【全ステップ】飲食店の開業費用と流れを解説|資金・手続き・失敗回避まで

この記事は専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

「飲食店の開業を考えているけれど、なかなか動き出せていない」
そんな方に向けて、飲食店開業の費用と流れを整理します。

  • 費用がどれくらいかかるのか、見当もつかない。
  • 手続きや資格の情報がバラバラで、頭の中が整理できていない。
  • 「失敗したら家族に迷惑をかける」という不安が、行動を止めている。

この記事では、開業支援の現場で積み上げられてきた知見をもとに、費用・流れ・リスクの判断基準を状況別に整理しています。読み終えたとき、「自分は今どこにいて、次に何をすればよいか」を言語化できる状態になっているはずです。

ただ、「自分の状況に当てはめたとき、どこから動けばよいか」は人によって異なります。読み進めながら、気になった部分にメモを取っておくと、あとで専門家に相談するときに役立ちます。

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飲食店の開業費用と流れを全体像から把握しよう

開業を考えるとき、最初に立ちはだかるのが「全体像が見えない」という壁です。費用や手続き、資格についてそれぞれ調べても、全体のつながりは見えにくいものです。

ここでは、費用の目安と開業までの全ステップを一覧で整理します。読了後には「自分の現在地」を把握できます。

開業にかかる費用の目安と内訳

飲食店の開業費用は、規模によって数百万円〜1,000万円超まで幅があります。費用の内訳は大きく5つに分かれます。

費用項目 小規模(目安として5〜10坪・少席数) 標準規模(目安として15〜30坪・中席数)
物件取得費(敷金・礼金等) 90~180万円程度 100~300万円程度
内装・設備工事 100万円程度 100~500万円程度
広告・販促費 10~30万円程度 30~50万円程度
運転資金(3~6か月分) 100~350万円程度 300~600万円程度
合計目安 350~1,160万円程度 980~2,150万円程度
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※居抜き物件を活用した場合、内装・厨房費用を30〜50%程度圧縮できるケースがあります。
費用の幅がこれだけ広い理由は、「立地」「物件の状態(居抜き・スケルトン)」「席数」によって大きく変わるためです。まず「小規模か標準規模か」を決めることが、費用計画の出発点になります。

開業までの全ステップ

飲食店開業までのステップは、大きく6つの段階に分けられます。ただ、「どのステップから着手するか」は資金状況や物件の有無によって異なります。以下は一般的な流れですが、状況別の判断方法は後の章で整理します。

ステップ 内容
1.コンセプト・事業計画の策定 誰に何を提供するかを言語化する
2.資金計画と調達 自己資金・融資・補助金の組み合わせを決める
3.物件探しと契約 コンセプトと予算に合う物件を選定する
4.内装・設備の工事・導入 施工業者の選定と工期管理
5.資格取得・許認可申請 食品衛生責任者、保健所への営業許可申請など
6.プレオープン・集客準備 SNS・チラシ・口コミ対策
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全体の期間は、準備開始から開業まで6〜12か月が一般的です。資金調達に時間がかかるケースでは、1年半以上かかることもあります。「思ったより時間がかかる」という声が多いのは、全体像を把握できていないことが大きな要因のひとつです。

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飲食店開業をしたくても「動けない」のはなぜか

「やる気はある。でも、動き方がわからない」
この状態に陥る原因として、情報面と心理面の課題が重なっていることが多いです。ここでは、動けない理由を整理します。原因がわかれば、動き出すための解決策も見えてくるはずです。

情報がバラバラで全体像が見えない

動けない理由の多くは、「情報不足」ではなく「情報の断片化」にあります。

YouTubeやInstagramで開業情報を集めている方は少なくありません。ただ、各コンテンツは物件の選び方や融資の受け方、メニュー開発といった部分的な情報が中心です。それぞれを見ても、全体のなかでどの位置にある情報なのかが把握しにくいものです

