起業時の融資 Vol.01 融資を受けられる人は、『言い訳』を準備してあげられる人?

起業時の融資
金融機関に取ってお金を貸してもいいかな?と思わせることができるのはどんな人でしょうか?

1、理解しよう!リレーションシップバンキング

 リレーションシップバンキング。略して「リレバン」という考え方があることをご存知ですか?

 『リレーションシップバンキング』とは地域密着型の金融機関のビジネスモデルとして、金融庁が地方銀行などに奨励しているもので、金融機関が、顧客の取引先と長期的な信頼関係を築いて豊富な顧客情報を蓄積し、質の良い金融サービスを提供することです。

 簡単に言いますと、質の良い経営者(企業)に対して支援していきましょうということです。

 金融機関が、融資等を行う場合に、企業評価の判断軸は2つの見方があります。

1、「定量分析」=定量面 今までの決算書などから客観的に判断する。
2、「定性分析」=定性面 経営者の人格や力量で判断する。
というものです。

前述したように、現在、金融庁の指導では「定性面」主導になります。つまり、経営状態が多少悪くても経営者の質がよければ融資をしなさい!という指導方向になっているのです。

                                                            

2、性格の真面目さなんて・・・

 

 しかし、いくら金融庁の指導方針がそのようになっているとしても、現実問題としてお金を貸りることは難しいといえます。なぜなら、あなたのビジネスに対する姿勢(や内容)が、いかに素晴らしくても、金融機関はそこを判断することが出来ないからです。そのため、現実的にはお金を貸しづらいのです。

 

 何故でしょうか?もちろん、「貸し倒れ」というリスクを取りたくないからですね。担当者や店長(融資課長など)の責任問題となるので、信用だけではリスクをとってまで、経営者に対して「貸したくない」ということです。

                                                

 

3、しかし、特に起業したばかりでは実績もない

 ましてや、起業・開業したばかりの段階では、定量=今までの決算書等は何もないわけですから、その企業の経営状態もよくわかりません。定量面、定性面の両方が使えない!これはピンチです。

 

 それでは、少しでも定量面と定性面を、「みて貰えるように」するためにはどうすれば良いのでしょうか。契約書が存在するビジネスなのかそれとも契約書の存在しないビジネスなのかによってやり方は異なりますので、それぞれの場合を見ていきましょう。

a.契約書が存在するビジネスを行なう場合
 いわゆるBtoB。つまり、法人間での取引の場合等です。例えば、起業以前の取引先や在職していた会社などが、開業した後も、お客様になって頂くことが出来ればベストです。そして、融資面談の時にその会社との業務の契約書など、付き合いのあることを示せる書類を持参すれば理想的です。これが、決算書の変わりとまでは言いませんが、少なくても当初から、取引先や仕事があるということで、定量的に相手(融資担当者)に安心感を与えることができます。

 

b.契約書の存在しない、消費者向けのビジネスを行なう場合

 それでは、BtoCつまり、消費者を対象としたビジネスの場合はどうでしょうか?この場合は、契約書などが存在しないことが多くあります。例えば、飲食店の場合ですと、このような方法があります。お客様の対象層(OLさんとか)が、店を開きたい場所を通ったデータ数(朝・昼・晩 土・日の人数など細かいほうがより良い)を集計して提示してみましょう。

 

 これを行なうことにより、融資担当者としては来店数の予想ができる判断材料となりますし、融資を受けるあなた側にも事業計画書に生かせるデータを集めることが出来ます。一石二鳥ですね。この場合、データ的な定量面に加え、性格的に真面目である(データを取るくらいなので)という定性面までもPRすることができます。

                                                           

4、相手が言い訳できるように

 

 結局のところ、実績がないのならば、融資担当者が「これなら融資をしても仕方ないな。その内容で稟議を書いてあげよう。」と、上司に対しても言い訳できるような資料を与えてあげるということですね。

 

 実際、この間、会社設立等をお手伝いしたお客様は、以前の取引先と契約を結んでいたため、「それを持っていって下さい。コピーしてお客様名等は消してもいいから」というお話をしましたが、無事300万円の融資がおりました(資本金は150万円)。


 融資を受ける場合、担当者が、少しでもリスクを取れるような材料を用意していくことが賢明で『融資をする側の気持ち、立場に立つこと』これが出来るかどうかが融資を受けられるか、受けられないかの一番大きな差だといえます。