【持続化給付金】個人事業主が受け取れる条件まとめ

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

個人事業主(フリーランス)で、コロナ禍によって「売上高が落ちた」と感じている人は、「持続化給付金」制度が利用できるかもしれません。

2020年5月からスタートしたこの制度は、当初こそ多くのマスコミが取り上げて注目を集めましたが、その後、報道される機会はめっきり減りました。

持続化給付金は、2021年1月15日24時まで申請することができます。

給付額は個人の場合で最大100万円、返済義務はありません。このお金は、個人事業主の貴重な資金になるはずなので、少なくとも「自分が該当するかどうか」のチェックはしてみましょう。

チェックリスト「これに当てはまればもらえるかも」

持続化給付金制度の内容を確認する前に、チェックリストを紹介します。

以下の条件に該当する個人事業主は、この給付金を受けられる可能性があります。

  • フリーランスを含む個人事業主である
  • 2019年以前から事業収入(売上)を得ていて、今後も事業を継続する意思がある
  • 2020年1月以降、コロナ禍によって前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(対象月)がある

例えば、2020年1月の売上高が15万円で、2019年1月の売上高が30万円の場合、「前年同月比50%減」となるので「50%以上減少」をクリアします。

この3条件を満たす個人事業主は、持続化給付金の受給対象となります。

「2020年1~3月開業」なら対象に

先ほどの3条件のうち「2019年以前から事業収入(売上)を得ている」をクリアできなくても、「2020年1~3月」に開業していれば(個人事業主になっていれば)、次の条件に当てはまれば給付対象になります。

  • 2020年1~3月に開業している(個人事業主になっている)
  • 「2020年の開業月から2020年3月までの月平均の事業収入(売上高)」より「50%以上減少した月が2020年12月までにある」

例えば、2020年2月に個人事業主になり、2月の売上高が60万円、3月の売上高が40万円だったとします。

このときの「2020年の開業月から2020年3月までの月平均の事業収入(売上高)」は50万円になります。

この場合、2020年12月までのいずれかの月で売上高が25万円以下になれば「50%以上減少した月」になり、給付対象になる可能性があります。

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いくらもらえるのか

持続化給付金の支給額(もらえるお金)は、以下の計算式で算出します。

持続化給付金の支給額=「2019年の年間事業収入」-「対象月の月間事業収入×12」
※最高額は100万円

対象月とは、2019年同月比で50%以下となった2020年の月(1~12月)のことです。

支給額のシミュレーション

持続化給付金の支給額をシミュレーションしてみます。

例えば2019年と2020年の事業収入が次のようになっていたとします。

<2019年の事業収入>年間300万円

1月 2月 3月 4月 5月 6月
30万円 20万円 10万円 30万円 30万円 20万円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
30万円 30万円 30万円 20万円 20万円 30万円

 

<2020年の事業収入>未確定

1月 2月 3月 4月 5月 6月
40万円 20万円 20万円 13万円 30万円 20万円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
30万円 30万円 未定 未定 未定 未定

次のように順番に計算していけば、給付額を簡単に算出することができます。

  1.  2019年の事業収入は300万円です。
  2.  2020年4月(13万円)は、2019年4月(30万円)の50%
    以下になっているので「対象月」になります。
  3. 「対象月の月間事業収入×12」を計算すると、156万円(=13万円×12)になります。
  4. 【持続化給付金の支給額=「2019年の年間事業収入」-「対象月の月間事業収入×12」】は144万円(=300万円-    156万円)になります。
  5.  144万円は持続化給付金の上限100万円を超えているので、   この場合の給付額は100万円になります。

1カ月でも50%以下になればよい「だから申請してみましょう」

先ほどのシミュレーションの金額を、もう一度確認してみます。

<2019年の事業収入>年間300万円

1月 2月 3月 4月 5月 6月
30万円 20万円 10万円 30万円 30万円 20万円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
30万円 30万円 30万円 20万円 20万円 30万円

 

<2020年の事業収入>未確定

1月 2月 3月 4月 5月 6月
40万円 20万円 20万円 13万円 30万円 20万円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
30万円 30万円 未定 未定 未定 未定

2020年1月(40万円)と3月(20万円)の事業収入は、前年同月を上回っています。
「それでも」1カ月でも前年同月比が50%以下になる月があるので、この場合、持続化給付金を受給できるかもしれません。

また、このシミュレーションでは2020年9月以降の事業収入は「未定」にしてあります。そのため、実際は2020年の年間事業収入が、2019年の年間事業収入(300万円)を上回るかもしれません。

「それでも」持続化給付金を受給できる可能性があるわけです。

持続化給付金は「少しでもコロナ禍で痛手を負った個人事業主を救済する制度」といえます。「だから」まだ持続化給付金について検討をしていない個人事業主に、申請の検討をおすすめするわけです。

申請に必要な書類

持続化給付金の申請に必要な書類は次のとおりです。

確定申告書類

青色申告の方

  • 確定申告書別表一の控え(1枚)
  • 所得税青色申告決算書の控え(2枚)

収受日付印が押されている必要があります。

白色申告の方

  • 確定申告書別表一の控え(1枚)

