オフィス移転で最大2億円の助成!話題の「広島ではたらく」を独自インタビュー

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

新型コロナウイルスの感染拡大(以下、コロナ禍)は、「企業がいるべき場所」を変えつつあります。人材派遣大手のパソナグループが、本社機能を東京から兵庫県・淡路島に移すニュースが話題になりましたが、業務のオンライン化が進むと、企業が大都市にいる必要性は薄れます。

こうしたトレンドを企業誘致の好機ととらえた広島県は、ITベンチャーやスタートアップなどを対象にした助成金制度をさらに拡充し、2021年2月まで実施します。

なんと、広島県にオフィスを移転すると最大2億円が支給されます。
「コロナ移転」を考えている企業は、広島県も候補地の1つになるのではないでしょうか。

今回は広島県の企業誘致制度について詳細を説明するとともに、広島県商工労働局 県内投資促進課 課長の梅田 泰生さんにお話を伺いましたので、ご紹介します。

「ずっと広島県」と「ちょっと広島県」の内容

−広島県商工労働局 県内投資促進課 課長 梅田 泰生さん(以下、梅田さん)

広島県はもともと、自動車などの製造業や鉄鋼業が盛んです。しかし各国との製造競争が激しくなっている中で、これらだけに偏っている産業構造を打破し、ITをはじめとしたデジタル系の企業・人材を県内に誘致し既存の業種との共存やイノベーションを起こしたいと、平成28年度からIT系企業の誘致をしていました。

そこに、このコロナ禍をきっかけに各企業が一極集中のリスクを感じ分散化の動きを見せたので、県の補正予算を措置し、令和2年の10月から最大2億円の助成額に拡充させました。

この助成制度には、本社機能のすべてまたは一部を広島県に移す企業を支援する「ずっと広島県」と、短期的なビジネス・プロジェクトの拠点を広島県に置く企業を支援する「ちょっと広島県」の2種類があります。

助成対象や条件について

「ずっと広島県」制度と「ちょっと広島県」制度の対象企業は異なります。
「ずっと広島県」制度の対象企業や条件は次のとおりです。

  • 県外にある本社機能のすべてまたは一部を広島県内に移転させる、または、研究開発部門を広島県内に新設する
  • 広島県の新本社または新研究開発部門に異動する人と、広島県内で新規に採用する人の合計が3人以上になる
  • 従業員4人以上の企業で、代表者が広島県内に1人以上移住する
  • 従業員4人以上の企業で、中山間地域に進出して、かつ広島県内に1人以上移住する
  • 国内初立地の外国企業で、1人以上広島県内に移住するか、または広島県内で1人以上採用する
  • 業種は情報サービス業、インターネット付随サービス業、映像・音声・文字情報制作業、食料品製造、飲料製造、繊維工業、木材製造、家具製造、印刷業、化学工業、専門サービス業など

「ちょっと広島県」制度の対象企業や条件は次のとおりです。

  • 情報サービス業、インターネット付随サービス業、映像・音声・文字情報制作業などのIT企業が対象
  • 広島県内に本社機能の全部または一部の移転を検討している
  • 現在、広島県内に拠点がない
  • 広島県内のシェアオフィスを月5日以上使う

参照)https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki_file/office-relocation/flow.pdf

「ずっと広島県」について

「ずっと広島県」制度では、県外から広島県に移転する企業が、オフィスを改装したり、オフィス機器を購入したり、新規採用の人材紹介を使ったりした場合、これらの費用の50%を助成します。

さらに、広島県内に移住する社員とその家族がいた場合、1人につき200万円を、移転する企業に支給します。代表者が広島県に移住したら、最大1,000万円を支給したうえに、住居手当の50%を負担します。

これらの助成の総額には上限があり、それが2億円です。

さらに、「ずっと広島県」とは別の制度になりますが、広島県内の市町によっては、移転してきた企業に対し、オフィス賃料を最大60カ月にわたって100%サポートしています。5年間、家賃が実質0円でオフィスを借りられるわけです。

「ちょっと広島県」について

今すぐ本社を移転させることは難しいが、広島県内にビジネス拠点を展開する可能性がある、という企業は「ちょっと広島県」制度を使ってみてはいかがでしょうか。

たとえば、短期的なビジネス・プロジェクトの拠点を広島県内のシェアオフィスやコワーキングスペースなどに置くと、それらの賃料を最長3カ月間支援します。
さらに、交通費や宿泊費を無料にする支援もあります。

シミュレーション:東京の10人の企業なら2,470万円支給

広島県に移転する企業が、実際にいくら受け取ることができるのか、シミュレーションしてみましょう。
たとえば、次のような企業が「ずっと広島県」制度を利用するとします。

  • 東京都の従業員10人のIT企業
  • 本社機能の一部を広島市内に移す
  • 社長とその家族3人(配偶者、子供2人)が広島市内に移住
  • 従業員2人とその家族計2人が広島市内に移住

この企業は、2,470万円の助成が受けられるかもしれません。
内訳は次のとおりです。

●オフィス移転へのサポート

  • 賃料:最大月20万円×16カ月を助成:320万円
  • オフィス内装工事:仮に300万円かかれば50%助成:150万円
  • 機器や家具を購入:仮に200万円かかれば50%助成:100万円

