自己資金がなくても3000万円の資金調達は可能ですか?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

介護施設のFCを開業したいと考えています。
創業融資で3000万円を借りたいのですが、現在借金が残っており、自己資金がありません。
私のような場合でも、創業融資は通るのでしょうか。

回答:スポンサーとなってくれる人を探すなりして、ある程度の自己資金は確保しましょう。

この質問への回答者

森 滋昭(もり しげあき) / 森公認会計士事務所
誠実な人柄とわかりやすい説明で、多くの起業家や中小企業の資金繰りや資金調達の支援をされている森アドバイザー。資金調達や資金繰りでお悩みの際にお勧めのアドバイザーです。

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起業された際の融資は、日本政策金融公庫の新創業融資が、無担保・無保証ということで、大変使い勝手のいい制度です。
この制度には次のような要件があります。

  • 新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方
  • 雇用創出等の要件
  • 融資限度は3,000万円
  • 創業資金総額の1/10は、自己資金が必要
    (例えば、創業資金に1000万円が必要な場合、そのうちの100万円は自己資金として準備しておく必要があります。)

また、無担保・無保証ということで、公庫にとってはリスクも大きいので、利率も高くなります。

①融資金額について

新創業融資では、3000万円が融資の限度です。しかし、実際は1000万円を超えてくると審査が厳しくなります。実質的には1500万円くらいが上限といえるでしょう。3000万円の融資となると、担保などを要求されます。

②自己資金要件について

(1)自己資金の金額
新創業融資では、自己資金として創業資金総額の1/10を用意する必要があります。しかし、実際の審査ではそれ以上の自己資金が求められます。どの程度というのは、事業計画や個人の資産状況などによって異なりますので、一概には言えません。
数年前に自己資金要件が緩和される前は、自己資金の要件は1/3でしたので、一般的には1/3がひとつの目安とされています。

(2)親族などからの資金調達
公庫でいう自己資金とは、返済の必要がない資金のことです。
質問者様は自己資金がないということですが、たとえば、ご両親などから資金援助をうけることができないでしょうか。
公庫で行っている調査では、自己資金として、ご家族や知人から平均およそ100~200万円が調達されているようです。(ただし、資金援助として貸してくれている場合は、返済する必要があります。この場合は自己資金とはみなされないのでご留意ください)
ご親族以外でも、FC本部から出資という形で資金を調達できないでしょうか。

いずれにせよ3000万円の融資となると、どなたかスポンサーとなってくれる人を探して、自己資金を確保しなければなりません。

(3)貯金について
できるだけすぐに開業したいと思われているのではないでしょうか。ご親族からの資金援助が一番早く実務的ではありますが、もし1~2年でも猶予があるのでしたら、計画的に貯金をされることも大切です。

公庫の方と話をしていても、やはり、貯金をして自己資金をためてきた方は、起業にかける想いが違うし、計画的に物事を進めていけるそうです。
また、実際に起業をすると想定していなかった問題が出てきます。
そういった問題を乗り越えるために大切なことの一つが「どれだけ資金を持っているか」です。資金があれば、次の一手を打てるのです。
とくに、返済する必要のない自己資金をどれだけ持っているかで、ビジネスで生き残れる可能性が違ってきます。
ですから、単に融資をうけるという観点からだけではなく、起業後を見すえて自己資金を大きくしてください。

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