会社設立の流れを完全解説|費用・手順・失敗例まで初心者向けに解説

この記事は専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

「会社を設立したいけど、何からはじめればよいのかわからない」

そう感じている方は多いのではないでしょうか。定款(ていかん)や登記、資本金など、聞き慣れない言葉が並ぶと、それだけで不安になってしまいますよね。

しかし、会社設立は手順さえ理解すれば、一人でも進められる手続きです。難しいのは「全体像が見えないこと」であり、ステップごとに分解すれば、やることは明確になります。

この記事を読み終える頃には、「次に何をすればいいか」が明確な状態になります。これから会社設立を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

会社設立の流れ【7ステップ】

会社設立に必要な手続きは、大きく7つのステップに分かれます。順番を間違えると後の工程に影響が出るため、まず全体の流れをつかんでおきましょう。

ステップ 内容 目安日数
ステップ1 事業内容・会社概要を決める 1~3日
ステップ2 定款を作成する 2~3日
ステップ3 資本金を払い込む 1~2日
ステップ4 登記申請をおこなう 約1週間~10日(審査期間含む)
ステップ5 各種届出をおこなう 設立後5日以内~2ヶ月以内(届出の種類により異なる)
ステップ6 銀行口座の開設・会計準備 約1日~3週間
ステップ7 事業スタート
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合計すると、書類準備から登記完了まで最短で約2~3週間、一般的には1か月程度かかります。「最初の売上をいつ受け取りたいか」から逆算してスケジュールを組みましょう。ここからは、各ステップの具体的な内容について解説します。

ステップ1:事業内容・会社概要を決める

最初にやることは、会社の「基本情報」を固めることです。後のステップで必要になる情報をここで決めておきます。

項目 ポイント
会社名(商号) 同じ住所に同じ商号は登記不可。
本店所在地 自宅・バーチャルオフィスも利用可。
事業目的 将来やりたい事業も含めて書いておく。
資本金 最低1円だが、100~300万円程度が目安。
役員構成 一人会社でも可能。
決算月 3月・9月・12月決算の会社が多い。
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事業目的は定款(会社のルールブック)に記載します。なお、あとから追加・変更する場合は、管轄の法務局へ登記申請が必要となり、登録免許税(印紙代)として1件につき3万円がかかります。

そのため、今すぐやることだけでなく、「将来的にやりたいこと」も含めて記載しておくことが大切です。また、印鑑(法人実印・銀行印・角印の3本)もこの段階で作成しておくとスムーズです。オンラインショップを使えば2〜3日で届きます。

ステップ2:定款を作成する

定款とは、会社の目的・組織・運営ルールを定めた「会社の憲法」です。株式会社の場合は、作成後に公証人役場(こうしょうにんやくば)での認証が必要です(合同会社は不要)。定款に記載する内容は3種類あります。

種類 内容 例(株式会社の場合)
絶対的記載事項 記載がないと定款が無効になる ・事業の目的 ・商号(会社名) ・本店所在地 ・設立に際して出資される財産の価額またはその最低額(いわゆる出資額) ・発起人の氏名または名称および住所 ・発行可能株式総数 など
相対的記載事項 記載がないと効力をもたない 現物出資・特別利益 など
任意的記載事項 記載があれば効力をもつ 役員の任期・株式譲渡制限 など
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公証人認証にかかる費用は約5万円(認証手数料3〜5万円+謄本作成料)です。電子定款(PDF形式)にすれば、収入印紙代4万円が不要になります。弥生などの会社設立サービスは電子定款に対応しています。

事業内容について、「コンサルティング業」のみ、「その他一切の事業」のみといったあいまいな記載は、銀行口座開設時の審査に影響する可能性があります。主要事業を具体的に書き、関連事業を続けて記載する形がおすすめです。たとえば以下のような書き方があります。

  1. Webシステムの設計・開発・保守
  2. ITコンサルティング業務
  3. 前各号に附帯関連する一切の事業

メインとなる事業内容を明確に示し、審査時の説得力を上げるよう心がけましょう。

ステップ3:資本金を払い込む

定款が完成したら、資本金を発起人(ほっきにん:会社をつくる人)の個人口座に振り込みます。この時点では法人口座がまだないため、個人口座への入金でかまいません。

振り込み後、通帳のコピーを取っておきます。これが「払込証明書」の代わりになります。振り込んだ資本金は、設立後に法人口座へ移します。

資本金は制度上、1円でも設立できます。しかし、次のようなリスクがあります。

  • 日本政策金融公庫の創業融資審査で「自己資金が少ない」と判断される
  • 銀行の法人口座開設審査が厳しくなる
  • BtoB取引で「財務基盤が弱い」と判断される

