リリース2年で30万ダウンロードを突破!
高級ブランドのバッグが気軽に使える新アプリ

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 松元 順子 編集:菊池 徳行(ハイキックス)

月額6800円でブランドバッグが借り放題。
女性のニーズを満たしたサービス

展開している事業の内容・特徴

20170706-1
近年、車や洋服などのシェアリングサービスが活況を帯びるなか、高級ブランドのバッグに特化したシェアリングサービスアプリ「ラクサス」を展開しているのが、ラクサス・テクノロジーズ株式会社だ。

「ラクサス」は月額6800円(送料無料)で、シャネルやエルメス、ルイ・ヴィトンなどのブランドバッグを無制限に借りることができるサービス。ブランドバッグを購入するのはハードルが高いが、「ラクサス」なら、その日の気分やシチュエ―ションに応じてさまざまなバッグを楽しむことができ、普段選ばないカラーやデザインにもチャレンジできる。

利用方法も至ってシンプル。会員登録し、好みのバッグを選ぶだけ。昼休みや通勤時間など、ちょっとしたスキマ時間で利用できるのも魅力のひとつだ。

「現在、取り扱っているのは52ブランド。約1万6000種のバッグから自由に選べることが、『ラクサス』の最大の特徴です。また、AIを使ったリコメンドサービスを導入することで、ユーザーの一人ひとりの好みに合ったバッグを簡単に選べるように工夫しました。普段、ブランドバッグには手が届かないという方にも、ファッションを自由に楽しんでいただくことで、“新しい自分”に気付くきっかけとなるようなサービスを目指しています」(同社代表・児玉昇司氏)

2017年1月には、新たにCtoCバッグシェアサービス「ラクサス エックス」をリリースした。自宅で眠っているブランドバッグをラクサスが預かり、ユーザーへ貸し出すというもの。バッグがユーザーに借りられると月2000円が支払われる仕組みだ。加えて、預けたバッグは無料でクリーニングやメンテナンスをしてもらえるというメリットもある。

“なりたい自分”になるために起業。
おしゃれを自由に楽しめる世界をつくる

ビジネスアイディア発想のきっかけ

20170706-2「やりたいことがあったから起業したのではなく、“なりたい自分”になるための手段が起業だった」と過去を振り返る児玉氏。1995年、早稲田大学1年のときに家庭教師と学生のマッチングサービスを立ち上げ、その1年後にオンライン中古車売買サービスの会社を興す。

2006年に、ラクサス・テクノロジーズの前身となるエス株式会社を設立。健康食品やコンタクトなどを取り扱うEC通販事業を展開するなかで、英会話教材「エブリデイイングリッシュ」が、同カテゴリー内7年連続売り上げNo.1を獲得し、一躍注目を集める。そんな児玉氏がファッションシェアリングに転換したきっかけは何だったのだろうか。

「『世界をよりよく変えたい』という思いで起業したのですが、残念ながら英語教材を買って終わりという方が非常に多く、学習の継続につなげるのは難しいと感じました。このままでは、私が目指す『世界を変える』というビジョンを実現することはできないと思ったのが一番の理由です。また、2006年当時からシェアリングサービスに着目はしていたのですが、リーマンショックなどでVCからの資金調達が困難な時期がありました。近年、大型の資金調達が可能な状況が整ったことから、満を持して方向転換を決断したというわけです」

ファッションのなかでも、バッグに特化したのはなぜか? 「ブランドバッグは高額であるため、洋服のように気軽に購入できないという問題があります。そうしたなか、みなさん『ブランドには興味ないから』とおっしゃる。それは本心ではなく、ファッションを思うように楽しめない自分に言い訳をしているだけでなないかと考えました。そこで、ブランドバッグを気軽に使えるサービスをつくることで、多くの方にファッションをもっと自由に楽しんでもらいたいと考えたのです」

ファッションのプラットフォームを構築し、
さらなるグローバル展開を目指す

将来の展望

20170706-3現在、『ラクサス』は30万ダウンロードを突破。メール会員は14万人。そのうちアクティブユーザー数は約1万3000人にのぼる。2015年2月のリリース以来、右肩上がりに売り上げを伸ばしており、来期は14億円から20億円の年商を目指す。将来的にはIPOも視野に入れているとのことだ。

「おしゃれをもっと気軽に楽しみたい」という女性の潜在ニーズを掘り起こし、急速に成長を続けている同社。こうした成長の要因を児玉氏はこう語る。「世の中に高価であるがゆえに使えないものは数多く存在します。例えば、携帯電話も発売当時は高額であったが、安くなったから普及した。『高いものを安く』というのが、イノベーションを起こすうえで重要ポイントです」。

「現在の課題は、プロダクトをリニューアルするための企画を考える人材が少ないこと。これからは、新しいアイデアを生み出せる人材を増やしていきたい」(児玉氏)。今後、「世界中に笑顔を」をビジョンに掲げる同社が目指すのは、さらなるグローバル展開だ。

「今後は、『ラクサス』をファッションのプラットフォームにしたい。ユーザー同士が交流し合うことで、個々のファッションセンスがアップするようなアプリにしていきたいと考えています。また、今期中に海外事業の黒字化を達成できる見通しであり、今後さらに海外展開を強化していく構えです。まずは、ニューヨーク、パリ、ロンドン、香港、シンガポールにて、ユーザー数1万人規模のスモールビジネスを立ち上げ、全世界に広めていきたいと考えています」

ファッションは自己変革の手段であり、社会変革の強力なツールにもなる。六本木ヒルズの一室から、今日も児玉氏は世界を変えるための挑戦を続けている。ファッションが生み出す変革の可能性を信じて。

ラクサス・テクノロジーズ株式会社
代表者:児玉 昇司 氏 設立:2006年8月
URL:http://corp.laxus.co/ スタッフ数:48名
事業内容:ファッションシェアリングサービス事業

当記事の内容は 2017/07/06 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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