1カ月で1000枚を販売! おしゃれなふんどしブランド『SHAREFUN(しゃれふん)』

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執筆者: 深澤 潔

下着として「ふんどし」が復権? 健康にもいいと女性にも大人気!
展開している事業内容・特徴

sharefun1「ふんどし」といえば、その昔、日本男子が身に着けていた下着である。戦前まで一般的に使用されていたそうだが、戦後は洋装化が進み、徐々に姿を消していった。だが、今でもお祭りなどの際、ふんどし一丁で神輿を担ぐ勇壮な男子の姿を見ることも多いだろう。

日本人なら知らない人はいないと思われる「ふんどし」だが、実際に触ったり着用した経験のある人は少ないと思う。それが、最近になって再び注目を集め始めてきているという。「ふんどし」の復権に一役買っているのが、今回紹介するおしゃれなふんどしSHAREFUN(しゃれふん)だ。

有限会社プラスチャーミングが展開するブランド「SHAREFUN」。販売している「ふんどし」は、よくお祭りで見かける「お尻が出るタイプ」とは違い、お尻が隠れて着脱も簡単なタイプだ。カラーも豊富に取り揃えており、現代的でカジュアルなアレンジが施されている。素材は、吸水性・発散性に優れていて、肌触りがよい最高級のリネンを使用。昔の「ふんどし」のイメージを大きく覆し、現代的で着心地のよい下着に生まれ変わっている点が若い世代に受けている。

さまざまなデザインがあり、それぞれのアイテムには一つ一つ名前がつけられている。「今夜はパーティナイト」「風に吹かれて気分屋男」「リーダーの品格」など、個性的なネーミングが楽しい。ちょっと気分を変えたい時や飲み会のネタとして使ってみたい気にさせる。セクハラにならない程度で(笑)。

また、「ふんどし」の持つ健康効果も見逃せない。有限会社プラスチャーミング代表の中川啓次氏によれば、ふんどしはボクサーパンツやトランクスとは異なり、ゴムによる締め付けがない分、血流を妨げることなく下半身を解放することができ、体のさまざまな機能回復効果や良質な睡眠が得られるという。

就寝時やお風呂上がりなど、リラックスする時はもちろん、日常生活でも使用することができる。かさばらず、洗濯しても乾きやすいことから、旅行や出張の際にも適している。

この「SHAREFUN」。当初は男性向けのサービスだったが、男性へのプレゼントとして購入した女性顧客から「女性用もつくってほしい」との要望が多く届き、その声に応えたところ、今では女性ユーザーが4割ほどを占めているというから驚きだ。

コアユーザーは、健康に気を使う層として、男性は40代、女性は30代。「ふんどし」による体の変化を一番感じられる年頃というわけだ。

当初はWebサイトによるオンライン販売がメインだったが、夏の間のみCOOLBIZアイテムとして都内の実店舗でも販売され、2012年7月の1カ月間で、オンラインと実店舗合わせて1000枚を完売している。

この冬からは有名百貨店でも販売されることが決まっており、「SHAREFUN」ブランドを目にする機会はますます増えるだろう。

「ふんどし」をつけることで鬱病が回復! 多くの人に反対されても成功を確信
ビジネスアイデア発想のきっかけ

sharefun2中川氏が「SHAREFUN」を始めるきっかけとなったのは、自身が患った「鬱(うつ)病」だという。

中川氏は、以前働いていたコンサルタント会社でハードワークに明け暮れるなか、2011年初期に鬱(うつ)状態になり、約半年間、自宅療養せざるを得ない状態になってしまった。そんな時、知り合いから「ふんどし」を勧められた。

 当初は、「ふんどし」の持つ、“カッコ悪い・“面倒くさい・“古くさい”など、マイナスイメージから、身に着けるのを躊躇していた。しかし、「体に良いし、快適。騙されたと思って」と言われ、半信半疑で身に着けてみたところ、その解放感と心地よさに衝撃を受けたという。

