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毛細血管を「観察→解析→評価→比較」。
病気との相関関係も研究中
事業や製品・サービスの紹介

毛細血管は、栄養や酸素を体の隅々に供給し、余分な老廃物を排出する重要な働きをしている。簡単に使える「血管美人」によって、その毛細血管の長さやねじれなどの状態を継続的に測定することで、健康状態や生活習慣の変化を把握。これによって、未病段階のうちに改善につなげることが可能になるのだ。

採血不要で簡単に使え、リアルタイム測定。
小型軽量・鮮明画像の強みで、世界展開へ!
対象市場と優位性

「血管美人」が属するホームヘルスケアのための生体計測機器の国内の市場規模は、2011年の1437億円から2020年には2637億円と2倍弱まで拡大するといわれている(株式会社シードプランニング調べ)。一方、厚生労働省によると、生活習慣病の有病者は糖尿病が約740万人(予備群約880万人)、高血圧症は約3100万人(予備群約2000万人)、高脂血症は約3000万人と推定。世界に目を向ければ、さらに大きな市場があることがわかる。
主要な販売先は、薬局や医療機関・治療院、フィットネス、企業の健康保険組合など。それぞれに対して、「血管美人」を集客や顧客サービスの目玉としての導入を提案している。2009年の会社設立以来、薬局を中心にすでに約1000台(前身企業からの累計では約3000台)を販売している。
今後は、台湾や香港、中国などアジア各国およびアメリカなどへの展開を進める計画だ。すでに現地のディストリビューターとの交渉を始めている。
母親を58歳の若さで亡くした後悔が原点。
阪大との共同研究で世界初の製品を完成!
事業にかける思い
あっと株式会社代表取締役の武野 團氏は、電子部品メーカーで香港に駐在し、上海駐在員事務所の立ち上げや、現地工場の管理業務に従事していた。ところが、2006年に母親の病気が悪化し、要介護となったことで退職。発明家でもある父が設立していた株式会社健康科学研究会のサポートを行う。その父が、自身の癌罹患を機に「血管美人」を開発していた。その後、父の他界により武野氏は事業を承継し、2009年にあっと株式会社を設立する。
父を62歳、母を58歳の若さで亡くしてしまった武野氏。「パン店を経営する母は、売れ残りのパンをよく食べていた。運動もしておらず、油分や糖分を過剰摂取したことが病気の原因となった可能性があると考えている。当時はその気づきがなかった」と悔やんだ。未病に関する適切な情報を必要とする人に届ける事業の意義を確信。そんな思いが、「血管美人」の開発につながっていった。
2013年10月、大阪市イノベーション創出補助金の採択を受け、大阪大学医学系研究科との共同研究に着手。同年12月に「大阪トップランナープロジェクト」に認定され、研究開発に弾みがついた。そして、2014年、世界初の毛細血管画像解析ソフト「血管美人」が誕生する。
「今後も、“エビデンスベースのヘルスケア”の領域で製品を開発し、世界中の人の健康増進に貢献していきたい」と意気込む武野氏の挑戦を見守りたい。
| あっと株式会社 | |
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| 代表者:代表取締役 武野 團 氏 | 設立:2009年11月 |
| URL:https://kekkan-bijin.jp/ | スタッフ数:6名 |
| 事業内容: 健康検査機器の開発製造および販売、健康事業者へのコンサルティングおよび物品販売ほか |
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| これまでの資金調達額(出資額)と主な投資会社名: 大和企業投資から1000万円、他1社 |
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| ILS2017 大手企業との商談数: 10社 |
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当記事の内容は 2018/9/25 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

