プレゼントを贈る際の面倒を一気に解消してくれるギフトモール「オックル」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 谷垣 俊介

忙しくてもプレゼントの機会を逃さない!商品、個人情報に十分配慮したギフトサービス
展開している事業内容・特徴

okkru1誕生日やお祝い事、クリスマスにバレンタインデー……。1年をとおして、プレゼントを贈る機会が何度もやってくる。そして、誰もが思う。プレゼントを贈る際は、相手に喜んでもらうため、じっくり選びたいと。

ちなみに女性は、男性の3倍もの回数、プレゼント交換を行っているとの調査がある。しかし、女性の社会進出が進んだことや子育てなどで、なかなか時間をとることができず、プレゼントをじっくり選ぶ暇がない人も多い。また、相手の住所を聞き、住所を書いて送るといった作業にも時間が取られる。

今回紹介するのは、そんなプレゼントを贈る際のさまざまな面倒を一気に解消してくれるサービス「オックル」だ。

「オックル」は、2012年8月にβ版をリリースした、主に女性をターゲットとしたギフトモールだ。Facebookに連動しており、相手に直接住所を聞かずにプレゼントを贈ることができる。

利用方法は簡単。「オックル」内に掲載されている商品の中から商品を決めた後に、Facebookの“友達リスト”からプレゼントを贈る相手を選ぶ。この際、メッセージも同時に送ることができる。

すると相手に「○○さんから贈り物が届きました」という内容のメッセージが届く。そのメッセージを開き、受け手が自ら送付先住所を入力すると、数日後にプレゼントが贈られるという仕組みだ。プレゼントを受け取る相手は「オックル」に登録する必要もなければ、住所を相手に伝える必要もない。

Facebookの普及にともない、簡単に旧友や取引先などさまざまな友人とつながることが可能となった。「オックル」はそのような友人・知人との関係を深めるチャンスを逃さないサービスである。

同サービスを運営するビルコム株式会社取締役(新規事業担当)の野崎氏は、「ギフトでは、“何を贈るか”が重要。プレゼントした商品によって相手のことをどれだけ考えたかということが伝わるため、商品にはこだわっている」と言う。女性の目で選び、コンセプトやパッケージで欧米の雰囲気を感じるもの、ほかにはないものなど、魅力ある商品を厳選している。

「オックル」には、女性が好む「可愛らしさ」「上品さ」を追求したスイーツ、コスメ、アロマグッズ、キッチン、雑貨、インテリア、キッズ・ベビー商品などが掲載されており、それぞれ作り手のこだわりが感じられるものばかりだ。

2012年9月現在で、9つの商品カテゴリがあり、食品が3割で、美容関連商品も多く揃えている。美容に女性の関心が強いことや、贈る相手にとって邪魔にならないものの方が好まれるといったことへの配慮も忘れていない。商品数は全部で400点ほど。これらの商品は社内に専属MDを配して、厳選している。また雑貨・キャラクターのプロデューサーで、「乙女の世界」の表現に長けた人気の文筆家・甲斐みのり氏がセレクトしたギフトが購入できる特集企画も組んでいる。「オックル」は世界観にもこだわっているのだ。

ちなみに、男性にとって、女性へのプレゼントは何を選べばいいか迷ってしまうもの。「オックル」を利用することで、女性からはセンスの良い人との高評価を受けることができる。このような利用法で一部男性ユーザーからも人気がある。

シンプルな操作、個人情報への配慮、商品選定への強いこだわり――。そんな強みを持ったギフトモール「オックル」は、2012年中に1000アイテムの出品を果たし、2013年度末までには売り上げ4億円を目指している。

集客に苦戦する店に対し、販売価値を提供したいと考えた
ビジネスアイデア発想のきっかけ

okkru2ビルコム社の本業は、スマートフォンを中心としたデジタルマーケティング事業だが、新規事業としてFacebookでe-コマースサイトを開くことのできる「ReBuy(リバイ)」というサービスも展開していた。「ReBuy」の集客は出店側に任せているため、集客力がない店は苦戦する。そんな状況を見て、野崎氏は自分たちが十分な販売価値を提供しているとはいえないと考えていた。この経験から、よりソーシャルメディアの価値を生かした販売機会を創出しようと一念発起。そこから生まれたアイデアが、「オックル」へとかたちを変えていくことになる。

開発に際しては、「楽天」や「アマゾン」などのモール型のサービスとの違いをどのように出せばいいのか、また、どういったものを世の中は求めているのかということを徹底的に考えぬいた。プレゼントに特化する――。プレゼント文化をふくらませることで、人間関係の円滑化に貢献できる。プレゼントを受け取ることで、相手が自分のことを気に掛けていることは伝わる。それで相手との距離が縮まるということが贈答の本質的な価値。そして2012年8月、「オックル」の歴史が始まった。

 ビルコム社はもともとデジタルマーケティング支援会社。当然、「オックル」のようなソーシャルコマースを運営するのは初めての経験である。しかし、ビルコム社にはすでに社内にITエンジニアがいたため、システムはすべて内製。システムの目的や仕様に関する打ち合わせもスムーズに進み、リリースまでは順調に進んだという。

取材した2012年9月現在、「オックル」の課題はユーザー集客にあるという。ビルコム社の得意な領域でもあるPR活動で集客したユーザーをいかに維持・発展させていくかが、今後のサービス発展の鍵となりそうだ。そのため野崎氏は今、より多くのユーザー獲得のため、細かい機能追加や仕様変さらに注力している。

プレゼントの機会を逃さないようにするため、パーソナライズ化を進めていきたい
将来への展望

今後の展望を野崎氏に聞いたところ、まずは「個人への最適化機能」を開発してリリースする予定だという。

例えば、親密な友人の誕生日など、ユーザーがプレゼントを贈ると想定される日が近付けば通知される機能の追加を検討している。これにより、友人の誕生日を把握して、プレゼント機会を逃さないようになる。

今後、「オックル」によって友人同士の関係を深める「カジュアルギフト」がもっと手軽に頻繁に送られるようになるかもしれない。「オックル」の今後に期待したい。

ビルコム株式会社
代表者:太田 滋 スタッフ数:62名(2012年4月1日現在)
設立:2003年10月
事業内容:
デジタルマーケティング事業、統合型マーケティング事業、アプリ事業

当記事の内容は 2012/10/11 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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