パワハラ防止法が中小企業でも4/1から施行、「ちょうどいいくらい」のハラスメント防止対策

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 鈴木 圭史

大阪で社会保険労務士事務所を経営している鈴木 圭史です。

「仕事は気合と根性でこなすこと!」と先輩社員に習い、仕事をこなしてきた筆者は四捨五入すると50歳です。習うより慣れろという言葉を胸に一生懸命仕事をしたなという記憶があり、その当時はハラスメントという言葉は世の中にありませんでした。

その仕事への姿勢は今も変わらないです。他方、このようなお考えの経営者や管理職は多いのではと私自身は勝手に考えています。というわけで令和の時代に改正されるハラスメント防止法を解説するとともに防止する取組みと対策をとるうえでの注意点をお示しさせて頂ければ幸いです。

ハラスメント対策で大事なこと

皆様ご承知の通り、令和の時代の労務管理は複雑です。本来、労働契約は当事者間の合意形成が最も必要で、法律や行政がものをいうのは必要最低限でいいんじゃないかという意見を筆者はもっています。しかしながら、強めの教育指導をすると「ハラスメント」という言葉が出てくる時代です。また、他の研修機関やコラムニストがいう「ハラスメント防止対策」という言葉は「防止する=抑制する=萎縮する」というロジックになりがちです。

ハラスメント対策で大切なのは社内において「行き過ぎた行動」をあぶりだすことと改善するための仕組み構築でしょう。よって、「教育指導やコニュニケーションを萎縮する」ということは本来の趣旨に反していると思われます。なにをやるにもちょうどいいくらい(適度)に対応することが大切なのではないでしょうか。

悪質な一部のハラスメントはさておき大多数のハラスメントは、①先輩社員に習ったことをそのままやっていることと②「会社のために!」「ご本人のために!」熱意をもって教育をしたところ相手側にマイナスな評価をうけたことに起因するものだと考えられます。

この2点を念頭に各団体が行っているハラスメント防止セミナーやコラムで学び、萎縮をするのではなく、ちょうどいいくらいの教育指導を実施するように心がけましょう。

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そもそもハラスメントとは

さて、本題に入りますが、ハラスメントを防止するための取組みをすることを義務づける法律が令和261日より施行されました。このときは大企業のみの適用でしたが中小企業は令和441日より適用となります。また、防止の法律の具体的中身は労働施策総合推進法第30条の3(国、事業主及び労働者の責務)に定める内容となります。そもそもハラスメントという文字は法律上ありません。この条項では「優越的言動問題」という小難しい日本語で表現されています。

その優越的言動問題いわゆるハラスメントですが、以下の3つの項目について検討することとなり、すべての項目に該当することが基準となっています。

「①優越的な関係を背景とした言動であって」

「②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより」

「③労働者の就業環境が害されること」

解説をすると①は上司と部下に限らず専門的な地位や経験値で優位に立っているケースなども含まれます。業務上の指導や注意までするなと言っているわけではありません。しかし、指導を行うケースでも例えば「バカ野郎!」と怒鳴るなど業務上必要があるとまで言えない「行き過ぎた」言動や些細なミスを長時間くり返し叱るなど業務の目的を大きく逸脱する言動は②に該当することとなります。先輩社員からご自身が教育を受けたことと同じようにすると場合によっては②に該当することもあります。ご自身の経験則と世間の流れに乖離がないのかを考えることが必要です。③の労働者とは正社員だけではなく、有期雇用社員やパートタイム労働者、派遣社員も含むと考えましょう。というわけで教育指導やコミュニケーションは萎縮せずにちょうどいいくらいを念頭に進めていきましょう。

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厚生労働省のハラスメント指針

政府ではハラスメントについて指針を策定して次の6つの行為類型を提示しています。優越的言動問題をもう少し具体的にしたものとなります。これらにあてはまらないように、ちょうどいい指導をするように心がけましょう。

①身体的な攻撃

  • 唾を吐かれたり、物を投げつけられたり蹴られたりした
  • 痛いと言ったところを冗談っぽくわざとたたく

②精神的な攻撃

  • 「存在が会社に対して損害だ」と大声で言われた
  • ミスしたら現金に換算して支払わされる
  • 全員が見るノートに何度も個人名を出されて能力が低いと罵られた

③人間関係から切り離し

  • 今まで参加していた会議から理由もなく外された
  • 職場での会話の無視や呑み会などに一人だけ誘われない
  • 他の部下には雑談や軽口をしているが、自分とは業務の話以外一切しない

④過大な要求

  • たくさんの業務量を強いられて月80時間超の時間外労働が継続していた
  • 明らかに管理者の業務であるにもかかわらず、業務命令で仕事を振ってくる

⑤過小な要求

  • 故意に簡単な仕事をずっとするように言われた
  • 一日中担当業務ではない掃除をすることしか業務がない日々が続いた

⑥個の侵害

  • 出身校や家庭の事情等をしつこく聞かれて、答えないと総務に聞くと言われた
  • 接客態度が良くないのは彼氏がいないからだと言われた
  • 引越したことを皆の前で言われ、おおまかな住所まで言われた

ハラスメント防止対策において企業が行うことは次の3点が要点です。

  1. ハラスメントを会社から排除することを就業規則や会社HPで宣言すること
  2. 相談窓口をもうけること
  3. 発生した問題について真摯に解決に向かう仕組みを構築すること

詳細は以下をご参照ください。

ご安全に!

労働災害が多発する可能性のある業種業態では安全衛生委員会・リスクアセスメントその他様々な形式で発生しない取組みを継続的に実施しています。それは労働災害がいつ発生するかわからないからです。当該ハラスメントの防止もこれらの活動と同じでいつ発生するかわかりません。よって、継続的に社内研修等を実施して、萎縮するのではなく、ちょうどいい教育指導・コミュニケーションをとるように社内で周知活動を行いましょう。

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執筆者プロフィール:鈴木 圭史/ドラフト労務管理事務所

大阪で社会保険労務士として活躍をする鈴木さん。派遣元責任者講習にも力を入れており、信頼も厚いアドバイザーの方です。

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