起業時の融資 Vol.05 事例に学ぶ。融資申請の秘訣。

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

今回は、実際に私が顧問先として融資をお手伝いしたA社の事例を元に、融資成功のポイントをあげてみましょう。実際に、400万円の満額融資を受けることが出来た事例なので、ぜひ参考にしてみてください。

1: 事業の内容や申込額

 A社の業務はデザイン等の広告制作業で、創業10ヵ月になります。資本金は200万円、社員は役員を含めて 2名の会社です。創業半年目から、業績が伸び始め、月商は、250万円程度になりました。パソコン等の設備投資と今後の広告代などの運転資金として、 400万円程度を借り入れたいというご希望でした。

2:運転資金と設備資金

 設備投資と広告代などの運転資金との借り入れであるということは前述したとおりですが、内訳は運転資金2ヵ月分250万円、設備投資150万円(パソコン購入費用など)でした。
 よく「運転資金と設備資金はどちらが借りやすいですか?」と質問されます。結論から申しますと、どちらでも同じです。ただ設備資金は事業拡大(革新)のためのものですし、見積書や契約書などから資金用途がはっきりするので、どちらかと言うと、融資担当者が、融資しやすい傾向にあります。

3:現実味のある事業計画書を作成しよう

 融資依頼をする際に必要な事業計画書。作成のポイントは、最低売上ラインの目安で作成することです。起業にあたって、小さな稼ぎでは融資してもらえない、熱意が伝わらないと思うかもしれません。しかし、融資担当者の本音をお話しますと、「事業を継続して毎月キチンと返済できるかできないか?」ただそれだけです。起業の夢を語る!何年後に上場する!確かにかっこいいかもしれません。ただ、実際に上場するかどうかはともかく、融資担当者にとっては、現実的な計画かどうかが重要なのです。
 A社さんは、ある大きなプロジェクトで、Webサイト作成やパンフレット作成など大きな仕事がほぼ決まっていたのですが、このような大きなプロジェクトは入金が、半年後になることが多くあります。
 しかし、その間の外注費や印刷費等は、いったん持ち出しになってしまうので、流動的に使える資金が数百万円は確保していないと、大きな仕事の受注が出来ないという悪循環になってしまいます。
 そのために、資金が必要になるのだということを明確にしめしました。融資担当者に前向きな判断材料を与えてあげるということは重要です。

 A社は満額400万円の融資を受けることができました。A社のように開業してから10ヵ月くらい経っており、1回目の決算が終わっていない段階での融資額の目安は、自己資金と月の売上高を勘案して、おおよそ2倍くらいまでです。

4:アドバイスのポイント

 ここで、400万円満額融資が受けるために、私がアドバイスする上で、気をつけたことは、実際に決まっていた仕事の証明書類をもっていったということです。
 これはかなり大事なことです。契約書の主要な部分は黒塗りでかまわないのですが、資金が必要になる理由を明確にして提出しましょう。

結局のところ、融資を受けられるかどうかは、事業を継続して、どれくらいの利益が出て、何年間もキチンと返済していけるということを融資担当者に理解してもらえるかどうかにかかっています。
 起業するだけならば簡単です。しかし事業を、継続することはとても難しいことです。それは融資を受けた場合でも、同じことが言えます。本当の勝負は、実際に返済をする際にある、ということを心のスミに留めておいてください。

 

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