起業・経営FAQ:シェアリングエコノミーのプラットフォームを作る方法を教えてください。

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

課題・悩み

お金に困っているが時間はある旅行者(バックパッカー)と、日本にいながら時間がなく海外に行けない人を、物でつなぐサービスを作れないかと思っています。メルカリのようなものを想像しています。

日本の依頼者が欲しいものを、現地にいる旅行者が購入し、お互いが納得する価格で売買する。あるいは、旅行者が現地で見つけたものを紹介し、欲しいと思った人が購入する。間にいるプラットフォーマーの私は販売手数料を貰う。という仕組みです。

  1. このサービスに採算性はありそうか。
  2. 何から始め、どういった流れで事を運んでいくのか。
  3. 大まかにどれくらいの費用がかかりそうか。

上記3点についてご教授頂きたいです。

回答:サービスの開発ができる人をチームに入れるのが、一番スムーズな方法です。

この質問への回答者

森口 智志(もりぐち さとし) / 有限会社アダプト
FCサイトやネットショップ起業を成功させるために、IT技術と経営力を高めることが大切です。起業時だけでなく、事業を持続させるノウハウをもつアドバイザーです。

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ビジネスモデルとしての発想、着眼点は素晴らしいと思います。
AirBandBやUberに代表されるような、シェアリングエコノミーサービスですね。個人の持っている余力をシェアすることで収入を得るという考え方です。

ただ調べてみると、やはり同様の発想で先行するサービスがあるようです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000033467.html 
https://jp.techcrunch.com/2014/08/15/20140813backpack-connects-you-with-travelers-so-you-can-purchase-items-in-other-countries/ 

さて、それでは個別の質問にお答えしていきます。

①このサービスに採算性はありそうか。

シェアリングエコノミーサービスは、世間に広まりプラットフォームとして機能できるようになれば、収益は出ると思います。ただ、やはりプラットフォームと言えるほど広めることは簡単ではありません。

広告費用を全く考えなければ、例えば月間利用者数が1万人、手数料収入が1件当たり平均で500円だとすると、月間500万円の収入、といった計算ができます。月間500万あれば、数人の運営スタッフとサーバー費用はまかなえるでしょう。

しかし、月間1万人のユーザーを集めることは難しいので、10分の1の月間1,000人なら可能でしょうか?
十分な収益を得るために1件当たりの手数料をもっと高く見積もる必要があります。そうすると、気軽に利用できるユーザーが減るので、これも簡単ではありません。

サービスをご自分で開発することができ、サーバーの運用も自分で行うことができ、口コミで広まることを期待して広告費をかけずにスタートする、というやり方であれば、利用者数がもっと少なくても収益が期待できるかもしれません。

②何から始め、どういった流れで事を運んでいくのか。

こういったシェアリングエコノミーなど、webを中心としたサービス開発・プラットフォーム開発は、実行力が大きなカギになります。その実行力を得るためには、やはり2~3人のチームでスタートすることが望ましいです。アイデア、ビジネスモデルを熱く語ることができる人、開発の中心となれる人、マーケティング能力のある人、といった感じです。

アイデア、ビジネスモデルがよくても、1人でサービスを立ち上げることは簡単ではありません。
たとえば、質問者様が今回のように素晴らしいアイデアを思いついたときに、そのアイデアを実現に結びつけることができる仲間はいたほうがよいです。アイデアを中心にしたチーム作りをし、そのチームの中でそれぞれが得意とする分野を担当するという進め方が望ましいです。

③大まかにどれくらいの費用がかかりそうか。

アプリとプラットフォームの開発を開発会社に依頼すると、1千万程度は必要です。個人で開発できる方に依頼するとしても、その半分くらいは必要です。
運用はAmazonのAWSなどを使えば、人件費を考えなければ月間1万円でもスタートできると思います。ただしAWSでサーバーの運用ができるスキルは必要です。運用を外注するなら、月10万~といった感じでしょうか。

しかし、実際には開発をすべて外注するのは現実的ではありません。サービス立ち上げ当初は、多くの変更やアップデートが必要となり、外部の開発会社では素早い対応・展開が難しくなるからです。質問者様がご自分で開発できないのであれば、やはり開発ができる方を探し、チームを作るほうが良いです。

また開発などにかかる費用は補助金を使うという方法もあります。
https://www.dreamgate.gr.jp/contents/column/c-financing/62921

これは私が書いた記事です。以前ものづくり補助金で、質問者様のようにプラットフォームビジネスをしたいという事業者さんの補助金申請のサポートを数件行いました。サポートした事業者さんは、やはりすべて数人のチームで、チーム内に開発ができる人がいました。

申請した事業者さんはそれぞれ数百万~1500万くらいの開発費で補助金申請を行っています。そして採択となれば3分の2が補助金として返ってくるので、スタートアップにとって利用する価値はかなり大きいです。

以上、いかがでしょうか?
こういったビジネスは、最初はアイデアやビジネスモデルを熱く語れることが大切でです。それに賛同する人が集まってくれば、あとは自然と実現に向かって動き出します。
また、今のアイデアを基本に別のアイデアを足していくことで、先行しているサービスよりもっと魅力的な内容になるかもしれません。

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