【テンプレート・記入例あり】デザイン業が成功する事業計画書のつくり方

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

「デザイン業で資金調達するにはどんな事業計画書を作るべき?」「独立したものの、思ったほど売上が上がらない。方針を見直してみるべきかも?」この記事を読んでいる人はそんな悩みを抱えているのではないでしょうか。実は、計画性と無縁に思われるデザイン業だからこそ、しっかりした事業計画を立てることが経営を安定させるコツなのです。

この記事では、これまで6万件以上の起業をサポートしてきた起業支援のプロ集団ドリームゲートが、デザイン業を成功させるための事業計画の立て方と経営のコツをお伝えします。この記事を読めばデザイナーが経営を軌道に乗せるポイントがはっきりわかるようになっていますので、デザイン業の経営で悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

デザイン業は予想どおりに行きにくい業種

デザイン業は売上が安定しづらく、なかなか予定どおりにいかない業種のひとつです。デザイン業はどのような特徴がある業態なのか、まずは概要を知っておきましょう。

1年目の売上は計画の6割程度

デザイン業は案件単位での契約となることが多く、受注状況によって売上が大きく左右されます。安定とは無縁の業種であることを理解しておきましょう。

納品・検収から入金までのタイムラグが1~2ヶ月かかることもあるので、制作期間も含めると4~5ヶ月分の運転資金を確保しておく必要があり、意外にも資金繰りに余裕が必要な業種になります。

とくに資金繰りを圧迫する可能性があるのが印刷物のデザインやWebページの制作といった低単価の仕事です。これらの仕事は参入障壁が低く新規参入者が飽和状態にあることから、低単価競争に巻き込まれがちです。コンセプト作りや自身の強み(セールスポイント)をはっきりさせるなど、価格以外での戦略が必要になるでしょう。このように、資金繰りをよくするためには案件あたりの単価を上げる努力が欠かせません。

高単価で効率よく稼ぐなら、ニーズが高いデジタル分野(とくにUI/UX)に挑戦することをおすすめします。デジタルはまだ新しい分野で専門家が不足しているため、案件が高単価になる傾向があるからです。デザイナーはきびしい競争の世界なので、つねに差別化を意識してブランディングしていきましょう。

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なぜ事業計画書を書くのか

デザイン業は計画どおりに行きにくい業種だからこそ、あらかじめ計画を立ててイメージをふくらませておくことが大切です。じっさいは計画からズレが発生するものですが、当初の計画がしっかりしていればそれを主軸に少しずつ調整しながら進めることが可能です。また、事業計画書は将来、資金調達の必要が出てきたときにも活用できます。

ドリームゲート調査の開業レポートによると、デザイン業で健全に経営している企業が融資で資金調達する場合、平均5ヶ月分の運転資金を確保しています。毎月の出費と必要経費(PC代、ソフトウェア代、事務用品費、人件費など)を計算し、5ヶ月分を目安に運転資金を確保できるよう計画を練っていきましょう。

デザイン業の事業計画書で必要な6項目

「事業計画書をつくるといっても、どんな書類かも知らないし何からはじめたらいいかわからない」はじめての人がそう感じるのは当たり前です。ここでは事業計画書づくりの初心者向けに事業計画書に必要な内容をわかりやすく解説していきますので、まずはイメージをふくらませてみてください。

1.プロフィール、これまでの経験

デザイン業で非常に重要になるのがポートフォリオですが、事業計画書にもポートフォリオからかいつまんで実績を掲載すると効果的です。

顧客心理としては実績があるデザイナーほど安心して仕事を依頼できるので、実績はできる限り多く掲載するのがポイントです。

2.事業内容と、競合優位性

デザイン業の場合、「なんでもできる」ではなく、強みをわかりやすくアピールした方が案件獲得につながりやすいでしょう。顧客からすると星の数ほどもいるデザイナーのなかから一人を選ぶのは大変なことなので、はっきり強みを打ち出した方が特徴がわかりやすく、結果として選ばれやすいのです。客観的に自分の強みを分析して、収入につなげやすいような得意ジャンル・形態に沿う形でアピールしましょう。

