個人事業主の登記は絶対必要?しないとどうなる?すべて解説

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

個人事業主として開業するにあたり、とくべつな手続きが必要なのかどうかを知りたいという方も多くいるかと思います。法人を設立する場合は法人登記が必要ですが、個人が開業する場合も何らかの登記が必要なのでしょうか。

この記事では、個人事業主の登記に必要な手続き・書類について説明していきます。

また、個人事業主が商号登記をおこなうことによるメリット・デメリットなども合わせて解説していきますので、参考にしてください。

個人事業主の登記は絶対条件なのか?

日本ではさまざまなことに関連して登場する機会が多い「登記」という行為ですが、個人事業主として事業をおこなう上で、登記は必要なのでしょうか。法人を設立する場合は法人登記が必要であることが会社法で決まっています。個人が事業を始める場合にはどうでしょうか。

個人事業主の登記とは「商号登記」のことで必須ではない。

個人が事業を始める場合には、税務署に開業届を出すことができます。この開業届は個人事業の開始を申告するものであり、屋号で銀行口座などを作るときやクレジットカードを作るときにも開業届の写しが必要となります。しかし、この開業届も出さないからといって罰則などはありません。
開業届についてはこちらも参考にしてください。

いっぽう、法律的な義務があるというわけではないものの、個人事業主は屋号を自主的に商号登記することが可能です。

個人事業主による商号登記のメリット・デメリットについては下で改めてみていきますが、個人事業主が自分自身を表すのに使う屋号を商号登記すると、個人事業に関する法的な証明となり、社会的信用を得ることができます。このメリットは決して小さくありません。

そのため、個人事業主の登記は、法的な義務があるわけではないですが、予算などに余裕がある場合はおこなった方がよい、と言えるでしょう。

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商号登記と商標登録・法人登記とはどのように違う?

商号登記と似た言葉に「商標登録」や会社設立時の「法人登記」があります。そもそもこれらはどのようなことを意味しているのでしょうか。ここでは、これらの言葉の意味を説明した上で、商号登記との違いについて見ていきます。

商標登録と商号登記の違い

商標とは、事業者が使用し、かつ自分の商品・サービスと他人の商品・サービスとを区別するために使用するマークのことです。商標登録は事業主全体ではなく、あくまでも商品・サービスに関するライセンス申請(特許)です。そのため、商標登録の管轄は特許庁です。

いっぽう、商号登記は、個人事業主が自分自身を表すのに使う屋号を商号として登記することです。商号登記の管轄は法務省です。

商標登録・・・特許庁管轄。商品・サービスに関するライセンスをあらわす。

商号登記・・・法務省管轄。事業主が自らをあらわすために使う屋号。

その他、商標登録については下の表を見てください。商標を継続できると他の人に使用を制限できるといったメリットがあります。

(出典:特許庁/https://www.jpo.go.jp/system/basic/trademark/index.html)

法人設立時の法人登記と商号登記との違い

法人登記は設立しようとする法人に関する重要事項に関して登記することです。いっぽう、商号登記は、個人事業主が自分を表すのに使う屋号などを登記することです。これらは手続きも違えば、必要となる書類や登記事項なども大きく異なります。

商号登記に関して必要な書類は、下にて見ていきますが、商号登記申請書など数種類です。それに対して、法人登記に関して必要な書類は、定款など基本的に十種類以上あり、より複雑で多岐にわたっています。

商号登記は商号、営業所の住所、事業主の住所、事業主の氏名、営業の種類(事業として行うことは何か)を登記事項とするのが通常です。一方、法人登記はこれらの項目以外にも、様々なことが登記事項になります(例えば、資本金の額など)。

また、商号登記とは異なり、株式会社の設立登記には登記しなければならない事項(発行可能株式総数、設立しようとしている株式会社が取締役会設置会社である場合は取締役会設置会社である旨、など)が相当数、会社法によって決まっているという違いもあります。

そして、商号登記は登録免許税が3万円ですが、法人登記の登録免許税は、資本金の額の1,000分の7(その金額が15万円以下の場合は15万円)です。

ちなみに株式会社の資本金の最低金額に関する規定はないため、0円でなければ(1円以上なら)いくらでも問題ありません。

法人登記について、詳しくは以下のページをご覧ください。

【2020年専門家監修】会社登記のすべてー必要書類、費用まとめ

https://www.dreamgate.gr.jp/contents/manual/m-establishment/36935

個人事業主が商号登記をおこなう場合に必要な手続きとは?