結果として、知識はあるのに、何をすればよいかわからない状態になります。これは情報が足りないのではなく、個々の内容がつながっていないことが原因です。

「失敗したら」という不安が動きを止める

家族がいる。収入を途切れさせるわけにいかない。そうした状況で失敗を不安に感じるのは、慎重さの表れです。ただ、恐怖の多くは、何がリスクで、何がリスクでないかが見えていないことに起因しています。

開業リスクは、準備段階で把握・軽減できるものが大半です。リスクが高まる状態を理解することで、自分の現状を冷静に判断できるようになります。後の章で、リスク判断の基準を整理しています。

まず「怖い=情報不足」と捉えなおすことが、動き出す準備になります。

「いつか開業したい」が長引くほどスタートが遠のく

開業に適したタイミングは、体力・資金・家族の状況が整いやすい30代後半〜40代前半頃です。

「いつかと言いつづけて、もう何年も経っている」といった声を、開業支援の現場ではよく聞きます。40代以降でも開業は可能です。ただ、40代になってから動こうとすると、次の3つの要素を維持しにくくなります。

  • 体力面:長時間の厨房作業に耐えられる体力
  • 資金面:住宅ローンや教育費が本格化し、自己資金をためにくくなる
  • 家族面:子どもの進学など、家族のライフイベントが増える

「いつか動こう」は「今動かない理由」になりがちです。今の段階でできることをひとつずつ整理していくことが、結果として最短で開業する道筋をつくります。

飲食店の開業費用|規模別のリアルな数字

費用の全体像はつかめました。次は「自分の規模感」に合わせた具体的な数字を確認しましょう。小規模と標準規模では、費用だけでなく手続きの内容も変わります。ここでは規模別の実態と、資金が少ない場合の動き方を整理します。

「小さい飲食店」の開業費用の内訳

10席以下の小規模飲食店であれば、500万円程度での開業が可能です。小規模開業で費用をおさえやすいポイントは次の3つです。

  1. 居抜き物件を活用する:既存の内装・厨房設備をそのまま使える物件を選ぶことで、工事費を大幅に圧縮できます。
  2. 席数を絞る:カウンター主体の6〜8席規模であれば、内装費・光熱費・人件費をおさえやすくなります。
  3. テイクアウト・デリバリー併用:イートインだけに頼らない設計にすることで、席数が少なくても売上を確保しやすくなります。

「大きく構えなくてもはじめられる」という選択肢は、リスクをおさえながら経験を積むうえでも有効です

「小規模」と「一般規模」での費用と手続きの違い

規模によって費用だけでなく、必要な資格・許認可の手続きが変わります。

比較項目 小規模(目安として5〜10坪・少席数) 一般規模(目安として15〜30坪・中席数)
開業費用の目安 350~1,160万円程度 980~2,150万円程度
必要な主な資格 食品衛生責任者(全店舗必須) 食品衛生責任者+防火管理者(収容人員30人以上の場合)
融資の調達難易度 比較的通りやすい 事業計画の精度が求められる
開業までの期間目安 4〜8か月程度(居抜き活用時)
※物件状況・許認可審査で変動
8〜15か月程度(スケルトン工事時)
※物件状況・許認可審査で変動
居抜き物件活用のしやすさ 高い 条件によって異なる
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小規模開業は「小さいから簡単」ではありません。ただ、初めての開業であれば、リスクと準備コストをおさえながらスタートできる点で選択肢に入れる価値があります

資金ゼロからはじめる人が最初にすること

自己資金がゼロでも、融資の審査に通るための準備を進めれば開業は可能です。「資金ゼロだから無理」と思っている方も多いかもしれませんが、開業資金の多くは融資でまかなえます。代表的な選択肢は次のとおりです。

資金調達方法 概要 特徴
日本政策金融公庫(新創業融資) 無担保・無保証人相談可で最大7,200万円(うち運転資金4,800万円) 創業前・創業直後でも申請可能
制度融資(都道府県・市区町村) 信用保証協会が保証する融資 低金利で利用しやすい
創業補助金・助成金 返済不要の公的支援 審査あり・採択率に注意
クラウドファンディング 支援者から資金を集める 集客・PR効果も兼ねる
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資金ゼロからスタートする場合、まずは事業計画書の作成に着手しましょう。これは融資審査を進めるうえでの前提となるものです。 計画書の質は、調達できる金額や条件に大きく影響します。