3.市場環境・市場規模

ターゲットとする顧客が、どの時期に、どの場所に、どのくらいいるのかを分析することで市場規模が見えてきます。さらに、その市場規模が将来的にどうなるのか(市場・業界の将来性)についても分析すると事業計画がより深まります。

また、自分と似た業界・規模のデザイン業者の分析もここでおこなっておきましょう。

4.市場アクセス・マーケティング戦略

デザイナーは競争がきびしい業界なので、マーケティング戦略が欠かせません。これまでの取引先とのリレーションの継続のしかたや新規顧客の開拓について考えるのがマーケティング戦略です。

マーケティングでは自分の強みや事業内容をどう市場に認知させるか、どう販売網を築くかを具体的に考える必要があります。SNSなどのファン獲得ツールや案件獲得に使うツールを検討したり、これまでの取引先や顧客リストを整理しましょう。

5.経営プラン・資金計画

デザイナーにとって難しい問題が案件単価の設定です。

自分のキャリアやスキルを踏まえ、競合するデザイナーとも比較しながら、現時点での妥当な単価を設定しなければなりません。案件単価を決める際は制作にかかる経費や、売上目標から逆算した単価計算も、勘定に含めることが求められます。

実績や実力に合わない単価だと契約につながらないのでもちろんNGですが、逆に安すぎるのも価格交渉の余地がなくなり、後々苦しむことが目に見えています。独立したばかりで実績がないうちは、安くてもとにかく案件を受けるという考え方もありでしょう。ただし、いずれ単価を上げていかないとビジネスとしてやっていくことはできません。

単価設定のほかには事業にかかる経費の計算や、売上計画を立てましょう。事業計画書を作るときのポイントは、売上計画を理想でなくシビアに立てることです。とくにデザイン業は受注量や受注額が不安定だったり、制作期間が長く入金まで時間がかかることも多いのが特徴です。運転資金の確保にはことさら気をつかって資金計画を立ててください。

6.リスクと解決策

デザイン業をやっていくうえで考えられるリスクと、それへの対処法をあらかじめ考えておくことで経営上のトラブルに効果的に対処できます。

たとえばデザイン業の場合、納品物の著作権に関するトラブルがあるかもしれません。あらかじめリスク要因として挙げられていれば、契約時に権利関係を必ず確認するフローを追加する、契約書に記載を追加するなどの方法であらかじめリスクの最小化が可能になります。

「万が一」のための、デザイン業で使える契約書のフォーマット3つ

フリーランスや小規模事業者は、万が一トラブルが起こっても自分で対応しなければりません。あらかじめ契約上のトラブルを防ぐために、信頼できる契約書フォーマットを使って受発注のやり取りをしっかり書面に残しておきましょう。

ここに掲載しているのは、ドリームゲート所属の法務専門家が監修した契約書フォーマットです。無料で利用できますので、必要に応じて活用してください。

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テンプレート&マニュアルを活用しよう

事業計画書はたとえ経験者であっても、1から作成するのは難しいものです。これから事業計画書をつくる人は、テンプレートを積極的に活用して効率的に事業計画書を完成させましょう。

ドリームゲートの事業計画書テンプレートは作成マニュアル付きなので、計画書を作りながら事業計画の考え方の基礎も身につけられます。初心者向けに作られており、意味が分からずに挫折するということもないでしょう。

「何からはじめたらいいかわからない!」という人は、まずはテンプレート&マニュアルを使って、事業計画書に触れてみることをおすすめします。

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デザイン業に特化した事業計画書作成ツール

デザイン業で独立する人は、最初から資金調達をする人はそれほど多くありません。そのため、デザイン業に特化した事業計画書を探してもなかなか見つからず困っている人もいるでしょう。