収受日付印が押されている必要があります。

対象月の売上台帳

・2020年分の対象とする月(対象月)の売上台帳

売上台帳の様式は任意のものでよく、普段の経理作業で使っているものを提出することができます。

通帳の写し

銀行名、支店番号、支店名、口座種別、口座番号、口座名義人が確認できるもの

本人確認書の写し

次のいずれかが必要です。

  • 運転免許証
  • 運転経歴証明書
  • マイナンバーカード
  • 写真付きの住民基本台帳カード
  • 住民票の写しとパスポートの顔写真の掲載されているページ
  • 住民票の写しと健康保険証の両方

続いて、申請方法を解説します。

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申請の仕方「ネットで楽々」

持続化給付金の申請は、インターネットを使って簡単に行うことができます。

ステップ1: 「申請に必要な書類」を画像データにする

事前の準備として、先ほど紹介した「申請に必要な書類」(証拠書類)をスキャンするなどして画像データにしておいてください。

ファイル形式は、JPEGでも、PDFでも問題ありません。証拠書類を画像データにしてしまえば、あとの操作は30分もかからず終了します。

ステップ2:専用サイトで 「マイページ」をつくる

持続化給付金の専用サイトで、申請者の「マイページ」をつくります。以下のURLにアクセスして必要事項や自分のメールアドレスなどを入力するだけです。

https://mypage.jizokuka-kyufu.jp/apply

入力が完了すると、登録した自分のメールアドレスに、メールが届きます。そのメールの内容にしたがって「本登録」をすると、持続化給付金の専用サイトに、自分専用のマイページができます。

マイページは申請のための入力に使うだけでなく、審査の進捗状況や書類の不備の連絡などにも使われます。

ステップ3:マイページで「個人情報の入力」と「証拠書類のアップ」を行う

マイページで申請を行います。
質問にしたがって、必要事項や個人情報を入力していきます。

また、事前に作成した「証拠書類の画像データ」をアップロードします。
以上で申請作業は終わりです。あとは審査結果を待つだけです。

入力作業は途中で中断しても後日再開できる

入力作業は、一度に終わらせる必要はありません。

入力作業を途中で中断しても、すでに入力した情報は保存されます。そして、後日またマイページを開いて、入力作業を再開すればよいのです。

ネット申請以外の方法:申請サポート会場で申請する

インターネットやサイトの扱いが苦手な個人事業主は、お近くの申請サポート会場で申請することができます。申請サポート会場は、以下のURLから探すことができます。

https://counter.jizokuka-kyufu.jp/search

証拠書類をすべてそろえる前に「マイページ」をつくってしまう

先ほど紹介した証拠書類(申請に必要な書類)は、すべて画像データにして、マイページにアップロードする必要があり、意外に手間がかかります。

書類を用意して、プリンターでスキャンしたり、スマホで写真撮影したりしなければなりません。自宅にスキャンできるプリンターがなければ、コンビニの複合機を使うことになるでしょう。

そこで、すべての証拠書類がそろう前に、とりあえずマイページをつくってしまうことをおすすめします。マイページをつくってしまえば、個人情報や必要事項の入力を済ますことができます。また、用意できた証拠書類から先にアップロードできます。

できるところまで進んだら作業を一時中断して、残りの証拠書類を集めればよいわけです。「あとはあの書類をアップするだけ」といった状態まで進んでおけば、気持ちが楽になります。

申請終了から給付まで

マイページでの申請が終了すると、中小企業庁が審査に取り掛かります。

審査といってもメインは証拠書類の確認です。必要な書類がそろっているか、証拠書類に書かれてある内容が給付条件に該当するか、といったことを調べます。もし、証拠書類が足りなかったり、提出した証拠書類に不備があったりした場合、マイページに登録したメールアドレスに、中小企業庁から問い合わせのメールが届きます。

メールが届いたらマイページを開きます。マイページに不明点や不備の内容が書かれてあるので、それに沿って対応します。すると、再び審査に取り掛かります。

申請内容に不備がなければ、2週間ほどで指定した銀行口座に給付金が振り込まれます。

不正受給の対応「詐欺容疑で逮捕も」

持続化給付金をめぐっては、詐欺事件が発生しています。大学生が虚偽の申請をして100万円をだまし取り、詐欺容疑で逮捕されました。

事業化給付金を管轄している中小企業庁は、不正受給があった場合、次のような対応を取るとしています。

  • 給付額に年利3%を上乗せした額に、さらにその額の2割を上乗せした額の返還を求める
  • 申請者の氏名を公表する
  • 悪質な場合は刑事告発する

持続化給付金の支給条件をしっかり確認してから、申請するようにしてください。

まとめ~即効性が高く申請も簡単~

一般的に給付金や補助金は、対象条件が厳しく申請に必要な書類が膨大になりがちですが、持続化給付金はそうではありません。

コロナ禍という緊急かつ重大な事態に対応する制度なので、申請する個人事業主に極力負担がかからないようにしています。そして最大100万円という給付額もとても魅力的で、「急場をしのげる」個人事業主は少なくないはずです。

「コロナ禍で打撃を受けている」と感じたら、検討することをおすすめします。

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