中国で起業 Vol.6 「百度」は日本で成功できるのか?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
「百度」の日本進 出が成功するには、検索業界の巨人・グーグルとの差別化が必要です。しかし、著作権的に問題があるサービスや、若者や学生が主なユーザーであるサービスで の差別化では、日本でグーグルに対抗することはできないのではないでしょうか。

「百度」、著作権侵害で訴えられる

 最新の音楽をタダでいくら でもダウンロードできる「百度」のMP3検索。かねてからその違法性が問題視されてきましたが、「百度」は昨年、上海のレコード会社に著作権侵害による損 害賠償訴訟を起こされています。

 その結果、「百度」は敗訴。損害額と調査費用を合わせた6万8000元(100万円)の支払いを命じら れています。「百度」は「MP3検索の検索結果は、検索エンジンが勝手にリンクしてしまったものである。検索されたファイルに違法性があるなら、その違法 なファイルを作った人が罰せられるべきである。よって、検索サービスを提供しているだけの我々は無罪である」と主張しましたが、その主張は認められません でした。

 この敗訴の後「百度」は、検索したMP3ファイルをユーザーがダウンロードしようとすると、「「百度」は著作権を非常に尊重し ているので、もし検索結果のファイルに著作権的に問題のあるものが含まれているのなら、連絡してください。すぐにそのファイルへのリンクを解除します」と いうコメントが表示されるようにしました。しかし、その後リンクが大量に解除された形跡はありません。

 

画像を貼り付けていく

 「百度」にあってグーグルにないもう一つのサービスは貼?(てぃえ ばー)です。これは、ユーザーが、例えば「周傑倫(ちょうじえるん、中国で絶大な人気を誇るミュージシャン)の新しい映画、見た?」というスレッドを立て ると、他の周傑倫ファンの人たちが、それに関係する画像をどんどん貼り付けていく、というものです。?

 これも「百度」は場を提供している だけ、とは言え、著作権的には非常にビミョーなサービスです。

 

若者・学生の「百 度」、ホワイトカラーのグーグル

 MP3検索にしても、貼?にしても、そのサービスの内容から考えると、主なユーザーは歌手や映画スター のファンである、若者や学生が多いであろうことが容易に予想できます。

 市場調査会社・北京正望諮詢有限公司の調査によれば、「23歳以 下」や「中高校生」というカテゴリーでは、「百度」は圧倒的な強さを誇っているのですが、「大卒以上の学歴で、月収3000元(4万5000円)以上の非 学生」という括りにすると、グーグルの人気が「百度」を上回るそうです。

 こうしたことから、「百度」のアクセス数の多さは、若者や学生 のヘビーユーザーたちのおかげによるところが大きく、広告主となる企業がターゲットとしたい、経済力のあるホワイトカラーの人たちには、むしろグーグルの 方が人気があることが伺えます。

 

「百度」の日本進出は成功するか

  「百度」は今回日本に進出するに当たって、過去半年以上にわたって日本の検索市場に参入するための特別な研究調査を進めてきており、日本の検索ユーザー は、既存の検索サイトよりさらにユーザーフレンドリーな同社の新しい検索技術を高く評価してくれるはずだ、としています。

 しかし、「百 度」は本国中国でも「グーグルに比べて検索精度が低い」という声があり、日本語でグーグルを超える精度の検索ができるのか、ということについては疑問が残 ります。

 また、グーグルと差別化するためのサービスであるMP3検索や貼?は、厳しい著作権法に抵触し、日本では展開できない可能性が あります。さらに、合法的に展開できたとしても、そうしたサービスの主なユーザーは若者・学生であり、広告を出す企業が限られてしまう可能性もありま す。

 これらを考え合わせると、検索サイトの真の実力を示す検索精度でグーグルを上回らない限り、「百度」が日本で大きなシェアを獲得す るのは難しいのではないか、というのが私個人の見解です。

 

 

百度 著作権対策

写真:「百度」の著作権対策

「百 度」のMP3検索で検索した曲をダウンロードしようとすると、この宣言文が出てきます。「「百度」の検索は検索ロボットが自動的に第三者のサイトとのリン クを生成してしまうので、「百度」としてはコントロールすることができません。しかし、「百度」は著作権を非常に尊重しているので、もし検索結果のファイ ルに著作権的に問題のあるものが含まれているのなら、連絡してください。すぐにそのファイルへのリンクを解除します」と書かれています。

 

 

参 照サイト「百度」:http://www.baidu.com/

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