令和3年度予算案からみた「ものづくり補助金」の見通し

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【はじめに】こんにちは。ドリームゲートアドバイザーの赤星宏一です。この記事は補助金活用したい!とお考えの経営者の方へおすすめの記事です。

「ものづくり・商業・サービス⾼度連携促進事業費」いわゆる「ものづくり補助金」の本予算案が2020年12月21日に公表されました。また、新型コロナウイルスの感染拡大防止策や経済回復に向けた取り組みなどを加速するための経費を盛り込んだ令和2年度第3次補正予算案も同時にかつ一体的に公表されています。

つまり、3次補正予算と合わせ、感染拡大防止に万全を期しつつ、中長期的な課題(デジタル社会・グリーン社会、活力ある地方、少子化対策など全世代型社会保障制度等)にも対応する予算になっています。

なお中小企業対策費としては、前年比+1.3%増の1745億円で、内ものづくり補助金も10.4億円(前年10.1億円)と増額となります。

https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2021/pr/ip/chuki_17.pdf

令和3年度「ものづくり補助金」昨年との比較

昨年と異なる点は、下記の通りです。

①「中⼩企業のデジタル化を加速すべく、前向きな投資を行う中⼩企業等」とあるようにデジタルトランスフォーメーション(DX)をにらんだ目的が追加されました。

②「より多くの事業者が参画する連携体を構成してプロジェクトに取り組む事業者を優先的に⽀援」が追加されました。

③成果目標も変更なりました。

  • 付加価値額が9%以上向上から年率平均3%以上向上へ緩和
  • 給与⽀給総額が4.5%以上向上から年率平均1.5%以上向上へ緩和

④サプライチェーン効率化型において、幹事企業が大企業の場合「当該大企業」のみ対象外となった。

中小企業者に積極的に活用してもらうように成果目標については、要件緩和されました。これは令和元年度・令和二年度補正予算事業にほぼ準じているようです。

今回は本予算の概要から、令和3年度のものづくり補助金の見通しを解説いたします。

令和3年度「ものづくり補助金」本予算の概要

目的

令和2年度からの変更はありません。この「ものづくり補助金」とは、中小企業等が行う、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資等を支援することが目的です。

本予算は、ひとことで言うと「複数の事業者が連携する取組」について支援するための予算です。

具体的には、次の3つに関する支援になります。

  1. 全国的な連携効果による生産性向上:人、モノ、技術、組織等がデータを介してつながることにより新たな価値創出を図る「コネクテッド・インダストリーズ」の取組です。これは、事業者間でデータを共有・活用することで生産性を高める高度なプロジェクト支援。
  2. 地域経済への波及効果向上:地域経済牽引事業計画の承認を受け、連携して事業を行う中小企業等による設備投資等を支援。
  3. 幹事企業による生産性向上:幹事企業がデジタル化に前向きな投資を行う中小企業を束ねることで、生産性を向上させる共通システムを面的に導入する支援。

補助対象事業の要件

複数の事業者が連携する「企業間連携型」「サプライチェーン効率化型」が対象となっています。

①企業間連携型(補助上限額:2,000万円/者、補助率:中小1/2 小規模2/3)

これは、複数の中小企業の連携(連携体は5者まで)をもって、新たな付加価値の創造や生産性向上を図るプロジェクト、地域経済への波及効果をもたらすプロジェクト(地域経済牽引事業計画の承認を受けた事業者が対象)を最大2年間支援する事業です。

②サプライチェーン効率化型(補助上限額:1,000万円/者、補助率:中小1/2 小規模2/3)

これは、幹事企業(大企業含む)が主導して、デジタル技術の積極導入を行う中小企業とのサプライチェーン連携を効率化することを支援する事業です。日本だけでなく全世界の災害・政治情勢不安等により、連携強化の重要性が再認識されています。

なお、①②は事業終了後3年で、次の成果を目指している事業を採択するとしています。

  • 補助事業者全体の付加価値額が年率平均3%以上向上
  • 補助事業者全体の給与支給総額が年率平均1.5%以上向上
  • 付加価値額年率平均3%以上向上及び給与支給総額年率平均1.5%以上向上の目標を達成している事業者割合65%以上

