「子育て市場は元気がない」は誤解!
少子化時代に新風吹かせる『cozreマガジン』

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 馬島利花  編集:菊池 徳行(ハイキックス)

ノウハウを持つ専門家、企業からの投稿記事で
子育て情報が必要なユーザーを徹底支援
展開している事業の内容・特徴

20170601-1「子育てについて、教えてくれる人がいない」という新米パパ・ママは少なくないだろう。核家族化により、身近に子育ての先輩がいない。あるいは、インターネットや育児書を頼るにしても、情報が膨大かつ多様化しており、“正解”を見つけ出すのは難しい。そんな現代の子育て環境において、新しいかたちでパパ・ママたちに子育て情報を届けるのが、子育てナレッジシェアWebメディア『cozre(コズレ)マガジン』だ。

『cozreマガジン』には、「赤ちゃん用洗濯洗剤おすすめ10選」「外出時の離乳食どうする?」など、就学前までの小さな子どもを持つパパ・ママ向けの子育て情報記事が1万件以上集まっている。記事の投稿者は一般のパパ・ママのほか、育児に関する情報やノウハウを持つ専門家、企業、行政など。一般投稿の記事については、編集者が一つひとつチェックし、内容が事実であるかどうかの裏を取るなど、安全性・信頼性が保たれている。

このメディアの最大の特徴は、読者(ユーザー)が必要とする記事が最適なタイミングで届けられること。会員登録をすれば、登録した子どもの年齢、居住地域などに合う記事が提供される仕組みになっている。たとえば、まだ生まれていない子のパパ・ママには出産準備の情報、生まれたばかりの子のパパ・ママには生後数カ月の段階で必要な情報、といった具合で先回りして記事を届けてくれる。もちろん、会員登録をせずランダムに閲覧することも可能だ。

少子化により、元気がないと思われがちな「子育て市場」。『cozreマガジン』を運営する株式会社コズレ代表取締役の田中穣二郎氏は、そんなイメージを真っ向から否定する。「日本における出生数・出生率は確かに下がり続けていますが、子育て市場規模はほぼ横ばい。共働き化により、子育て世帯の所得が高水準を保ち、お金をかけて子育てを充実化させるご家庭が増えているのです」

子育て中のパパ・ママ200人にヒアリング。
不安より喜びを大きくしていくには――?
ビジネスアイディア発想のきっかけ

20170601-2田中氏が子育て市場に目をつけたのは、銀行、大手企業などでのキャリアを経て、起業を目指し、ビジネススクールに通っていたとき。当時、スクールの同期だった松本大希氏(現取締役)と2人で、地道にコツコツとあらゆる“つて”を使い、子育て中のパパ・ママ約200人にヒアリングを行った。

「ヒアリングでは、子育てに対する不安や悩み、愚痴などネガティブな発言が多々ありました。かと思えば、最後に『お子さんがいてよかったですか?』と尋ねると、全員が『よかった』と即答するんです。そこにある子育ての満足感や充実感に寄り添う情報のプラットフォームがあれば、パパ・ママたちの喜びをより大きくし、子育てに対するアクションを活性化させられる。そして、ビジネスとしても成り立つのではないか、と考えました」

そこで、田中氏は、「子育ての喜びをもっと大きく!」を理念に掲げ、松本氏と2013年に同社を創業。はじめに手がけたのは、子連れのお出かけ情報に関する投稿・検索サイト『cozreコミュニティ』だった。これは、ヒアリングの際の、「こんなサイトがあったらいいな」と熱望するママの声をヒントにつくったもの。エリアや子どもの年齢、予算などに応じておでかけスポットが検索でき、各スポットの口コミも読める。

しかし、膨大な数のお出かけスポットに、まんべんなく口コミがつくまでには時間がかかった。田中氏は、ユーザーや、子どものいる社員の話に、より注意深く耳を傾けることで、さまざまな課題に気づく。「行きたいお出かけスポットを検索する以前に、そもそも何を検索していいかわからないパパ・ママのほうが多い。であれば、もっと広い視野で、こちらから選択肢を記事にして提供する必要があると感じました。また、子どもがある程度の年齢になるまでは、必要な情報が共通していることも重要な気づきでした」と田中氏。

こうした気づきから、2014年4月に『cozreマガジン』が生まれた。

月間ユーザー数は昨年比2.5倍の勢い!
子育て情報流通のスタンダードを目指す
将来の展望

20170601-3現在、同社では田中氏とともに、産休中の社員3名を含む11名の精鋭たちと、約20名のアルバイト・インターン生が「子育ての喜びをもっと大きく!」の実現に挑んでいる。

『cozreマガジン』の月間ユーザー数は2015年に100万人、2016年に250万人を突破、というスピードで伸びている。記事の投稿者数も2015年に300人超、2016年に700人超。また、同年から、大手育児用品メーカーや自動車メーカー、インターネット通販会社などをはじめとした企業100社以上も参画しており、そこからマネタイズが行われている。

「参画企業からは、投稿記事経由のコーポレートサイトへの流入、プレゼント応募、イベント参加といったユーザーのリアクションが非常に活発、といった驚きと喜びの声をいただいています。それは、当メディアが精度の高い子育て情報のみを発信し、極めて濃いユーザーを集めているからこそ。投稿者が増えるとユーザーが増え、ユーザーが増えるとリアクションが増え、リアクションが増えると投稿者が増える、という好循環が完成しつつあります」

田中氏は、2年後の事業目標として、月間ユーザー数500万人、投稿者数2000人+300社を掲げる。「一般のパパ・ママたちや専門家、行政、企業の力を借りながら、世の中に散在する優良な子育て情報を集め、安全性・信頼性を担保しながら届ける仕組みを強化していきたい。そして、ユーザーと子育て情報の適切なマッチングが実現できるよう、努めていきたいと思います」

株式会社コズレ
代表者:代表取締役 田中穣二郎 氏 設立:2013年7月
URL:http://www.cozre.co.jp スタッフ数:11名
事業内容:子育てナレッジシェアメディア『cozreマガジン』、子連れのおでかけ情報サイト『cozreコミュニティ』

当記事の内容は 2017/06/01 時点のもので、該当のサービス内容が変わっていたり、サービス自体が停止している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める