思います。

「戦闘力」といえば「スカウター」。男子のなかでは共通言語であるかとおもいますが、女性の読者にもわかる言葉でいえば「スカウター」とは「戦闘力を測定するための装置」のことです。通常、戦闘力の測定は「スカウター」という装置を用いて相手の戦闘力をはかるのが常ですが、起業においてまずすべきことは、「自分自身の戦闘力を自分自身ではかること=セルフスカウティング」が必要となります。

現実社会では、限られた情報のみでしか「起業戦闘力」を数値化することはできません。特に上記の概念で「気」にあたる部分、つまり起業家自身のやる気・スキル・ナレッジの部分は、簡単に表現するのは難しいと思います。

「セルフスカウティング」を導き出す手法

では、実際にセルフスカウティングを導き出す手法について解説をいたします。

これを行うにはいくつか手法がありますが、誰でもでき、かつ簡単にできる方法として速射法マインドマップをご紹介させていただきます。

具体的な方法は至って簡単で「自身にできること」「自身が持っている物」をA4用紙に書きなぐるだけです。しかし、ただ書きなぐるといっても難しいと思いますので、各紙にはテーマを設け「5分間、集中して書く」をルールとして設けます。

ワークシート

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テーマの例としては「自分の強み(弱み)」、「ビジネスモデルの強み(弱み)」、「ビジネスモデルの機会(脅威)」などを設定します。その他にも主語の部分を「マクロ(ミクロ)的外部要因」に、述語の部分を「資産(見えるもの・見えないもの)」にするなど、発想が促進されるテーマをどんどんあたえ書きなぐることが重要です。同じ言葉が何度出てきても構いません。できれば10テーマ以上×10枚以上(100枚以上)書き上げることが理想です。

また、重要なテーマとして“起業・創業”は当事者にとって“人生そのもの”と切っても切り離せない物であることから、「事業の未来像(ビジョン)」・「人生のビジョン」・「家族のビジョン」や、「経営理念」・「人生理念」等についても取り上げておくと、より精密かつ自身の起業に沿ったスカウティング結果を得ることができると思います。

ここまでテーマが広がると、最初の内は面白いようにアイディアが噴出してくると思います。が、一つのテーマで3枚を超えたとこから、少しずつ“行き詰まり”を感じるようになるかもしれません。そんな“行き詰ったときのヒント”としては…「テーマの表現を少し変える事」をお勧めします。たとえば「私の強み」を、“私”ではなく“名前”を入れるなどしてみましょう。たとえば「私の強み ⇒ 正田裕之の強み」とすると、人称が固有名詞になることで客観性が増す効果が期待できます。考えている事業の屋号があればそれも入れてみましょう。スムーズに書き出しを再開できるかもしれません。

「セルフスカウティング」促進術

自身の能力や資産、ビジネスモデル自体を見つめなおす“セルフスカウティング”ですが、その根幹となるのは“発想法”です。速射法マインドマップは誰もが簡単に取り組めて、成果物もきちんと得ることのできるオススメの発想法ですが、これに“三上”という考え方を掛け合わせると、発想にさらにブーストがかかります。

この三上という考え方は中国・宋時代からあるもので、「馬上・枕上・厠上(ばじょう・ちんじょう・しじょう)」の三つを「アイディアの生まれやすい環境」として挙げたものです。 現代に直すと「乗り物(電車・車)に乗っている時」、「布団で寝つくまでの間や寝起きの時」、「トイレの中」となるでしょうか。

机に向かって「さあ、今日もセルフスカウティングがんばるぞ!」と気合を入れるのも一つの手法ですが、寝起き・移動中・トイレの中・お風呂の中・ジョギングの最中・眠る前など、タイミングを変えることで今までと全く違う視点でセルフスカウティングが促進されるケースは多々あります。

同じテーマでも、発想のタイミングを変えたり、急に思いつくのを待ったりすることで、仮にアイディアが閉塞してしまったとしても、一気にブレイクスルーさせることが可能になります。まずは「A4の紙とペン」を常にポケットに忍ばせておくことが第一歩ですね。

※発想を書き溜める極端な例として、建築関係のクライアント様がA4の紙を埋め尽くしてしまった際に、「現場の石膏ボード」に書きなぐってお持ちになったケースもありました。

「セルフスカウティング」の活用法

最後に、これまで行ってきた「セルフスカウティング」をどのように活用するかに触れて、今回のコラムの結びとしたいと思います。

実際に10テーマ×10枚の書き出しを、テーマの表現を変え、発想の時間帯を変えて取り組むと、多くのワードが出てくるかと思います。これを毎日眺めているだけでも「人に説明する」スキルは格段に向上するかと思いますが、さらに「事業計画策定の原石」とするためには“何度も出てくる単語”や“重要だと思われる単語”をピックアップすることが重要です。

特に重要だと思われるものが見つかった際は、その単語を「テーマとして格上げ」し、マインドマップを作成されるのも良いのではないでしょうか。

実際に私が、クライアント様のセルフスカウティング結果から面前で事業計画への落とし込みを行う際は、“単語の属性ごとに色を変えたペンで丸を付ける作業”を行います。

これは限られた面談時間内で計画を策定することから行っている手法です。

しかし皆さんがご自身で行う際は、自身でじっくり100枚のシートを眺め、属性ごとに別紙に書きだすなど、「自分自身で見返す際」や「人に見てもらう際」にもわかりやすく提示できる加工をすることをお勧めします。これはのちほど、シートを事業計画に練り上げていく際の労力をへらし、計画に関与するプレーヤー間の意思疎通を円滑にする効果を狙えます。

実際の銀行活用法に入る際の前段階としてはこれで十分。

今後、さらにその活用の幅を広げていきますので、次回以降のコラムもお楽しみに!

次回

セルフスカウティング=速射的マインドマップの作成、“10テーマ×10枚”も書き終えたころには人に説明したくて“ワクワク”するのではないでしょうか。

こうして作られる100枚の紙こそがセルフスカウティングの成果物、起業戦闘力を爆発させる際の原石となります。

次回はセルフスカウティングでも漏れがちな「サラリーマンの特権」が、目に見えない資産として存在することをホームバンカーの目線でまずご案内します。

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