事業主が「もらえるお金・借りれるお金」丸わかり!「コロナ資金繰り対策本」緊急出版インタビュー 

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

経営者の支援をライフワークとしている、中野裕哲さん。ご自身が税理士、特定社会保険労務士、行政書士など複数の士業資格を持っています。また、生家が自営業だったり、勤務して経理財務担当の経験もあることから、資金繰りの苦労も自分ごととして身に染みています。いまはV-Spiritsグループ代表として、日本政策金融公庫元支店長や国の創業補助金元審査員など、多様な専門家メンバーとともに、総合的な起業・経営支援を行っています。

そんな中野さんがまさにコロナ渦の最中に企画を進め、緊急に出版を果たされた新刊は、『「新型コロナ 資金繰り対策」がすべてがわかる本』。次々と登場する新型コロナ関連の公的な支援策をわかりやすく整理し、実際に活用できるように解説されています。この新刊についてお聞きしながら、中野さんに、withコロナ時代の事業主がどのように事業を立て直していくのがよいか、アドバイスをいただきました。

「資金繰りに悩む経営者に、支援策の情報を急いで届けたい」という思いから、緊急出版を決意

―新刊が7月18日に発売されます。新型コロナ関連の公的支援策を網羅されたということで、準備は大変だったのではないですか?

中野:そうですね。私はこれまでに14冊ほどビジネス書を出版してきましたが、普通は企画から発売まで半年はかかります。それが今回は1ヵ月半ほど。印刷や新しい情報を盛り込みながら校正を行う期間を除き、正味1~2週間で執筆をしました。それだけ緊急事態だったということです。

もともと2月3月と、新型コロナによる休校措置や外出自粛が進むにつれ、私のもとにもクライアントである中小企業やベンチャーの経営者から切実な不安の声が多く聞かれるようになりました。当社のメンバーは銀行出身者や各種補助金の元審査員などが多かったこともあり、これはもはや平時とは異なる「有事」だとの思いで、必要な給付金や融資の情報をとにかく伝えていったのです。

―たしかに「有事」ですね。リーマンショックを軽々と超える、多大な影響が広がりつつあり、社会全体に恐怖が感じられました。

中野:実際、知り合いのベンチャーキャピタルやフリーランス協会といった有志での動きがあり、GW中に、現場の情報を求める国会議員とオンライン会議を行ったりもしたんです。その流れで、以前に起業本を出版した際の編集者から連絡があり、新型コロナ対策の経営本として、すぐ企画書にとりかかりました。

趣旨は「資金繰りに悩む経営者に、対策となる制度や支援策の情報を急いで届けよう」ということ。出版事業というよりは、社会の役に立ちたいという思いで出版社とも一致しました。

―いろいろあって分かりにくい支援策が、1冊にまとまっているのは心強いですね。ですが、書籍だとWeb情報と違い、削除や追加修正は難しいというデメリットもあります。

中野:7月18日の発売後に発表される制度の改変や新設などの最新情報は、SNSで随時発信していきます。それでも、編集過程でぎりぎりまで追った最新状況をふまえて印刷できましたので、読者が手にとったときに古いと感じられることはないと自信をもっています。

また、経営者にとっては「自分が間に合わなかった給付金や助成金には、こういうものもあったのだ」というのを知っておくことも大事だと考えました。それで、6月末や7月末までの制度もあえて掲載しています。

そして、何より重視したのは支援策を「一覧できること」でした。

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支援策の一覧を見て、まだやっていない、やるべきことに気づいてほしい

―たしかに、資金繰りの助けになる制度としては、給付金や融資、助成金などさまざまありますが、今回の新刊ではかなり網羅されています。

中野:項目としては、ほぼ全て押さえました。さらに工夫したのは、章立てを経営者が考えるべき順番にしたことです。具体的には、第1章から「給付金・協力金」「融資」「助成金」「補助金」「納税猶予・支払猶予」の順で並べています。

―なるほど。資金繰りのセオリーとして、次はこの手と、章立てに沿って考えていけるわけですね

中野:そうなんです。ですから例えば、給付金や融資はもう申請したけれど、他はまだ手をつけていないといった経営者が見たときに、まだできることがあると気づいてもらえるんですね。このコロナ渦は、第2波、第3波とまだまだ先が見えず、かなりの長期戦になるでしょう。その中で本書を「考えるべき手立ての指標」にしてほしいのです。

さらにいえば、タイトルは「資金繰り対策」としていますが、もっと広く、「今後の経営自体を変えていかねばならない」と提案したかったんです。こういう制度を使えば、すごく有利に変えていけるということ。より積極的に手を打っていくための道具がこの本であるわけで、そのメッセージをぜひ読みとってもらいたいですね。

そのためにも、最終章は「今後の財務戦略・資金繰り」として、改めて経営を見直す重要性やポイントを整理してあります。これを参考に、自社の経理や財務、事業内容自体の見直しを長期的に行っていかれるとよいでしょう。

有事には、行動するための「情報」をいち早く得て、土台固めを

―実際にwithコロナ時代を生きていく事業主は、今後どのように事業を行っていけばよいのでしょうか?