つまり、上記の成果目標が達成できる見込みがある事業であることをアピールする必要があるのです。

このように、令和2年度と大きな変化はありません。よって、今年度の補正予算については社会情勢にもよりますが、大きな要件の変化はないと推測します。

では、「ものづくり補助金」の今後の見通しについて考えてみましょう。

本予算から見る「ものづくり補助金」の見通し

補正予算

2021年度実施の「ものづくり補助金」令和2年度補正予算は多様化しています。

引用>https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/chukaku/data/20210127shisetsu_setsumeikai_shiryou.pdf

「新特別枠」として、「低感染リスク型ビジネス枠」が5次(2021年2月締め切り)からとの記載があり、募集されました。

なお、昨年同様に一般会計予算(当初予算)成立後に経済対策を本格化する補正予算が出てくる可能性はあります。つまり、私見ですが今後も社会情勢に応じた補正予算が組まれると推定します。

ものづくり補助金は、10年程度開催されています。しかし、審査ポイントである「革新性」についてはほとんど変化されていません。例えば、新特別枠(低感染リスク型ビジネス枠)については、採択条件緩和のみを下記のように行っています。

  1. 付加価値額向上率の達成目標期間を、事業終了後「3~5年」から「4年以内」に変更。
  2. 補助率を「2/3あるいは3/4」から「2/3」へ変更。
  3. 事業再開枠を廃止
  4. 特別枠要件は変更及び統一

例えば特別予算枠は、下記のように変更されました。

A類型(サプライチェーンの毀損への対応)、C類型(テレワーク環境の整備)を廃止

B類型は、「非対面型ビジネスモデルへの転換(非対面・遠隔でサービスを提供するビジネスモデルへ転換するための設備・システム投資を行うこと)」から、「対面接触機会の減少に資する、製品開発、サービス開発、生産プロセスの改善に必要な設備投資、システム構築等」へ変更・統一されました。

つまり、より生産性向上に資する企業にとっては活用しやすい補助金へ変化しています。

採択要件への影響

補助金の分類として、「一般型」と「グローバル展開型」があります。「一般型」には「通常枠」と「特別枠」があります。また、「グローバル展開型」とは、海外展開事業が対象となります。

引用>令和元年度補正・令和二年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領〔一般型・グローバル展開型〕(特別枠・事業再開枠含む)(4次締切分)

「事業再開枠」もありますが、「業種別のガイドライン」に基づいた感染拡大予防の取組を行う場合は、定額補助・上限50万円を別枠(事業再開枠)で上乗せされるものです。そのため大きくは「通常枠」と「特別枠」に分かれます。

このように、4次公募でも社会情勢に応じた生産性向上及び革新的サービス開発に関する補助金事業になっています。私見ですが令和3年度も同様の傾向は続くと考えます。

まとめ

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する定義に変更はされていません。しかし、社会情勢に応じた臨機応変な補正予算では、通常枠とは別に、補助率を引き上げ、営業経費を補助対象とした「新特別枠」として優先的に支援がされていくと考えられます。

いまだからこそ、今の事業維持と同時に将来のために必要という経営者にとって有用な補助金です。活用しないという選択肢はないと考えます。

ご検討中の方はぜひ無料メール相談からご相談ください。

https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/chukaku/data/20210127shisetsu_setsumeikai_shiryou.pdf

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 赤星 宏一(赤星宏一技術士事務所)

モノづくりのスペシャリストとして、30%生産性向上を実現。 2018年7月には、赤星宏一技術士事務所を開所。 現在、経験を活かしたモノづくり企業の技術力向上を支援(生産改革・商品開発・5S人財育成等)を行いつつ、モノづくり補助金審査を行う。「国語力+技術力」を強みに、刺さる審査書類の書き方を教えます。

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ドリームゲートアドバイザー 赤星 宏一

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