開業資金の調達方法と選び方の基準

調達方法は「自己資金の比率」と「返済余力」を軸に選びます。一般的に、融資審査では総必要資金の2〜3割を自己資金とするのが目安とされています(自己資金100万円なら総資金300〜500万円規模の計画が現実的)。ただし、金融機関や業態により変動します。

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融資を受けたあとの返済は、月商の10〜15%以内に収まる水準で計画するのが目安です。この比率を超えると、開業後の資金繰りが苦しくなるリスクがあります。

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飲食店開業をやめたほうがいいケースとは

「飲食店開業 やめたほうがいい」といったキーワードで検索する方は、不安のほうが大きいかもしれません。不安を避けるのではなく、リスクを整理して現実的に判断することが重要です。開業をやめるかどうかに限らず、準備を整えるための視点として、リスクについても理解しておきましょう。

開業リスクが高い状態|3つのチェック項目で確認

次の項目に当てはまるほど、開業後の資金繰りリスクが上がります。

  • 自己資金が開業費用の2割未満である
  • 飲食業での就業経験が3年未満である
  • 具体的なターゲット客層・コンセプトが言語化できていない
  • 事業計画書をまだつくっていない(またはつくれる状態にない)
  • 開業後6か月分の生活費・運転資金の見通しが立っていない

3つ以上に当てはまる場合は、やめるのではなく、準備期間を設けるタイミングと捉えましょう。当てはまる項目をひとつずつ解消することで、開業成功率を上げられます。

準備が整っている状態と整っていない状態の違い

準備が整っている状態とは、失敗シナリオを把握したうえで動いている状態です。

比較項目 準備が整っている状態 整っていない状態
資金計画 開業費用+運転資金6か月分を把握している。 開業費用だけ把握、運転資金を考えていない。
コンセプト ターゲット・メニュー・価格帯が言語化できている。 「こういう店をやりたい」というイメージのみ。
リスク把握 最悪のシナリオを想定し、対応策をもっている。 リスクを考えることを避けている。
専門家連携 税理士・中小企業診断士との接点がある。 全部自分で調べて解決しようとしている。
事業計画書 作成済み、または作成中。 着手していない。
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「無理かも」と感じているとき、多くの場合は整っていない状態にいるだけです。ひとつずつ整えることで、開業の見通しが立ちます。

失敗事例から学ぶ、開業前に見落としやすい点

開業後に「こんなはずじゃなかった」となりやすいポイントは3つあります。

見落としやすい点 リスク 対策
①運転資金の見積もりが甘い 売上安定前に資金が底をつく 開業費用とは別に、3~6か月分の運転資金を確保する。
②人件費を計算していない 利益が出ない構造になる アルバイト1~2名分のコストを収支計画に組み込む。
③集客を開業後に考える 開業しても客が来ない状態が続く SNS開設・地域PR活動を開業3~6か月前からスタートする。
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これらの失敗は、どれも「知っていれば防げた」ものです。開業前に把握しておくことで、失敗のリスクを避けられます。不安は無理に消すのではなく、要因を整理することが行動につながります。

飲食店開業のステップとやるべきことを整理しよう

全体像とリスクが見えたところで、具体的な手順を整理します。ここでのポイントは「時系列通りに進める必要はない」ということです。自分の資金状況・物件の有無・準備の進み具合によって、着手する順番は変わります。

コンセプトと事業計画書、先に考えるべきはどちらか

コンセプトが先で、事業計画書はその言語化ツールです。「事業計画書をつくらなければ」と焦らず、まずコンセプトを言語化しましょう。コンセプトは「誰に・何を・どのように提供するか」の3点を明確にします

  • 誰に:ターゲット客層(例:地元の30〜40代ファミリー層、ランチ需要の会社員)
  • 何を:メニューの方向性・価格帯(例:ランチ800〜1,200円、定食中心)
  • どのように:店の雰囲気・立地(例:カウンター中心の落ち着いた空間、駅から徒歩5分圏内)

