団塊世代の起業・独立 Vol.5 5L世代の起業は、自己実現の欲求を満たすために

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
若いときの起業 と、5L世代の起業は違うものとなるでしょう。地位やお金のためではなく、その生き様を感じさせる起業こそが、5L世代の起業です。

自己実現を欲求する時代へ

 マズローの欲求段階説という理論が あります。人間の欲求は、
生理的欲求、
安全の欲求、
所属と愛の欲求、
承認の欲求、
自己実現の欲求の五段階に分かれ、それぞれ下位の欲求が満たされると、そ の上の欲求の充足を目指すとされた、あの理論です。

 私個人としては、欲求は並行することもあると考えていますが、どちらにしろ4番目の承 認欲求までは欠乏動機、5番目の自己実現欲求は成長動機に基づくものです。簡単にいえば、承認欲求まではカネやモノで満たされるのですが、自己実現欲求だ けはモノやカネで満たされることはありません。

 戦後の日本というのは、まさに1から4番目までの欲求を満たしてきたということができるで しょう。そしてもう、それだけでは満たされないというところまできているのです。これからは、どう自己実現させていくのか、どう自分をバージョンアップさ せていくのかを問われる時代になりました。そして、ちょうど60歳になる5L世代が、まさにその段階に直面しているともいえるのです。

  

5L世代の起業は、自己実現のために

 その自己実現のひとつが起業ということにもなるのでしょ う。若いときの起業は社長になりたいとかお金をもうけたいという欲求に基づくものでも良いとは思うのですが、やはり50代からの起業は、それだけでは物足 りない。やりたかったことが実現できる、成長につながるということが必要になってくるのだと思います。

 

違うステージで、経験やスキルを生かす

 その際に大切なのは、今まで培ってきた経験なりスキルな りを、違うステージでどう生かしていくかということになります。そのために、自分の強みはどこにあるのかを一度、棚おろしすることが必要になってくるで しょう。

 「まじめにサラリーマンをやってきただけで、誇れるものは何もない」という人もいますが、そんなことありません。38年やってき たら、やってきただけのスキルはあるのです。ただそれを、そのまま生かそうと思うから無理がくるのであって、少し違う形に転用したらどうなるかということ を考えればよいのです。

 私自身を振り返ってみたときも、吉本興業を辞めて、10人くらいの芸能プロダクションをつくろうと思えば、それは できたかもしれません。でも、それではつまらない。小さくまとまるだけです。私の持つスキルを突き詰めて考えたときに見えてきたのは、「人をプロデュース する」ということでした。それは、ほかにも転用できるスキルなわけです。そして、私は芸能人ではなく、一般の人のプロデュースをする「有名塾」を始めまし た。

 間違っても定年延長なんてしてはいけません。後輩たちのモチベーションを下げるだけです。私個人としては、もっと定年を早く、例えば 50歳にしてもいいと思っています。そうすれば、もっと早い段階から、次のことを考えることもできるでしょう。人間の能力というのは変わらないものです。 確かに入社3年目と10年目は違います。でも、20年目と30年目では、そうは変わらない。経験が長いだけ対処療法には長けてきますが、モノを生み出すと いうことにおいては、大差はないはずです。ですから、いつまでも会社にしがみついていないで、自分株式会社(アイカンパニー)として、自らの足で立つこと を考えましょう。そのほうが、人生をおもしろおかしく生きられるからです。

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