法人税

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

企業の税金と聞いて、「法人税」を一番最初に思い浮かべる方は多いのではないだろうか。

法人税とは、会社決算で算出された税引前当期純利益の金額に税務調整をすることで所得金額を出し、企業の種類や規模に応じた一定税率を乗じて算出された国庫に納められる税金である。税務上の費用(損金)と収益(益金)の概念が会計と違ってくるため、提出する確定申告書の別表と呼ばれるもので税務調整をして税務上の利益(課税所得)を計算する。ただ、企業会計原則を前提とした会計とそこまで大きくかけ離れるものではない。

しかし出資者などへ提示する決算書の利益や費用の計上のされ方とは、少し乖離したものが税務にはある。例えば会計上複数の処理方法が認められていたとしても、公平の観点などから事前の届出が必要とされたり、そもそも損金に計上できないものなどがある。あくまで税務上の適正な課税所得を計算するために、損金・益金の加減算をしていくのだ。
また、税務には政策目的から特別な控除が準備されており、上手に要件を満たすことでさまざまな恩典を受けることが可能だ。毎年変化する税法を注視し、企業が得をするよう申告を行っていくことが大切となる。

法人税は、国内に本店や事務所を設置している内国法人と、内国法人以外の法人(外国法人)に納税義務がある。法人の所在地を管轄する税務署へ、各事業年度の所得(課税所得)に税率を乗じた税金が納付されることになる。
しかし一言に「法人」といっても、いくつかの種類があるのはご存じだろう。株式会社などを普通法人、日本道路公団や地方公共団体などを公共法人、学校法人や宗教法人を公益法人等、農協や漁業組合などを共同組合という具合に区分されているのだ。

会社が定めた会計期間を「事業年度」と呼ぶが、税務上は1年以内と定められている。そのため通常は年1回にしていることが多い。前年の税額が一定額以上であれば期首から8ヶ月後までに前年の税額の半分の額を予定納付することが求められる。もし期の前半の利益があまり出ていない場合、あえて中間決済を行い、いったん少額の法人税の納付をしておき、本決算で1事業年度分の税金の残額を納付することもできる。

会社が定めた1事業年度の決算日に決算書を作成することができるが、それに基づいた申告・納付は、一般的に2ヵ月後を期限としている。ただし会計監査人の監査を要して株主総会を2ヵ月以内に行えない場合や、災害などの理由を述べて認められた場合、さらには株主総会の招集が決算日から3ヶ月以内と定款に書いてある場合には、事前に届出を行い、申告期限を延長させることも可能である。
また実際に法人の確定申告書提出には、申告書だけでなく貸借対照表や損益計算書、株主資本等変動計算書、勘定科目内訳書、概況届出書などの添付も必要だ。

法人税には、意外と知られていない得に繋がる知識が多い。例えば法人の規模などによって受けられる控除がある他、9年間分の繰越欠損金を利益の出た年度の損金にすることができる。さらには中小企業の特例で今年赤字で出た損失分を欠損金として繰越さずに、前年黒字で納付した税金を繰戻還付することができるなどといった具合だ。少しずつ、こうした情報も取り入れていきたいものである。

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