宅配ピザなどのデリバリー業界のコスト構造について

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

宅配ビジネスについて教えてほしいことがあります。

1)宅配ピザ業界の住宅地での商圏は何世帯ぐらいでしょうか?
2)月にどれぐらいのポスティングを行うのでしょうか?
3)レスポンス率はどれぐらいで試算するのでしょうか?
4)一店当たりの売上げの損益分岐はどれぐらいで試算されるのでしょうか?
5)繁盛店と呼ばれるところは1日何件ぐらい配達するのでしょうか?

回答

1)ピザの業界の住宅地での商圏は何世帯ぐらいでしょうか?

通常、デリバリー(宅配)の商圏設定は 拠点を軸に半径15km以内の範囲で、世帯数にして、10万~15万世帯が標準です。大阪・東京では、30万世帯という地域もあるかと思います。 地域によって格差がありますが、10万世帯以上ないとデリバリーの事業としては、あまりうまみがないかもしれません。

2)月に大体どれぐらいのポスティングを行うのでしょうか?
ポスティングは業種にもよりますが、 最低、2、3万は行わないとプロモーションとして効果があがりません。 商圏に30万世帯あるなら、 10万枚ぐらい配布することもあるでしょう。

3)レスポンス率はどれぐらいで試算するのでしょうか?
デリバリーでのチラシのレスポンスは、0.5%あれば上出来といわれています。 通常は、0.01%~0.05%前後でしょう。ただ、これはチラシの作り方で 相当変わります。ちょっとした表現や、写真の魅せ方の工夫で、反応は10倍にも20倍にもなります。
デリバリーにおける反応のあるチラシのづくりのキーワードは、「顧客」を選ぶ ことと、「ブランディング」です。 デリバリーの場合、実際にお客様が来店する店舗はなく無店舗で営業している場合が多いです。 チラシが店舗の代わりだと言ってもいいほどです。デリバリーで成功しているお店は 、必ずといって良いほど、チラシにかなりの時間とお金と労力をつぎ込んで 作り上げています。

4)一店当たりの売上げの損益分岐はどれぐらいで試算されるのでしょうか?
業種(特に客単価と原価率)によってかなり違います。デリバリーの場合、大体、車(バイク)に1台につき、最低年商1000万円ないと経営的に苦しいと 思います。
デリバリーの場合は、年間の損害分岐点よりも、1時間当たりの損害分岐点を計算した方が分かりやすいです。
デリバリーの損害分岐点の具体的な数字の出し方を紹介します。 まず、デリバリー原価として、人件費+車の維持費が1時間に換算します。 次に商品の原価と販売価格の差異を計算し、1注文あたりの客単価で利益が どれほどあるのかを計算します。 次に、1時間に注文数を順位かけていきます。

1注文あたりの利益(販売価格−原価)×注文数>デリバリー原価

となります。

例)配達スタッフ※雑費も含める(1名:2000円)+コールスタッフ(1名:2000円)+車の維持費(1000円)

するとデリバリー原価は、5000円ということになります。 そして、1注文あたりの利益が2000円だったとしたら、注文が3件以上あると損害分岐点を脱したこと になります。

5)繁盛店と呼ばれるところは1日何件ぐらい配達するのでしょうか?
通常、1時間でスタッフが回れるのは、配達する商品もよりますが、大体5~7件がMAX値です。 すると、おのずと営業時間内にまわれる数字がでてきますが、繁盛店は基本的に常にマックス値に達していると考えられます。ちなみに、客単価が2000円の場合、1ヶ月28日営業で、1日に15件の注文があれば 年商1008万円になります。

実際には、繁忙期や閑散期、天候や営業時間などさまざまな 要因によって変動するため、こんなに単純な計算式では出せませんが、目安にしていただけるといいと思います。

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める