月間50億回の広告表示枠を運用。広告収益5倍などメディアマネタイズを最大化 する株式会社フォーエム

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執筆者: ドリームゲート事務局

広告代理店ではなく、メディア代理店!? ミッションは「メディア価値をつくる」こと。
展開している事業の内容・特徴

20160315-12016年2月23日、電通より「2015年 日本の広告費」が発表された。それによれば、国内の総広告費は6兆1710億円。新聞、雑誌、テレビ、ラジオのいわゆる四媒体は前年比97.6%と減少に転じたが、インターネット広告は前年比110.2%と好調だ。しかし、インターネット広告の内訳をみると、媒体費9194億円のうち運用型広告が6226億円と7割近くを占める。運用型広告とはアドネットワークやアドエクスチェンジなど自動配信のプラットフォームによるもの。広告主側の効果最大化を図る仕組みをDSP、メディア側の収益最大化を図る仕組みをSSPなどと呼ぶが、いずれにせよ広告枠を手売りする時代から、システム的に自動売買、出稿する方式が主流となりつつある。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2016022-0223.pdf

広告主にとって、費用対効果の高い広告運用を自動的に行ってくれることはありがたいが、一方のメディア側は自動だけでは最適化できない。知識と経験がなければ、最適化どころか本来得られる利益さえ逸してしまう。

ネット広告業界では、メディアの枠を安く買うほうが利益になる広告主の獲得効率により単価決定される世界が広がり、下流に位置するメディアにとって不利な状況が続いている。

このような状況を打開し、メディア価値を高めていくためには社内にマネタイズの専門家が必要になる。しかし、コンテンツづくりが本業であるメディア側がそうした人材を抱えることは難しい。

前置きが長くなったが、今回紹介する株式会社フォーエムは、広告主ではなくメディア側に立ったサービスを展開しているベンチャーだ。メディア側の代理店として、さまざまな広告やツールを駆使してメディア側の収益を最大化するサービスを行っている。同社代表の高橋勇氏によれば、同社のサービスによって、メディアの広告収益を1.5倍から、最大では5倍にまで伸ばした実績があるという。

取材をした2016年2月時点で、同社が契約・サポートしているメディアは100、月間50億回の広告表示枠を扱っている。取引しているメディアとしては、現代ビジネス、サッカーキングなどの専門カテゴリのプレミアムメディアが多いという。

同社のミッションは「メディア価値をつくる」こと。高橋氏によれば、良質なメディアが買い叩かれる状況が続くと、メディア側の収益が悪化し、良質なコンテンツを生み出す事業者運営が行き詰まるという。そうさせないためにも同社はメディアが安心してコンテンツを生み出せる環境をつくるべく、日々奮闘している。

サイバーエージェント時代に商機を見つけて起業
ビジネスアイディア発想のきっかけ

20160315-2フォーエムを起業した高橋氏は奈良県出身。就職に伴い上京し、サイバーエージェント社(CA社)に入社した。入社後すぐにCA社の新規事業の1つである当時6人ほどの「BlogClcik」プロジェクトに参画し、広告セールスをする一方で、メディア側にアドネットワークを提案する仕事にも従事していた。同サービスはその後「マイクロアド」と名称を変え、CA社の子会社として独立・分社化している。

高橋氏が起業に至った理由は、流行り廃れの激しいネット業界において単一広告の取り扱いで顧客満足を満たすことに限界を感じたためである。当時、業界内で10にも満たない広告ラインナップでさえ、メディアは善し悪しを判別できないのに、今後さらに広告が増えることで、ますます困るメディアが増えると予想した。メディアに喜んでもらうためには、もっともメディア側に近い立場から支援を行う必要があると考え、2009年10月にフォーエムを設立した。

創業は1人で、資本金50万円からのスタート。周囲からの嘲笑と非難の中、1年目から黒字化し、7期目となる2016年まで右肩上がりの無借金経営を継続しているという。

しかし、実は起業して3年目に危機的な状況に追い込まれた。社員が全員辞めてしまったのだ。当時はとにかく利益最優先で、オフィスを構えない完全なノマドスタイル。経済合理性だけを追求した経営スタイルに行き詰まり、結果として社員が離散してしまった。

強いショックを受けた高橋氏は、その後、株式会社フォーバル会長の大久保秀夫氏が主宰する経営塾に参加し、経営理念やビジョンの再構築に取り組んだ。ここで株主資本主義ともいうべき利益のみを追求する経営ではなく、公益に沿った経営こそが重要と考えを改め、それまでの経営スタイルを一新。まず、社員が幸せでいられることを第一に考えるようになった。

そうしたところ、不思議と人材が集まり始め、会社に定着するようになった。それまでのノマドスタイルも改め、2014年7月には東京・新橋にオフィスを構えた。また、日本国内では2社しか認定されていないGoogle Certified Publishing Partnerの1社にも選ばれた。ちなみに同パートナーの認定企業は世界でも数十社に限定されている。

健康経営を追求するため鎌倉に移転の予定。目指すのは、世の中に意義あるメディアを支援していける会社にすること
将来の展望

20160315-3高橋氏に今後の展望を伺ったところ、「実は4月に鎌倉に移転する予定なんです」という意外な答えが返ってきた。鎌倉はクリエイティブなベンチャーが集積し、カマコンバレーなどと呼ばれているが、規模が大きくなると東京都内に移転してくる企業が多い。しかし、同社は逆に都内から鎌倉に移るという。

その理由は、健康経営。つまり、社員の健康増進を重要な経営戦略として捉えることだが、高橋氏曰く、「海や山に囲まれ、自然がたくさん残っている鎌倉という地で仕事生活を送ることで、社員を心身ともに健康にすることが目的」。実際、高橋氏もノマド生活時代に湘南に住んでいたことがあり、自然に近い生活によって本来の自分の能力と五感を取り戻し、精神・肉体的にも良いことを実感していた。社員が健康で幸せであってこそ、クライアントを幸せにできる。そして、さらに家族や地域、世界の人々へと幸せを広げていけるインサイドアウトの考えだ。

同社としては、世の中に意義あるメディアの存続のために、メディア収益最大化を目標に掲げている。進化し続けるIT技術だが、テクノロジーの進化によって日本の素晴らしい文化や人間本来の力が退化するようでは本末転倒だ。今後より人と国が本質的に豊かになるための事業を推進していくことが高橋氏の理念、ビジョンである。

株式会社フォーエム
代表者:高橋 勇氏 設立:2009年10月
URL:
https://www.fourm.jp/
スタッフ数:16名
事業内容:
・PC・スマートフォンメディアの収益化支援

当記事の内容は 2016/03/15 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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