まだ間に合う!補助額1,000万円の「ものづくり補助金」は小規模ビジネスが有利

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 多賀 俊二 (たが しゅんじ)

ドリームゲートアドバイザーの多賀 俊二(たが しゅんじ)です。私はファンドレイザー・中小企業診断士として、多くの企業・NPOに対してお金の悩み・経営の悩みの相談に乗ってきました。また最近ではドリームゲートの成長資金調達部会のメンバーとしても活動しています。

今回は、中小企業の設備投資をサポートする国の「ものづくり補助金」について、採択4件・アフターケア6件の実績を踏まえ、小規模ビジネス創業者の視点で、活用法をご説明します。

ものづくり補助金とは何か

ものづくり補助金は、正式には「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といい、中小企業が、新商品・新サービスの開発や、生産性向上(品質向上、コスト削減、納期短縮等)のため、機械設備の購入やシステム開発を行うための補助金です。

通称で「ものづくり補助金」と呼ばれていますが、正式名称の通り、小売業、建設業、サービス業、医療・福祉など、ほとんどの業種で利用できます。

本補助金の基本的な枠組みは以下の通りです。

補助限度額 原則として1,000万円(一部例外あり)
補助率 1/2または2/3(補助率2/3の場合、税抜1,500万円の設備投資に対して1,000万円が補助されます)
補助対象経費 機械装置・システム構築費が主な対象(必須)ですが、関連経費として、知的財産権の導入、クラウドサービス、専門家経費、運搬費なども対象。
基本的な
申請要件
以下の①~③を満たす事業計画を作成し、従業員に表明すること

① 付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を年率平均3%以上増加

② 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加

③ 事業所内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする

申請方法 電子申請のみ(GビズIDプライムの取得が必要です)

 

小規模ビジネス創業者にとっての、ものづくり補助金のメリット

小規模ビジネス創業者にとってものづくり補助金は以下のようなメリットがあり、ぜひともチャレンジしてほしい補助金です。

  1. お金のかかる設備投資の下支えになる
    創業直後は資金繰りが十分でなく、新製品開発のための設備投資やシステム開発には手が出にくいものですが、ものづくり補助金は補助上限額が1,000万円と大型なので、思い切った設備投資の下支えとして活用できます。
  2. 創業後(法人の場合は第二創業後含む)5年以内の事業者は審査で有利
    補助金の審査では、事業計画書を審査員が審査項目に基づいて採点し、高得点の事業者から順に採択されます。創業5年以内の新規事業者は審査時に加点が行われるので、それだけ採択されやすくなります。
  3. 小規模事業者は補助率が2/3にアップ
    スタートアップ段階では従業員が少なく、小規模事業者(製造業・宿泊業・娯楽業20名以下、小売業・サービス業5名以下)に該当する場合が多いと思います。この場合、ものづくり補助金では補助率が1/2から2/3にアップしますので、例えば税抜1,500万円の機械装置を購入する場合、補助金額が750万円から1,000万円にアップします。

どのような事業でものづくり補助金を使えるか

最初に書いたとおり、ものづくり補助金は、業種を問わず、新製品・新サービスの開発や生産性向上に向けた設備投資・システム開発に活用できます。直近(6次公募)の採択事例でも、

  • 超老舗酒蔵のRe-BORN計画 ~味とデザインで定番商品一新~
  • AI多言語同時通訳を活用したグローバル・テレワーク・ソリューションの開発
  • 芸能人向けプライベートエステサロンへの事業展開による業績拡大

などユニークな事業計画名が並びます。スタートアップならではの創造性豊かな事業にものづくり補助金を活用しましょう。

「低感染リスク型ビジネス枠」に注目

今年度は、ものづくり補助金に「低感染リスク型ビジネス枠」(新特別枠)が設けられています。新特別枠は、例えば

  • 遠隔操作や自動制御など、対人接触の減少に役立つ新製品の開発
  • オンラインビジネスへの転換
  • ロボットや遠隔操作の導入など、生産・サービスプロセスにおける対人接触の削減

