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課題・悩み
現在役員として勤めている会社を退職したいのですが、株主ではいたいので、資本金として入れた分の株は手放したくありません。
代表取締役からは、私が保有している株式を買い取らせてほしいと頼まれています。
この場合、株式を売却しなくてはならないのでしょうか？
回答：特段の事情がない限り、株式を保有したまま退職すること、買取を断ることは法律上問題ありません
この質問への回答者
西山 宏昭(にしやま ひろあき) /弁護士法人フォーゲル綜合法律事務所
法務、知的財産、特許について詳しくアドバイスをくれます。弁護士の立場からの意見を親切かつ丁寧にアドバイスしてくれるので、リピーターも多いです。
まず結論から申し上げますと、特段の事情がない限り、株式を保有したまま退職すること、買取を断ることは法律上問題ありません。
特段の事情として想定されるものとしましては、退職時の株式の買取について予め合意している場合が考えられます。会社によっては、役員や従業員に自社株式を購入させたり、賞与代わりに与えたりすることがありますが、退職時には引受額で会社が買い取ると定めている場合があります。従業員持ち株会が結成されているような会社では、そのような規定が普通に設けられています。
しかし、このような特段の事情がない場合は、株式の買取は強制されません。一般に、契約するかしないかは自由であるとされ、退職時に質問者様が会社か現社長または第三者に株式を譲渡するか否かは、質問者様の自由になります。したがいまして、買取の要請を断ることは質問者様の自由だということになります。
また、株主が会社の役員または従業員の地位を兼有していなければならないという法律はありません。退職して会社に籍がなくなったとしても、株主であることに問題はございません。