目的別の資本金の目安は以下のとおりです。

目的 目安
まず事業をはじめたい 100〜300万円程度
日本政策金融公庫の融資を検討 創業資金総額の1/10〜1/3程度
銀行融資・投資家からの出資を視野に 300〜1,000万円程度
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資本金1,000万円以下の新設法人は原則2期目まで消費税が免除されますが、インボイス登録や特定新規設立法人に該当する場合は、設立時から課税されます。

税制上のメリットと対外信用度のバランスを見ながら決めましょう

ステップ4:登記申請をおこなう

必要書類がそろったら、法務局へ登記申請をします。申請から完了まで通常7〜10日かかります。申請方法は以下の3つです。

方法 特徴
窓口申請 担当者に確認できる。修正も即日対応。
郵送申請 遠方の場合に便利。
オンライン申請 24時間申請が可能。
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登記が完了したら、法務局で「登記事項証明書(履歴事項全部証明書)」を取得します。その後の手続きで繰り返し使うため、5通程度は取得しておきましょう。

書類に不備があると訂正通知が届き、期限内に修正が必要です。また、遅れると申請自体が却下になるため、提出前に専門家にチェックしてもらうと安心です

ステップ5:各種届出をおこなう

登記が完了したら、税務署・都道府県・市区町村への届出が必要です。

届出先 書類名 期限
税務署 法人設立届出書 設立日から2か月以内
税務署 青色申告の承認申請書 設立日から3か月以内(または第1期終了日の前日の早い日まで)
都道府県 法人設立届出書 設立後速やかに(自治体により15日〜30日以内など規定あり)
市町村 法人設立届出書 設立後速やかに(自治体により30日以内など規定あり)
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青色申告(あおいろしんこく)を選択すると、赤字の繰越控除(最大10年)や少額減価償却の特例が使えます。申請を忘れると、これらの優遇が受けられなくなるため、設立直後に必ず対応しましょう。

ステップ6:銀行口座の開設・会計準備

法人口座の開設には、登記後から2〜4週間かかります。この期間を見越したスケジュールを組んでおくことが重要です。

銀行の種類 口座開設の目安日数
メガバンク(三菱UFJ・みずほ・三井住友) 2~4週間程度
地方銀行 1~3週間程度
ネット銀行(GMOあおぞら・住信SBIなど) 数日~2週間程度
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審査では「事業内容の実態」や「代表者の本人確認」がチェックされます。設立直後は事業実績がないため、審査が厳しくなるケースもあります。ホームページやSNSを事前に整備しておくと、審査通過率が上がりやすくなります

法人口座の開設は任意ですが、信用や管理の面で重要です。個人口座で代用もできますが、早期の切替をおすすめします。最初の受注タイミングから逆算して、口座開設の期間を含めたスケジュールを立てておきましょう。

ステップ7:事業スタート

口座開設・各種届出が完了したら、いよいよ事業開始です。ただし、スタートの前に以下を確認しておきましょう。

  • 許認可が必要な業種(飲食・建設・宅建など)で申請は完了しているか
  • 社会保険・労働保険の加入手続きをしているか
  • 役員報酬を事業年度の開始から3か月以内に決定しているか(3か月を過ぎて増減した場合、原則そのぶんは経費として認められない)
  • 青色申告の承認申請書を期限内(設立日から3か月以内)に提出しているか

定期同額給与として経費算入するには、事業年度開始から3か月以内に金額を確定し、原則その事業年度のあいだは毎月同額で支払う必要があります。最初の設定は慎重におこないましょう。

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会社設立にかかる費用

会社設立の費用は、会社の形態(株式会社か合同会社か)によって異なります。株式会社と合同会社の費用や特徴の違いを、以下にまとめます。

費用項目 株式会社 合同会社
定款の収入印紙代 4万円(電子定款なら0円) 4万円(電子定款なら0円)
公証人認証手数料 3〜5万円(資本金額により変動) 不要
登録免許税 資本金額の1000分の7(計算結果が15万円未満のときは一律15万円) 資本金額の1000分の7(計算結果が6万円未満のときは一律6万円)
合計(電子定款の場合) 約20万円〜 約6万円〜
社会的信用度 認知度が高く、広く信頼されやすい 制度の歴史が浅いが、合理的な形態として浸透中
株式による資金調達 株式の発行による調達が可能 株式発行は不可(社員の出資は可能)
決算公告の義務 あり(毎年) なし(任意)
適している方 BtoB・融資・将来の上場も視野 1人運営・BtoC・コスト重視
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株式会社の設立費用は、合計で20〜25万円程度が目安です(専門家報酬を除く)。専門家(司法書士・行政書士)に依頼する場合の報酬は、依頼内容や事務所ごとに差がありますが、会社設立一式のサポートでおおむね数万円〜十数万円程度が目安です。