中野:まず、間違いなく長丁場になりますから、今回給付金がもらえたから良かった、で済ませてはいけません。今は国も都道府県も、あらゆる現場の状況をふまえて、かなり細やかに給付金や協力金などを突貫で用意しています。ですが、このような予算の投入がいつまでも続けられるとは思えません。

だからこそ今、使える支援策を最大限に活用して、自助努力をすべきなんです。そのためのヒントをこの本で見つけてほしいです。

―補助金などを使って、土台を固めるということですね。

中野:そうですね。「新しい生活様式」や「非対面型ビジネス」への移行に、そうした支援策を活用するのがよいでしょう。そうすれば、自己資金を減らさずに、より積極的な挑戦ができるはず。飲食店であればデリバリーやテイクアウト、オンライン通販。スポーツジムであれば、パーソナルトレーニングやオンライン指導などと、業態を変えての集客や販路拡大、ビジネスモデルの転換が考えられます。そうした内容にあった補助金などが、あるものです。

ただし、国や都道府県、場合によっては市区町村でも多様な制度が絡み合って存在していますから、あなたにとってのベストチョイスについては、プロである士業やコンサルタントを頼ることをお勧めします。経営者同士の情報交換だけでは、対応しきれないでしょう。例えば、Aという補助金を受給していると、Bという助成金は申請できないということもあります。逆に、国に申請して受給できた給付金は、同様の都のものも受給できる可能性が高いから申請すべきだ、というようなこともある。たいへん複雑怪奇に入り組んでいるんです(笑)。

また、プロにアドバイスを受ける際も、給付金から融資、助成金、補助金といった全てに精通している事務所を選ぶのがよいでしょう。これらは複雑怪奇に入り組んでいるものの、全体像が分かっていれば、例えば今年はこれを申請して、来年はこれを・・・といった、申請の優先順位をも含めたベストチョイスがアドバイスできるはずです。そうやって最大限に支援策を活用して、事業の建て直しに役立ててもらえればと思います。

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無料相談で、自分にとってのベストチョイスにつなげる

―なるほど。たしかに、同じ補助金であっても自治体によって対応が微妙に違ったりすることもありますね。

中野:それもあって、この本では、支援策の大枠は網羅しているのですが、自治体ごとの細かい点まではフォローしきれていません。物理的に不可能なので、そのために、私のほうで無料相談を受けさせてもらうようにしています。そうして、ご自分にとっての「今やるべきこと」を知ってもらえればと思います。

そうした、やるべきことの中には、ビジネスの見直しのほか、財務そのものの強化もあるでしょう。利益率や原価率など、これまではギリギリの設定でやられていた会社が少なくありません。それをもっと付加価値をつけて利益率を向上させるなど、中小企業でも内部留保を考えて、財務体質を強化すべきです。長く経営に耐えられる体質にするために考えることが大切。

―その際も、本書が指針として役立ちますね。

中野:そうですね。そのために、ただの支援策のリストに留まらず、長期的に考えるヒントとなる項目を入れてあります。手にとって読んでいただいた方にはぜひ、新しい生活様式への対応や、これまでの財務体質や経営の見直しなどを考えるきっかけにしてもらいたいです。

―最後に、ドリームゲート会員にメッセージをお願いします。

中野:厳しい状況ではありますが、これを機にご自身の会社やビジネスを見直して、ぜひ何かしらの挑戦をしてみてください。リーマンショックでは、Uberのような新しいビジネスモデルが生まれました。このコロナ渦によっても、新しいビジネスモデルや、新しい概念で伸びるベンチャー企業などが出てくる可能性がものすごくあるのではと思っています。

その際、こうした補助金などを使って、それが生まれれば面白いですよね。私自身の起業・経営支援活動も今回の出版も、決して後ろ向きにならず、明るい未来を描けるようにという思いを込めてやっています。苦しいこの時期を乗り越えて変われれば、もっと強い会社や自分になれるでしょう。

中小企業の経営者こそ、これまでの惰性に任せるのではなく、世の中の常識や価値観の変化をとらえ、適切に変わっていきましょう。この苦しい時期を、そんな変化や成長のきっかけにしていきましょう。

―ありがとうございました。

『「新型コロナ 資金繰り対策」がすべてがわかる本』

 

執筆者プロフィール
中野 裕哲(なかの ひろあき)
税理士/行政書士/社会保険労務士/ファイナンシャルプランナー
起業コンサルV-Spirits 代表
ドリームゲート起業面談相談8年連続日本一。多数の起業本、起業のWeb記事も執筆・監修する人気アドバイザー。「まるごと起業支援(R)」で、あちこち相談せずとも、起業の疑問も不安も一度で解消。
著書「「新型コロナ資金繰り対策」がすべてわかる本 」「失敗しない起業 55の法則」「マンガでやさしくわかる起業」「図解 知識ゼロからはじめる起業の本」など。
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