Vol.27「新しい商品、サービスをリリースする前にかならずチェックしておきたい商標権とネーミングのポイントとは?」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

アメリカで2014年5月16日から公開されるハリウッド版「ゴジラ」。日本では誰もが知っている怪獣映画ですが、実はアメリカでは数多くの商標権侵害の訴訟があることをご存じですか?

たとえばワインやビールのラベルにゴジラそっくりなイラストが使われているというケース。訴えられた側は、単に恐竜をモチーフにしただけと抗弁するものの、どう見てもゴジラとわかるケースでは侵害した側が敗訴する場合も多いようです。

ちなみに、ゴジラの商標を持つ映画会社の東宝は1980年代からアメリカでの著作権や商標権を守るべく弁護士事務所と契約しており、これまでに32件に及ぶ訴訟を起こしたそうです。

ゴジラほど有名なキャラクターでなくても、苦労して起業・育てた製品やサービス名が、実は他社に同じ商品分野で商標登録されていて、ある突然、商標権侵害と言われて使用できなくなってしまう…、そんなことがあると、それまでに費やしたマーケティング活動が無駄になりかねません。

では、これから起業する方が身近らの商品やサービス名について、商標権侵害と言わせないためには、どのような点に注意すればいのでしょうか。今回はネーミングを考える際にかならず注意しておきたい商標権侵害について解説します。

商標権の侵害とはどのような状態をいうのか?

まずは、商標権の侵害とはどういう状態をいうのでしょうか。

商標権の侵害とは、登録商標と同一又は類似の商標を指定商品と同一又は類似の商品に使用する行為をいいます。
(商品だけでなくサービスもありますが、以降、本コラムでは両方を合わせて商品とします)

商標権の場合、商標そのものだけでなく、その商標をどのような商品に使用するのかまで含めたものが権利範囲になります。

そのため、たとえ商標が同一又は類似しても、使用する商品が指定商品と非類似であれば、商標権侵害とはなりません。

ここで、商標が同一とは、商標の称呼(呼び方)、外観、観念(意味)のすべてが一致していることです。また、類似とは、一致しないものがあるけれど、総合的に考察して相紛らわしい場合です。

一方、商品が同一又は類似するかどうかは、

(1) 生産部門が一致するかどうか
(2) 販売部門が一致するかどうか
(3) 原材料および品質が一致するかどうか
(4) 用途が一致するかどうか
(5) 需要者の範囲が一致するかどうか
(6) 完成品と部品との関係にあるかどうか

といったことが総合的に考慮されます。

なお、役務の場合は、

(1)提供の手段、目的又は場所が一致するかどうか
(2)提供に関連する物品が一致するかどうか
(3)需要者の範囲が一致するかどうか
(4)業種が同じかどうか
(5)当該役務に関する業務や事業者を規制する法律が同じかどうか
(6)同一の事業者が提供するものであるかどうか

といったことになります。

商標登録したくてもできない場合とは?

一方、自社で商標登録できれば、他社の使用をけん制できることから、商標登録してしまうことも真似とは言わせないようにする方法の一つです。

でも、商標登録しようとしても登録できない場合もあります。

例えば、商標が

(1)その商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法による表示
(2)その商品又は役務について慣用されている商標
(3)商品の産地、販売地、品質等の表示又は役務の提供の場所、質等の表示
(4)ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法による表示
(5)極めて簡単で、かつ、ありふれた表示

といった場合は、商標登録しようとしても他社商品等との識別が難しいため、登録が認められません。

この他にも、

(1)国旗、菊花紋章等と同一又は類似する商標
(2)国の紋章、記章等と同一又は類似する商標
(3)赤十字等の標章又は名称と同一又は類似する商標
(4)国、地方公共団体等の著名な標章と同一又は類似する商標
(5)公序良俗違反のおそれがある商標
(6)他人の氏名又は名称等を商標とするもの
(7)博覧会の賞と同一又は類似の名前を使用するもの
(8)他人の商品の周知商標を類似商品に使用するもの
(9)先願に係る他人の登録商標と同一又は類似の商標を同一又は類似の商品等に使用するもの
(10)他人の登録防護標章と同一の商標
(11)種苗法で登録された品種の名称
(12)他人の商品又は役務の出所と混同のおそれのあるもの
(13)商品の品質又は役務の質の誤認を起こさせるもの
(14)ぶどう酒又は蒸留酒の産地の表示をそれ以外の産地のものに使用するもの
(15)商品又は商品の包装の機能を確保するために不可欠な立体的形状のみからなる商標
(16)他人の周知商標と同一又は類似で不正の目的をもって使用をする商標

も同様に商標登録できません。

商標登録されていなくても使用できない場合とは?

また、商標登録されていない他社の商品名であっても、その表示と同一又は類似する商品名を使用することができない場合もあります。

例えば、他人の商品等表示として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示の使用は、商標権ではなく、不正競争防止法という法律によって禁止されることになります。
他人の著名な商品等表示と同一若しくは類似のものの使用も同様です。

また、国旗、菊花紋章等や国の紋章、記章等と同一又は類似するものも商標としての使用が禁じられています。

商標権侵害とは言わせないために必要なこととは?

せっかくのネーミングが商標権侵害や不正競争防止法によって保護されている表示の不正使用にならないようにするためには、まずは、ネーミング候補を検討する際に、事前に他人の商標登録の有無や、周知・著名な商品名かどうかについて調査することが大切になります。

他人の登録商標の有無について無料で調査できるサイトがあります。

●特許電子図書館:http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl

周知・著名な表示については、ネットで検索してその検索数を見てみることも一つの方法になります。

そうやって調べた上で、それでも類似してしまいそうな場合には、商標の見た目や呼び方、意味のうちのどれか一つでも極端に異ならせることによって、混同しないで認識できるように工夫する必要があります。

特に呼び方が似ていると類似とされやすいので、注意しましょう。

場合によっては専門家にご相談されながら、思いを込めたネーミングが無駄にならないように気を付けましょう。

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