合同会社が向いているのは、次のようなケースです。

  • 費用をおさえたい
  • 個人で事業をおこなう
  • BtoCのネットビジネスが主体

一方、将来的に資金調達をしたい場合や大手企業とのBtoB取引が主体の場合は、株式会社の方が有利です。安さだけで選ばず、社会的な信用度や融資審査での評価、株式による資金調達の可否など、長期的な視点で判断しましょう

【具体例】会社設立のイメージ(飲食店の場合)

少しイメージしやすくするため、飲食店を開業するケースで考えてみましょう。「1人で小さなカフェを開き、会社として運営したい」と仮定すると、各手続きは次のようになります。

手続き 内容
資本金の設定 初期費用(内装・設備・仕入れなど)として自己資金300万円を用意。融資も見据えて資本金は100万円に設定。
法人口座の開設 開業日に合わせるため、登記完了の1か月前から準備を開始。
許認可の確認 飲食店の場合、食品衛生法に基づく「飲食店営業許可」が必要。保健所への申請も設立と並行して進める。
事業目的の記載例 「飲食業および食品の製造・販売業」「前各号に附帯関連する一切の事業」など、将来的なテイクアウト販売・EC展開も見据えた記載にしておく。
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このように、「会社設立の手続き」と「事業開始に必要な別の許認可」は、並行して進めることが多くあります。業種によって必要な許認可が異なるため、事前の確認が欠かせません

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会社設立の流れのなかでよくある失敗例

手続きの流れを理解していても、初心者がつまずきやすいポイントがあります。代表的な3つを紹介します。

失敗例①:事業目的があいまいで、口座開設を断られた

「コンサルティング業」「その他一切の事業」といった曖昧な記載は、銀行の口座開設審査で「事業の実態が見えない」と判断される原因になります。

事業内容を具体的に記載したり、関連事業を「前各号に付随する一切の事業」でまとめたりすることで対策できます

失敗例②:資本金を少なくしすぎて、融資審査に通らなかった

「1円でも設立できるから」と資本金を極端に低く設定すると、金融機関から「自己資金が少ない=事業への本気度が低い」と見られることがあります。

融資を検討しているなら、最低でも100万円程度を目安に設定し、できれば200〜300万円程度を見込んでおきましょう。増資(あとから資本金を増やすこと)は費用と手間がかかるため、最初から余裕をもって設定することが大切です

失敗例③:許認可の確認を後回しにした

業種によっては、会社設立とは別に行政からの許認可が必要です。設立後に「この事業には許可が必要だった」と判明しても、すぐに事業を開始できません。許認可が必要な業種の例として、以下があります。

  • 飲食業
  • 建設業
  • 宅地建物取引業
  • 介護事業
  • 運送業

事業内容が決まった段階で、必要な許認可を確認しましょう。不安な場合は行政書士などの専門家に相談するのが確実です。

会社設立に不安がある方は専門家に相談を

会社設立の手続き自体は、ツールや書籍を使えば自分でも進められます。ただ、「できること」と「自分で進めても問題ないこと」は別の話です。

次のような状況に当てはまる方は、専門家への相談をおすすめします。

【手続きに不安がある方】

  • 設立の進め方に迷いがある
  • 定款の事業目的をどう書けばよいかわからない
  • 許認可が必要かどうか判断できない

【将来の経営まで見据えたい方】

  • 融資や資金調達を設立と同時に考えている
  • 節税スキームを最初から組み込みたい
  • 事業計画書の書き方がわからない

専門家に相談すると、「ツールだけでは気づけない定款の落とし穴」や「設立時に設計しておくと節税になる考え方」を事前に確認できます。

費用をかけて専門家に依頼することが、長期的に見てコスト削減につながるケースは少なくありません。まずは無料相談で、自分のケースを確認してみましょう。ドリームゲートでは、会社設立の無料相談を受け付けています。「何をどこまで自分でおこなうか」だけでも相談できます。無理な契約は一切ありません。

執筆者プロフィール:ドリームゲート事務局

ドリームゲートは、経済産業省後援のもと2003年に誕生した日本最大級の起業支援プラットフォームです。起業アイデアの整理から事業計画書作成、資金調達・融資支援まで、実務経験豊富な専門家が起業家一人ひとりの課題に寄り添い、実現までをサポートします。(運営:株式会社プロジェクトニッポン)
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