生活の不便を解消!業界ド素人が仕掛ける“ネット×リアル”サービス「リネット」 トランクルームサービス「HIROIE」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 福田 宗就

“インターネット×リアル”で新市場を開拓。生活系ITサービスベンチャー
展開している事業内容・特徴

wh-plus1インターネットが普及した現代。欲しいモノは、いつでも何でも簡単に手に入るようになった。今回紹介するのは、「インターネットを使って生活をもっと便利に快適にしたい」と誰しもが思う欲求に実直にフォーカスし、急成長しているベンチャー企業・株式会社ホワイトプラスだ。

役員をはじめ20代の若者を中心としたITベンチャーだが、社名の由来は既存のバリューチェーンに付加価値を「プラス」したサービスを展開するという意味が込められている。いわゆるいまどきのITベンチャーとは少し顔色が違う、生活に根差したサービスで差別化を図っている。

株式会社ホワイトプラスが手がけている主なサービスはいくつかあるが、今回は以下2つのサービスを紹介したい。

一つは、自宅に居ながら、ネットでクリーニングの宅配サービスを利用できる「リネット」。クリーニングは行きたい時に行っても、お店側の都合で店が開いていないことも多く 接客の品質にも、本当に納得できるような店舗はめったにない。実に2人に1人が サービスに「不満」「不便」を感じている業界といわれている。そんな「不満」「不便」を解消するべく、インターネットでクリーニングを注文する宅配サービスを開始。すでに、オンライン宅配クリーニングのパイオニアとしての地位を確立しつつある。

会員数は2万7000人。申し込みから最速で2時間以内に引き取り、最短で5日後にはクリーニングされて戻ってくる。また、時間を指定すれば、クロネコヤマトが自宅まで荷物を引き取りに来てくれるので、限られた時間を有効に使いたい人に好評だ。

wh-plus2そして、もう一つのサービスが、自宅に居ながら、家に入りきらない荷物を宅配業者が運んでトランクルームに収納してくれる、ワンクリックで簡単出し入れが出来る「HIROIE(ヒロイエ)」。

「HIROIE」は2013年4月にグランドオープンされたばかりだが、段ボール5個分で月々たったの500円という安さがポイント。もちろん、もっとたくさん預けたい人や段ボールに入りきらない荷物を預けたい人のためのプレミアムプランも用意している。

希望のプランを選び、引き取り日を選択すると、最短翌日にクロネコヤマトが自宅まで荷物を引き取りにきてくれる。反対に、取り出す時は、日時を指定すれば、最短で翌日に必要な荷物だけを届けてくれる。

保管倉庫の監視体制も万全だ。24時間侵入者を監視。耐震性、警備体制、万が一の補償など、荷物を預かるうえで満たすべきさまざまな基準を満たしクリアした国土交通大臣の登録を受けた倉庫業者が運営している。

どちらのサービスにも言えるのは、生活に根差したサービスであるということ。特に共働き世帯や育児などで家事の時間がとれない家庭にとってはうれしいサービスである。

ユーザー目線に立ったサービスで、ド素人ながら業界を変えるサービスに
ビジネスアイデア発想のきっかけ

wh-plus3数年前まで、ネットのクリーニングサービスは存在していなかった。忙しい独身サラリーマンなどは帰宅が深夜になることも多いが、夜遅くまで開いているクリーニング店は稀だ。

また、クリーニングは洋服を店舗に持ち込んで、後日またクリーニング店まで洋服を取りに行かなければならず、重い洋服を持って店舗まで2回も行くというのは、特に女性には大変な作業である。

そんな現状を改善すべく、株式会社ホワイトプラスの創業メンバー3名(現役員)でさまざまなビジネスアイディアを考えていく中で、クリーニング業界の「不満」「不便」を一ユーザーとして顧客の目線に立ったサービスで解消したいと考えた。

クリーニング業界は「クレーム産業」といわれており、とにかく顧客からの要求レベルが高く、汚れの落ち方や服の痛みなどへのクレーム・トラブルが頻発しているそう。また、価格を下げるために巨大なクリーニング工場を設置し、集配・配送業務を大規模化・効率化するなど、インフラ環境やノウハウがないと新規参入は非常に難しい。

