起業・経営FAQ:融資が断られた理由について教えてほしいです。

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

悩み・課題

古着屋を開業するために資金調達を考えています。

衣服などの在庫を買い取りだけでなく、海外などで現地調達をしたいと考えており、そのための資金を調達したいです。

そこで地元の銀行に融資していただけないかたずねたのですが、断られてしまいました。

断られた理由について教えてほしいです。

回答:黒字倒産を懸念されたことが1つの理由だと思われます。

この質問への回答者

矢野 覚(やの さとる) / LINK財務経営研究所
元・日本政策金融公庫の融資課長として多くの企業を支援してこられた矢野アドバイザー。自ら審査を行っていた経験をもとに、資金調達に有効なアドバイスを提供してくださいます。柔和で穏やかなお人柄で相談しやすいと評判です。

プロフィールを見る >>

在庫を海外調達するということで、仕入れにお金がかかりそうな印象を持ちました。そして、保有した在庫(数量と金額)と売上高の規模(販売可能な数量と金額)とのバランス、言い換えると、在庫回転期間はどうなんだろうという疑問が最初に浮かんできました。

在庫である商品が一定のスピード(回転)で売れ続けなければ、借入金の返済財源も事業継続に必要な資金も不足してしまうのではないかという懸念です。

黒字倒産という言葉をご存知でしょうか。利益は出ているけれど資金不足に陥って倒産するケースのことです。その倒産原因の多くは、在庫過多によるものです。金融機関の立場からすると、在庫を大量に持つビジネスモデルに対しては、黒字倒産の事例もあるようにどうしても慎重な対応になってしまいます。

  • 「販売のメドは立っており、在庫が滞る心配はない」
  • 「通常の経費支払いや返済財源としての運転資金は別に手許に準備できている」

等により資金繰りの心配がなければ良いのですが。

このドリームゲートのサイトでも事業計画の重要性について数多く情報発信されています。一般的にはなりますが、金融機関から資金調達をするための事業計画を作成されるうえで、少なくとも以下の3点は、計画に盛り込んでいただいたほうがよいと思いますので、これも参考までに記載しておきます。

販売計画

販売が順調に進み、在庫が適正に回転することを示す必要があります。仕入れた商品の流れを商流図にまとめることで、理解を得やすくなると思います。

商流図とは、自社の商流の流れを図にしたもので、商品の仕入先、販売先、消費者等の関係者と事業内容、年間売上見込、営業活動等の情報を図式化します。

損益計画(利益計画)

一般的な売上、売上原価、粗利益、販管費、営業利益に関する数値計画です。月次で作成されることをお薦めします。

資金繰り計画

実際の資金の入りと出を予測した資料です。現在時点で別の事業もされているのであれば、その事業に関する現預金や借入金も今回の事業に影響する範囲でそれも含めて、損益計画と同様、月次の資金繰り予測表を作成されると良いと思います。

こうした視点も踏まえて事業計画を見直していただく等、少しでも参考にしていただければ幸いです。

起業マニュアル

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める