これまで6万件以上の起業支援をおこなってきたドリームゲートでは、事業計画作成で困っているデザイナー向けに「デザイン業に特化した事業計画書」を作るツールを無料で提供しています。

ドリームゲートの事業計画書作成ツールはブラウザ上で操作するだけで誰でもかんたんに事業計画書が作れ、事業計画書入門にぴったりです。完成した計画書はCSV形式、Excel形式、PDF形式でダウンロード可能。日本政策金融公庫の創業計画書も一緒に作成できます。計画を共有したり打ち合わせにも使えて便利です。ぜひ活用してください。

デザイン業に特化した事業計画書作成ツール

デザイン業を軌道に乗せるために必要な4つのポイント

独立したばかりのデザイナーが事業を軌道に乗せるためには、必ず意識したい4つのポイントがあります。なかなか立ち上げが思ったようにいかないときは、4つのポイントをおさえられているかあらためてチェックしてみてください。

①コンセプト・強みをはっきりさせる

よほど名前の売れたデザイナーでない限り、指名で案件が入ってくることは期待できません。ていねいに自己分析して、競合優位性のある自分の強みを見つけ出しましょう。冒頭でも述べましたが、「なんでもできます」は独立したてのデザイナーにとって逆効果です。強みに特化したセールスポイントをアピールして差別化をはかってください。

②営業・マーケティングを甘く見ない

認知度の低いデザイナーにとっては営業もとても大事な仕事です。会社員時代の人脈があれば積極的に活かしましょう。細かいところでいうと、デザイナーにとってポートフォリオの作成は必須です。

とくにWEBデザイン業界では自分を売りこむ際の武器になるので、自分の得意分野やテイストが伝わるように、クオリティにはこだわって仕上げましょう。クライアントがいつでも見られるようにポートフォリオをWEB上に公開しておくのも有効でしょう。

③顧客との信頼関係を大切にする

納期や打ち合わせの時間を必ず守る。レスポンスを早めにする。キャパシティ以上の仕事は受けない。こうした社会人として当たり前のスキルはデザイン業界でも非常に重要です。依頼者はビジネスとしてデザインを依頼しているのですから、いくら素晴らしいデザインができたとしても仕事相手として信頼できないと思われれば次の依頼はありえません。逆に、信頼関係がしっかりできていれば継続した依頼や口コミ効果も期待できるでしょう。

コミュニケーションスキルも重要です。あいまいな指示のまま作成して「思っていたのとちがう」と言われても、それは相手の要望をしっかりヒアリングできなかったデザイナーの責任になります。トラブルを防ぐためにも、打ち合わせは念入りに行いましょう。

独立したばかりの時期には実績作りのためにクラウドソーシングを活用するのも有効です。フリーランス向けのエージェントや自身のSNS、ホームページも並行して集客に利用できます。

④プラスαのスキルも伸ばす

きびしいようですが、デザイン一本で食べていけるデザイナーはほんの一握りだけです。WEBデザイナーならプログラミングもできるようにする、コピーライティングも提案できるようにする、印刷物やプロダクトデザインならコンセプトから提案できるようにするなど、単純なデザインプラスαのスキルを伸ばしていきましょう。

デザイン周辺に広がる「ちょっとした面倒」も一緒に解決できるスキルを身につければ差別化にもなりますし、デザイナーとしての仕事の幅が広がります。

まとめ

デザイン業は決して楽な業界ではありませんが、認知度や実績が上がるほど案件が取りやすくなるという特徴もあります。口コミや紹介で案件が獲得できるようになるまでは、デザインスキルの向上や信頼関係の構築に地道に取り組んでいきましょう。

資金調達の予定があってもなくても、事業計画書づくりはビジネスとしてのデザイナー業を見直すきっかけになります。テンプレートや事業計画書作成サポートツールを活用して、自分だけの事業計画書を作ってみてください。

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執筆者プロフィール:ドリームゲート事務局

ドリームゲートは経済産業省の後援を受けて2003年4月に発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。
運営:株式会社プロジェクトニッポン
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