これが言語化できていれば、事業計画書の大半は自然と埋まっていきます。逆にコンセプトが曖昧なまま計画書を書こうとすると、数字の根拠が薄くなり、融資審査でも通りにくくなります。

物件探しの前に確認しておく費用と条件

物件探しは開業準備のなかで「動いている実感」が得やすい作業といえます。ただ、先に物件を探すと、気に入った物件に合わせて予算を膨らませてしまうケースがあり、注意が必要です。物件探しの前に確認しておきたい項目は次のとおりです。

  • 開業予算の上限(物件費に使える金額)を決めている
  • 居抜きかスケルトンか、方針を決めている
  • 希望する立地エリアと、その商圏人口・競合を調べている
  • 物件契約後に必要な工事費・設備費の見積もりをとっている

物件は「よい条件のものほど早く決まる」ため、準備が整った状態で動けるよう、事前にコンセプトや事業内容を整理しておくことが大切です。

資格と届出、開業前に必要な手続き一覧

飲食店開業に必須の資格は「食品衛生責任者」、届出は「保健所への営業許可申請」です。必要な資格や届出を見落とさないよう、以下のチェックリストを活用して準備しましょう。

種類 内容 取得・申請のタイミング
食品衛生責任者 1日の講習で取得可能。各都道府県の食品衛生協会が主催。 開業準備の早い段階で取得。費用は1万円前後。
防火管理者 収容人員30人以上の場合に必要。甲種・乙種あり。 物件・規模が確定したら確認。講習受講で取得。
保健所への営業許可 施設の設備基準を満たしているか検査を受ける。 内装工事完了後に申請。申請から許可まで2週間程度。
消防署への届出 防火対象物使用開始届等。物件の規模・用途による。 開業7日前まで(実務上10日前推奨、消防検査あり)。
税務署への開業届 個人事業主として開業する場合に必要。 開業日から1か月以内に提出。
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「資格や手続きが多くて大変そう」と感じる方も多いですが、ひとつひとつはむずかしくありません。開業の3〜4か月前から着手できると、余裕をもって進められます。

事業計画書のつくり方と使いどころ

事業計画書は「融資申請のための書類」ではなく「開業の設計図」として使うものです。事業計画書に記載すべき主な項目は次のとおりです。

  • 事業概要:コンセプト・提供メニュー・ターゲット
  • 市場・競合分析:商圏内の競合店・自店の差別化ポイント
  • 収支計画:売上予測・費用計画・損益分岐点
  • 資金計画:開業費用の内訳・調達方法・返済計画
  • 実施スケジュール:開業までの工程表

一人でつくることに行き詰まったら、中小企業診断士や創業支援の専門家に相談すると、客観的なフィードバックを得られます。計画書を「完璧にしてから相談する」より、「途中段階で専門家に見せる」ほうが、修正にかかる時間を短縮できます。
事業計画書は、書いているうちにどこで詰まるかが自分でも見えてきます。詰まったときこそ、相談しやすいポイントです。「途中まで書いてみたが、これで合っているか確認したい」という段階で相談すると、結果として計画の精度が上がります。

飲食店開業で迷ったら|専門家への相談も選択肢に

本記事では、費用・流れ・リスク・手続きを整理しました。全体像はつかめたでしょうか。
一人で調べ、一人で判断しようとすると、どこかで行き詰まります。原因は準備不足ではなく、自分の状況を客観的に見てくれる人がいないことです

ドリームゲートでは、創業・開業に関する無料の専門家相談を提供しています。まだ計画が固まっていない段階や、何を相談すればよいかわからない場合でも対応しています。相談するだけで頭の中が整理され、次の一手が見えてきます。

執筆者プロフィール:ドリームゲート事務局

ドリームゲートは、経済産業省後援のもと2003年に誕生した日本最大級の起業支援プラットフォームです。起業アイデアの整理から事業計画書作成、資金調達・融資支援まで、実務経験豊富な専門家が起業家一人ひとりの課題に寄り添い、実現までをサポートします。(運営:株式会社プロジェクトニッポン)
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