など、ポストコロナに向けた新ビジネスへの転換を対象としたものです。

新特別枠を利用するためには補助対象経費全額を、これら新ビジネスへの転換に振り向ける必要があるので、どの企業でも申請できるものではありません。しかし新特別枠は、

  1. 補助率が1/2から2/3にアップする
  2. 広告宣伝費・販売促進費も補助対象になる
  3. 新特別枠で不採択になっても、敗者復活戦として、通常枠で再審査してもらえる

と、メリットが大きいので、コロナ禍を乗り越えるための新事業を検討している創業者の皆様には、ぜひともチャレンジをお勧めします。

2021年度ものづくり補助金スケジュール

ものづくり補助金は、直近では2021年8月17日(火)17時が締切です(7次締切)。2021年度はその後、2021年11月・2022年2月の2回、締切が設けられる見込みです。

7次締切分については、2021年9月末に採択発表があり、採択後1~2ヶ月程度で交付決定となり、その後、補助事業(機械設備の購入・システム開発と、試運転等によって、事業計画書に書いた目標が達成できたかの確認等)を開始することができます。

ものづくり補助金総合サイト より引用

ものづくり補助金の採択率は?

ものづくり補助金の採択率は、グラフ(ものづくり補助金データポータルより)の通りで、直近(6次締切)の採択率は、47.4%となりました。

データポータルを見ると、

  • 業種では、製造業・建設業・学術研究専門技術サービス業が、採択率50%を超えている
  • 申請のタイミングは、締切3日前が最も採択率が高い
  • 外部支援者が有償でサポートした案件は、採択率が50%を超えている

など、ものづくり補助金のさまざまな傾向がわかりますので、参考にしてみてください。

採択率を高める6つのコツ

筆者の申請支援の経験を踏まえると、ものづくり補助金の採択率を高めるには、以下の6つが重要です。

①審査項目の問いに、極力応える事業計画書を作る

ものづくり補助金では、事業計画書の審査項目が公表されています※[1]。これらは事務局からの問いなので、極力応えて高得点を目指しましょう。

審査項目は4つに分かれていますが、採択のためには4つのうち「補助対象事業としての適格性」「技術面」「事業化面」をすべて満たすとともに、「政策面」も極力満たすようにしましょう。

中でも重要なのは、「技術面」のうち「新製品・新サービスの革新的な開発となっているか」です。ものづくり補助金の事業計画書では、単なる生産性向上にとどまらず、機械設備の導入やシステム開発がいかに新製品・新サービスの開発に役立つか、アピールする必要があります。

※[1] 7次公募の場合は、公募要領20ページを参照。

②一本筋の通った事業計画書を作る

審査項目を形式的に満たしても、全体のストーリーが不明確で全体として何を言っているかわからない事業計画書では高得点は望めません。
そこで、例えば以下のストーリーに沿って、事業計画書を書いていく必要があります。

(例)

  • まず企業概要と強みを述べる
  • 市場や顧客のニーズを踏まえて、将来的に目指す姿を述べる
  • 目指す姿を阻む課題を要素(例:技術面、生産能力、コスト等)別に述べる
  • 設備投資やシステム開発で課題をどのように解決するか述べる
  • 市場全体の動向と当社との関係を述べたうえで、補助事業のターゲットであるユーザー・マーケットが誰か説明する
  • 補助事業終了後3~5年間のアクションプランを述べる

③加点項目は目一杯取りに行く

ものづくり補助金では、以下の5つの加点項目が設けられています※[1]

  • 有効な期間の経営革新計画※[2]の認定を受けること
  • 創業・第2創業後5年未満の事業者であること
  • 有効な期間の事業継続力強化計画※[3]の認証を受けること
  • 給与支給総額及び事業所内最低賃金を一定以上に引き上げ、従業員に表明すること
  • 被用者保険の任意適用

