起業・経営FAQ:ランキングサイトで下位に格付けすることは名誉棄損にあたりますか

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

インターネット上で、格付け・ランキングサイトをつくりたいと思っています。
世の中には、「◯◯◯ ランキング」「◯◯◯ 比較」などと検索すると膨大なサイトがありますが、それらと同じようなイメージです。

多くのサイトは、根拠が明確では無い(サイト運営者様や会社の独自判断)のことがほとんどで、判断基準の開示もしていないケースが多いように思います。
その中で以下の記事を見つけました。
https://www.netpossib.com/entry/2015/12/24/031443
「根拠のないランキングサイトが訴えられたケースもある」

そこで質問です。

上記のサイトの事例のように格付けされた側から訴えられる事はありますか?
また、その場合、不利になりますか?
アクセス数がある程度増えた場合を想定しています。

私は格付け機関に依頼するのではなく、こちら側の調査や独自判断で作成する予定です。
ランキング最下部などにあるサービスは事業者にとっては良く思われない可能性もあります。

回答:訴えられる可能性はあるが、根拠に基づいていれば損害賠償などは考えにくいです。

この質問への回答者

秋元 啓佑(あきもと けいすけ) / 三和法律特許事務所
会社設立前後の法務に強く、契約書作成、知財問題、その他多岐にわたる法的トラブルの回避を得意とするアドバイザーです。

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【訴えられたケース】

こちらは発信者情報開示請求という形式でございまして、「権利侵害が明白」で「開示を求める正当な利益がある場合」、プロバイダに対して情報発信者の個人情報の開示を求めることができるというものです。

「権利侵害が明白」という場合の権利侵害とは、名誉毀損です。
この場合、悪い評価を掲載することと、根拠がないことが名誉棄損にあたります。

(なお、この裁判では格付けサイトの削除も求められておりましたが、こちらは判決前に任意に削除されたようです。)

ご相談事項について。

訴えられることは、可能性としてはございます。
ただし、名誉毀損の要素からしますと、格付けサイトの必然的な要素である「悪い評価」という点についてだけで訴えられる、あるいは敗訴するリスクは少ないと考えます。

添付されたURLの京都の事例は、サイトの運営者がどうやら同業者(リフォーム業者)であり、自社の評価を高くして、競合他社の悪い評価をあえて載せていたようです。

名誉毀損として成立するとすれば、根拠もなく中傷するという点が不可欠です。
口コミや調査(一定の客観的根拠があるもの。)に基づいていれば、まず損害賠償などは考えがたいと思われます。

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