Vol.15 会社の事業内容を変更したい時、どうすればいいの?

経営改善・成長戦略

執筆者: ドリームゲート事務局

ある事業で起業した後、新しいビジネスの機会に遭遇したり、本業では思ったように収益が上がらず、新規事業に進出することがよくあります。その場合、どんな手続きが必要となるのでしょうか。

 

定款の変更が必要

 
  まず、定款変更の必要があります。会社設立手続きの中に、定款を作成し、公証人役場に提出して認証を受けるというプロセスがあります。この定款の一項目と して、「会社の目的」を記載しなければなりません。つまり、どんな事業を行う会社なのかを書き出しておく必要があるのです。そして、会社はその目的以外の 事業を行うことはできません。後で定款内容を変更する場合は、株主総会の*特別決議が必要となります。

 *特別決議:定款で特段の定めを置 かない限り、株式会社の場合は議決権を行使出来る株主の議決権の過半数を有する株主が会議に出席し、その出席した株主の議決権の3分の2以上の同意が必 要。特例有限会社の場合は総株主の半数以上の株主が会議に出席し、総株主の議決権の4分の3以上の同意が必要。

 

定款の「会社の目的」の実行は必須ではない

 定款の「会社の目的」を変更すると、変更登記が必要となり、3万円の登録免許税が必要となるほか、その手続きを司法書士などに依頼すれば数万円の手数料がかかります。

 なお、定款の「会社の目的」に定めたからといって、必ずその事業を行わなければならないということはありません。したがって、定款変更にはこのように手間やコストがかかるので、会社を設立する時点で少しでも行う可能性のある事業は書き加えておいたほうがいいでしょう。

  また、後述致しますが労働者派遣業や古物商のように、認可を取るときには、あらかじめ定款の会社の目的に書かれている業種であることが必要です。定款を作 成してから、そこにない業種で許認可を取ろうとすると二度手間となりますので、定款を作成してしまう前に周到に調べておくことが望ましいでしょう。

 

事業によっては役所の許認可が必要

  次に、事業によっては役所の許認可が必要なものがあります。例えば、飲食店を開業する場合、食品衛生法に基づいて、店の所在地を管轄する保健所に「食品営 業許可申請」を提出し、許可を受けなければなりません。そのためには、食品衛生責任者の資格保有者を店に常駐させること、および都道府県ごとに条例で定め られた施設基準に合致した施設を作ることが必要となります。

 古物商、介護サービス、労働者派遣業など、こういった許認可が必要な事業分野 は多々ありますので、事前によく調べておくことが肝要です。なお、このような許認可に必要な書類の作成から所轄の役所への提出まで代行してくれるのが行政 書士。もちろん、自分で作成・提出できる人もいるでしょうが、こういった書式の作成については役所によって細かな慣例のようなものがあり、素人が行うと何 回も突き返されてしまうことにもなりかねません。プロに任せるほうが無難でしょう。

 

消費税の申告にも影響


  そして、消費税の簡易課税制度を選択した事業者の場合は、事業内容が変わることで、消費税の申告手続きの際の事業区分が変わる場合があります。簡易課税制 度とは、課税売り上げに係る消費税額に*事業区分に応じた「みなし仕入率」を乗じて簡易に消費税額を算出する制度のこと。課税売上が5000万円以下の事 業者に対して認められています。

事業区分 事業内容 みなし仕入れ率
(≒売上高に対する経費比率)
第1種 卸売業 90%
第2種 小売業 80%
第3種 製造業等(建設業等も含む) 70%
第4種 その他の事業(飲食業、金融業等) 60%
第5種 サービス業(不動産業、情報通信業、労働者派遣業等) 50%

 一般用・簡易課税用の消費税申告書を作成するのはなかなか面倒なものですが、簡単に作成できる会計ソフトも市販されています。そういったものを活用すれば、手間をかけずに正確な申告書を作成することができるでしょう。

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