●社長と家族(3人)移住へのサポート

  • 社長の移住費:500万円
  • 家族(3人)の移住費:1人200万円:計600万円

●従業員2人とその家族(計2人)移住へのサポート

  • 従業員の移住費:1人200万円:計400万円
  • 家族の移住費:1人200万円:計400万円

●総額=320万円+150万円+100万円+500万円+600万円+400万円+400万円=2,470万円

シミュレーション:「ちょっと広島県」の場合

「ちょっと広島県」制度のシミュレーションもしてみましょう。
前提条件は次のとおりです。

  • 横浜の企業のスタッフ1人が、広島県内でプロジェクトを3カ月展開する
  • 広島県内のコワーキングスペース(1日15,000円)を月5日間借りる
  • スタッフ1人が1泊13,000円のホテルに月4泊泊まる
  • 横浜~広島県内の交通費は、1人往復36,000円

この条件だと、最大462,600円受給できるかもしれません。内訳は次のとおりです。

●スペース使用料へのサポート
1日15,000円×月5日×3カ月=225,000円
●ホテル宿泊費へのサポート
1泊13,000円×助成率90%×月4泊×3カ月=140,400円
●交通費へのサポート
往復交通費36,000円×助成率90%×3回(月1回)=97,200円
●総額=225,000円+140,400円+97,200円=462,600円

公式サイトにシミュレーターがあるので、ぜひ試算してみてください。

実際の反響は?

−この10月から拡充したプランをホームページで公開されてみて、反響はいかがでしたか?

−梅田さん

現時点で既に250件くらいの問い合わせをいただいておりまして、反響の大きさを実感しています。テレワークをはじめとする働き方の多様化を踏まえて移転を検討している企業様が多いのではと考えています。

実際にSNSでも、さまざまな声が上がっています。
「広島は立地が良いし街も発展しているからアリかも」
「4人家族だと800万!すごい!」
「朝から海で釣りをして、昼に仕事して・・・って生活もいいな」
好意的に受け取る意見が多く、中にはじっさいに検討するべく、広島へ視察に行くという人もいたほどです。

広島県が考える広島移転のメリット

広島県への移転には次のようなメリットがあります。

大阪、福岡、台湾、中国へのアクセスがよい

まず広島県の立地です。広島県は、大消費地である大阪と福岡へのアクセスが良好です。新幹線を使えば、広島から大阪まで80分、広島から博多まで60分です。

地方ビジネスを考えている企業なら山陰地方や四国へのアクセスのよさも魅力でしょう。
また、広島空港は、台北、上海、北京への飛行機便があります(コロナで欠航していることもあります)。台湾ビジネスや中国ビジネスに進出する企業は、十分検討に値するのではないでしょうか。

優秀な人材を確保できる

広島県は、優秀な人材もアピールしています。
日本経済新聞社日経HRの「企業の人事担当者から見た大学イメージ調査」で、広島大学の行動力が全国2位に選出されました。
また、総務省統計局「労働力調査2018年」によると、労働力人口は、中国・四国地方が1位でした。

2つの世界遺産がある

広島県には、厳島神社と原爆ドームという、2つの世界遺産があります。
広島県は、グローバル展開を考えている企業に対し「広島に本社を置けば、海外へ向けた発信力が上がります」とアピールしています。

広島は移住したい都道府県、全国2位!

広島県はNPO法人ふるさと回帰支援センター「移住希望地域ランキング2019」によると移住したい都道府県ランキングでなんと2位という人気ぶりです。

−梅田さん

100万人都市である広島市もあれば、そこから1時間も車を走らせれば自然豊かな風景が広がるエリアがあります。住環境としてもとても良いと自負しております。

まとめ~コロナ禍前からわかっていたこと

東京への一極集中が、通勤混雑や災害対策、住宅難などを生んでいることは、コロナ禍前からわかっていたことでした。しかし、情報や人材が大都市に集中することから、多くの企業は、東京をはじめとする大都市圏からなかなか離れられないでいました。

ところがコロナ禍によってリモートワークの拡充などビジネスのオンライン化が進むと、地方でも十分情報が得られることがわかりました。広島県の「大盤振る舞い」ともいえる移転助成制度を導入したのは、この流れを企業誘致の好機とみたからでしょう。

−梅田さん

ぜひご家族と一緒に来ていただきたいです。ひとりにつき200万が助成されますので、仮に家族4人なら800万になります。さらに広島県は製造業が中国・四国地方で最も盛んなので、デジタル系業界の企業にとって協業などのビジネスチャンスが十分あるはずです。企業にとっても、一緒に移住する家族にとっても魅力のある企画であると思います。

この制度は今年度(令和3年3月末)までに交付決定をしなくてはいけないため、令和3年2月までの受付となります。問い合わせをいただいてから相談、申請、審査などを考えると少し時間がかかりますし、交付の予算上限もあるため「早いもの順」になっております。ご検討される企業様は早めにご相談ください!

<広島県の制度公式ページ>
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/office-relocation/

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