データポータルを見ると、これら加点項目を2つ以上取得していると、採択率が50%を超える傾向にあります。今後のものづくり補助金申請の際も少なくとも2つ、可能なら3つ以上の加点項目を取りに行くと、採択の可能性が高まります。

※[1] 詳細は、公募要領21ページを参照。

※[2] 事業者が新しい事業活動(新製品・新サービスの開発・生産等)に取り組んで、付加価値額と給与支給総額を相当程度向上させる事業計画。

※[3] 中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画。

④財務面で好印象を与える

審査項目には「最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。」とあります。この点を満たすため、例えば

  • 直近決算期が赤字で、翌決算期に黒字転換が見込まれる場合は、黒字転換後にものづくり補助金を申請することを検討する
  • 赤字や債務超過、創業直後などの場合は、どのようにリカバリーして補助事業のための資金を確保するか、事業計画書に明記する

といった工夫を行う必要があります。

⑤余裕を持ったスケジュールを組む

ものづくり補助金が採択されるためには、時間をかけて精度の高い事業計画書を作る必要があり、また加点項目にある「経営革新計画」「事業継続力強化計画」の認定取得やGビズIDプライムの取得にも時間がかかります。
そこで、締切日の数日前に電子申請を終わらせることを目標に、最低でも1ヶ月半、長ければ3ヶ月から4か月の余裕をもってスケジュールを組めば、申請準備がスムーズに進みます。

⑥不採択になってもあきらめない

ものづくり補助金の事業計画書の審査は、基準はあるものの、人間が行うことなので、どうしてもばらつきが生じます。その結果、採択水準のはずの事業計画書が不採択になることも十分あり得ますので、もし不採択になってもあきらめず、粘り強く申請を進めてみてください。
その際、事務局に問い合わせれば審査員のコメントを聞くことができますので、再申請でリベンジする際の参考にすることが可能です。

ドリームゲートアドバイザーをご活用ください!

ここまでものづくり補助金活用のポイントを述べてきましたが、ものづくり補助金の事業計画書作成と申請手続には数十時間の手数を要し、申請者の間の採択に向けた競争も激化の一途をたどっています。

また、採択され交付決定が下りたのちも、補助金を受け取るためには、

  • 実績報告書及び付属書類(経費明細書、取得財産等管理台帳、出納長等)の作成
  • 証拠書類(見積書、納品書、検収書、請求書、振込依頼書、通帳コピー、機械装置の写真等)の取り揃え
  • 補助金事務局からの各種要望(書類の修正、差替等)への対応

と、多大な手数が必要で、手続きに数ヶ月を要する場合もあります。

さらに、交付された補助金は収益として法人税の対象となり、取得した機械装置は固定資産税の対象になります。「経営力向上計画」「先端設備等導入計画」といった経営計画の認定によって税制優遇を受けることができれば、税負担の軽減が可能です。

この点、ものづくり補助金の支援実績豊富なドリームゲートアドバイザーは、以下のようなサービスが可能です。

  1. 採択確率の高い事業計画書の作成支援
  2. 加点項目として必要な「経営革新計画」「事業継続力強化計画」認定支援
  3. ものづくり補助金の申請手続に関するアドバイス(申請そのものはご自身でお願いします)
  4. 採択後、補助金を受け取るまでの各種手続支援
  5. 税負担軽減のための「経営力向上計画」「先端設備等導入計画」認定支援

まずは御社がこれから取り組まれる事業や設備投資・システム開発がものづくり補助金の対象になるか、お気軽にご相談ください。ドリームゲートアドバイザーは心づくしのサービスで、ものづくり補助金の活用で新事業へのチャレンジを目指す皆様の期待に応えます。

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 多賀 俊二(たが しゅんじ) /(草の根金融研究所「くさのーね」)

ソーシャルビジネス・NPO等に関するあらゆる資金調達(融資・私募債・補助金・助成金・クラウドファンディングなど)において、支援を得意とするアドバイザーです。

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