そして、「ふんどし」を身につけ始めてから、なんと病状が回復し始めてきたというのだ。この経験から、「ふんどし」を普及させることで、多くの人を快適な気分にさせたい、元気を与えたいという思いが芽生えていく。そして中川氏は、2011年9月に「ふんどし」で起業することを決意した。

「ふんどし」の普及に専念すべく、2011年10月に会社を退職。起業するための元手はわずか30万円。まずは知人である京都の和装メーカーに、オリジナルの「ふんどし」製作を依頼。同時にWebサイトの開設準備を進め、2011年12月にサイトをオープンして事業を開始した。

事業を始める際、多くの友人や知人たちから、「ふんどしなんて誰が買うの?」「まさか、ふんどしだけで食っていくわけじゃないでしょう?」「ニーズがないし、難しいことにわざわざ挑戦しなくても」と大反対された中川氏。しかし、反対意見を言われれば言われるほど、中川氏は燃えた。

「今は、単にふんどしのイメージが悪く認知がないだけ。快適さをしっかり伝え、イメージを大きく変えることができれば、きっと広がるに違いない。まさに“大きなチャンス”が潜んでいる」。成功への確信が強くなり、「むしろますますやる気が出てきた」というから面白い。ステテコがデザイン性を持って普及していったように、「ふんどし」のイメージを大きく変えることで、必ず普及すると、中川氏は決意を固めていった。

そして、「ふんどし」事業を展開するにあたり、限られた資金のなかでいかにメディアに取り上げてもらえるかということに、とことんこだわったという。

まずは「ふんどし」人口を増やすべく、中立的立場で、「ふんどし」がなぜ健康によいのかを発信する団体「日本ふんどし協会」を設立。中川氏が会長に就任し、本格的な普及活動を始めた。さらに、2(ふん)14(どし)と読めることから、2月14日を「ふんどしの日」に制定。バレンタインデーと同日ということから、女性から男性に「ふんどし」をプレゼントすることを提案すると、メディアからの取材依頼が殺到した。

さらに、「ふんどしの日」に、「BEST FUNDOSHIST AWARD 2011」を発表。安田大サーカスの団長安田氏や、いとうせいこう氏を選出したことで、テレビのキー局やラジオ、新聞などのメディアからの取材依頼がどんどん増えていった。

こうした話題づくりのアイデアと、その取り組みが大当たり。「ふんどし」の認知はもちろん、「SHAREFUN」の業績を押し上げることにつながったのである。

10年後は普及率100%へ! 世の中をよりチャーミングにしていきたい
将来への展望

中川氏に当面の目標をうかがったところ、まずは同社の「SHAREFUN」の年間販売枚数を2万枚にすることだという。そのために現在、京都での量産体制を整えることに尽力しているそうだ。また、「ふんどし」人口そのものを大きく拡大するため、子供向けの商品開発や、海外展開も計画している。

「3年後には日本人の1%、10年後は100%の普及を本気で目指しています」と目を輝かせる中川氏。「SHAREFUN」というブランド名は、「おしゃれなふんどし」という意味だけでなく、SHARE(分かち合う)+FUN(楽しみ)と読めることから、「楽しみを分かち合いたい」という思いも込められているそうだ。「ふんどし」の復権だけではなく、新たな文化を創出する意気込みなのだ。

「世の中をほんのちょっとチャーミングにする」を理念に掲げる有限会社プラスチャーミング。将来的には、「ふんどし」事業を継続していきながら、世の中をチャーミングにするような新規事業の展開も計画している。近い将来、あなたも「ふんどし」ユーザーになっているかもしれない。

有限会社プラスチャーミング、「SHAREFUN(しゃれふん)」
代表者:中川 啓次 スタッフ数:1名
設立:2005年12月(「SHAREFUN」事業開始は2011年12月) URL:http://sharefun.jp/
事業内容:
おしゃれなふんどし「SHAREFUN(しゃれふん)」の販売

当記事の内容は 2012/10/9 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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