従来のような店舗による対面形式ではなく、ネットによる「非対面形式」でこの分野に参入するには、相当の試行錯誤と苦労があったようだ。

しかし、そこに「ド素人」ゆえの強みを発揮。従来のクリーニング業界の常識にとらわれない発想でサービスをつくり上げた。

創業メンバーはインターネット業界出身で、Webプロモーションやシステムのノウハウを保有していた。そして、顧客目線に立った付加価値を既存のクリーニングサービスに加えることで、他社が真似できないシステムとノウハウを構築。そのうえで、何十社というクリーニング工場を訪問、見学し、自社で考えた独自の品質基準をクリアした工場を選定し、何度も交渉をしながら提携にこぎ付けた。

ほぼすべてのクリーニング工場に「クリーニングをネットでやるなんて、絶対にうまくいかないからやめた方がいい」と言われたが、逆にこれはチャンスだと捉えた。誰もやろうとしない、もしくは、誰もできないからこそ、それを実現できれば世の中にインパクトを与えられると考えたからだ。

初めは自分たちでお客様の品物を検品、チェックを行い、クリーニング後の品物の仕上げチェックや梱包、発送作業もすべて自分たちで行った。この一連の流れを自分たちで行うことにより、もっとも効率的かつお客様の満足度を高められるノウハウとシステムを構築した。

また、ユーザーから集めたアンケートをもとに、梱包の際にしわが出ないように適切な大きさの緩衝紙を入れ、また梱包の箱の外側を清潔感のある白色にするだけでなく、内側も白色にするなど顧客満足度をトコトン重視していった。

その顧客満足度追求の徹底ぶりが支持を集めて、急速にユーザー数が増えていった。こうした取り組みは大手メーカーが行っているQC活動そのもの。「ここへのこだわりも、成功の要因の一つ」と創業メンバーの一人である斎藤氏は言う。

同じく、顧客満足度の追求から、新たにトランクルームサービス「HIROIE」が生まれた。「まだ世の中に類似サービスがなかったので、ユーザーのニーズを把握することが難しく、どんなかたちのサービスにすればいいか、手探りで始めました」と新規事業部長の石田氏。

トランクルームといえば「コンテナ型」が主流である。しかし、月々最低1万円がかかるなど手頃な価格でないばかりか、自動車を保有していない個人にとって、大きくて、重い荷物の搬入出が難しく、ユーザー目線に立ってみると利便性が非常に悪い。

また、トランクルームサービスは一般的に利用者の7割が男性だというが、その理由は重い荷物の運搬が伴うため女性が使いたくても使えないのではと考えた。

そして、値段は月々500円という手頃な価格を設定し、クロネコヤマトによる搬入出を活用することで全国的なサービス展開を実現。これにより利用客の少なかった女性の客層を囲い込むことに成功している。

ちなみに、「HIROIE」は、東北大震災の影響を受け、仮設住宅で生活している被災者の方々も多く利用しているそう。「微力ながら、被災者の方々に貢献できるサービスとなったことをうれしく思っています」(石田氏)。

Amazonのように消費者のライフスタイルを変えたい!
将来への展望

最後に今後のビジョンについて同社取締役の斎藤氏に伺った。

「強みである“インターネット×リアル”を軸に、イノベーションを起こし続け、インパクトを出すためにも業界で圧倒的ナンバーワンを目指します。また、そのプロセスとして株式公開(IPO)も計画しています」と力強い回答。

4月にリリースしたばかりの新規事業「HIROIE」もそうだが、今後も“インターネット×リアル”という切り口で、世の中を快適にする斬新で画期的なサービスが登場することを期待したい。

「買い物」という行動がAmazonの登場で変わっていったように、ホワイトプラス発のサービスが我々のライフスタイルをより便利に快適にしてくれる――そんなベンチャーにぜひ成長していってほしい。

株式会社ホワイトプラス
代表者:井下 孝之  
設立:2009年7月 URL:http://www.wh-plus.com/
事業内容:
・インターネット×クリーニング事業
・インターネット×保管事業
・ウェブマーケティング支援事業 等

当記事の内容は 2013/6/13 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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