商号登記をおこなう際の手続きは、必要な書類などを法務局に持っていき、法務局員に対応してもらいながら済ませることができます。必要なものがそろっていれば、とくべつ難しい手続きではありませんので、法務局員の指示によく従って進めてください。

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商号登記に必要なものは?

ここまで商号登記の意味やその必要性について見てきましたが、ここでは法務局で商号登記をおこなう際に持っていく必要があるものを見ていきましょう。

ハンコ

商号登記にはハンコが必要です。最低限必要なのは個人の実印です。もしあれば、屋号印・商号印も持っていきましょう。

書類

商号登記には個人実印の印鑑証明書・印鑑届書・商号登記申請書の3種の書類が必要です

個人実印の印鑑証明書

これがないと手続きが一切進みませんので、かならず用意していきましょう。

印鑑届書

商号に関するハンコを登録するのに必要です。個人の実印を商号に関するハンコとして届けてもよいですが、(あれば)屋号印・商号印を届けるのがもっとよいでしょう。

これは印鑑届書です。ハンコを押す箇所が複数あるので、押すハンコを間違えないようにしましょう。

出典:法務局/http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001188212.pdf

商号登記申請書

これについては、株式会社を設立する際の株式会社設立申請書のような指定のフォーマットはありません。そのため、インターネットでひな形を見つけるのが基本です。

上記のように、登記事項である商号、営業所の住所、事業主の住所、事業主の氏名、営業の種類(事業として行うことは何か)を記載の上、日付なども、別途、記載の必要があるでしょう。白紙を持って行って、法務局員に記載事項を聞きながら現地で作成するのもよいかもしれません。ていねいに対応してもらえるでしょう。

現金

上記のように、商号登記には登録免許税として3万円かかります。

個人事業主による商号登記はメリットが多くデメリットが少ない

ここまで、商号登記のために必要なものや手続きなどを見てきましたが、煩雑で莫大なコストがかかるということはないため、商号登記をおこなってもよいと考えている方も少なくないでしょう。ではここで改めて、個人事業主による商号登記のメリット・デメリットを見ておきましょう。

個人事業主による商号登記の最大のメリットは、商号が法的に保証され、取引をする際の社会的信用性が得られることです。事業をおこなう上で、社会的信用はなくてはならないものですが、商号登記によりそれを得ることができます。

また、商号登記しておかないと、将来的に法人化するさいに、それまで使用していた屋号がすでに他人に商号として登記されており屋号を変えなくてはいけない事態が起こる可能性があります。それを防ぐためにも商号登記をしておくのがよいでしょう。

個人事業主による商号登記のデメリットをしいて挙げるとすれば、登録の料金や手間がかかるという点くらいです。

人によって判断はさまざまでしょうが、社会的信用が得られるというメリットを考えれば商号登記には一定の価値があります。

商号登記の申請手続きはオンラインでできる?

ここまで、法務局に出向いて手続きを行う場合について説明してきましたが、商号登記の申請手続きはオンラインでもできます。

オンラインでは以下の流れで商号登記をおこないます。

1.申請書情報を作成する
→商号登記申請書の情報をデータで作成します。
2.登記申請に必要な添付書面の情報を,申請書情報に添付する
→個人実印の印鑑証明書をpdf化などして添付します。
3.申請書情報と添付書面情報を、登記・供託オンライン申請システムに送信する
→PC上で登記・供託オンライン申請システムにデータを送信します
4.申請データが到達し受付のお知らせが届く
→PC上で法務局からお知らせが届きます
5.登録免許税を納付する
→電子納付か領収証書又は印紙納付を行ってください
6.補正・取下げ(不備がある場合)
7.完了

 

この手続きの詳細は下記のURLをご参考にしてください。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji60.html(引用:法務省)

まとめ

個人事業主が登記をすることで商号が法的に保証され、取引をする際の社会的信用性が増すという大きなメリットは見過ごすことのできないものです。

個人事業主の商号登記をすませ、事業がますます発展をしていけば、いずれは法人化をおこなうための法人登記が必要です。個人とは異なり法人においては複式簿記が原則であるため、会計ソフトの導入が不可欠であると言えるでしょう。

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