起業・経営FAQ : 起業予定者による事業承継・M&A補助金活用と交渉進行タイミングについて

この記事は2026/05/07に専門家 佐藤 達也 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

ポイント/結論

Q. 起業予定でM&A補助金を活用したいですが、今の段階で進めてよいこと・控えるべきことは何ですか?

    • 事業計画の精緻化やGビズIDの早期取得など、事前準備を最優先で進めましょう。
    • 意向表明書(LOI)の締結や詳細なDDの準備など、「準備行為」としての進行は問題ありません。
    • 最終契約(SPA)の締結や経費の支払いは補助対象外となるため、「交付決定」まで控えてください。
この質問への回答者

佐藤 達也(さとう たつや) 上場・IPO準備会社3社の財務部門で資金調達や決算を経験し、CFOも歴任。独立後はいかづち株式会社を設立。米国公認会計士等の資格を持つ認定支援機関として、事業再構築補助金で採択率約90%、6,000万円超の採択実績を誇ります。資金調達や事業計画策定に精通する財務プロです。

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質問

現在、起業を予定しており、ゼロからの立ち上げではなく、既存事業の承継(M&A)による創業を検討しています。
その中で、事業承継・M&A補助金の活用を視野に入れており、今年度は2月27日から公募開始予定と伺っています。

現状、承継を希望している具体的な案件がすでにあり、仲介会社を通じて実名ベースでの交渉段階まで進んでいる状況です。
補助金申請との兼ね合いを踏まえ、今後の進め方について判断に迷っており、以下の点についてご相談させてください。

  • 補助金活用を前提とした場合、現時点で準備しておくべき事項
  • 公募開始前の段階で進めても問題ない交渉・手続きの範囲
  • 反対に、補助対象外となる可能性があるため、現時点では実行を控えるべき行為
  • これから法人設立(起業)予定の場合、補助金申請主体やスケジュール面で注意すべき点

案件自体は前向きに進めたい一方で、補助金活用の可能性も最大限残したいと考えています。

まずは制度活用を前提とした進行管理の考え方について、概要レベルでアドバイスをいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。


専門家による回答: 起業予定者による事業承継・M&A補助金活用と交渉進行タイミングについて (回答者:佐藤 達也氏)

回答者
佐藤 達也
佐藤 達也(さとう たつや)
上場企業及びIPO準備会社3社の財務経理分野で、資金調達、決算等を幅広く経験。IPO準備会社のCFOを経て「いかづち株式会社」を設立。事業再構築補助金で約90%の採択率を誇るなど、資金調達や事業計画策定に精通する財務プロフェッショナルです。

ご相談ありがとうございます。
既存事業を承継して起業するという選択は、ゼロから立ち上げるリスクを最小化し、すでに存在する顧客基盤、ブランド、ノウハウといった「埋もれた資産」をレバレッジ(梃子の作用)として活用できる、極めて賢明な戦略です。

事業承継・M&A補助金 14次公募のスケジュール(6月上旬の採択、その後の交付決定)を念頭に、現在の実名交渉をいかに戦略的に着地させるか。
ビジネスのスピードを落とさず、かつ公的リソースを確実に獲得するための戦略となります。

1. 現時点で「最優先」で準備しておくべき事項

補助金獲得を単なる資金調達と考えず、事業計画を「国が投資したくなる価値」に磨き上げる機会として捉えてください。

  • 「成長の設計図」の精緻化
    14次公募では「承継後の生産性向上」が厳格に問われます。単なる維持ではなく、あなたの新しいアイデアやIT化によって、いかに飛躍的なシナジー(相乗効果)を生むかを数値で言語化してください。
  • GビズIDプライムの早期取得
    申請にはこのアカウントが必須です。取得には数週間を要する場合があるため、未取得であれば一刻も早く手続きを完了させてください。
  • 補助対象経費の峻別
    14次公募の対象となる仲介手数料、デューデリジェンス(DD)費用、専門家報酬を洗い出し、自己資金との配分を最適化してください。

2. 交付決定前に「進めても問題ない」範囲

ビジネスの勢いを止める必要はありません。以下の行為は「準備行為」として進行可能です。

  • 意向表明書(LOI)の締結:基本的な合意形成。
  • 詳細なDDの「準備」:データの収集や調査項目のリストアップ。
  • 譲渡契約書(SPA)案のドラフト作成:文言の詰め。

ただし、「契約の締結」や「業務の着手」は、原則として交付決定後に行う必要がある点に細心の注意を払ってください。

3. 現時点で「実行を控えるべき」行為

補助対象外となる致命的なリスクを排除するため、次の「不可逆的な行為」は交付決定まで待機してください。

  • 最終契約(SPA)の締結とクロージング
    株式や事業の譲渡、資金決済、登記変更は「事業承継の完了」と見なされます。14次公募のスケジュールでは、6月上旬の採択発表後、事務局から「交付決定通知」が届く前にこれらを行うと、補助金を受け取る権利を失います。
  • 経費の発注・支払い
    交付決定前に支払った着手金、DD費用等の経費は、原則として補助対象外となります。

4. 法人設立予定の場合の「戦略的スケジュール」

あなたが個人として申請し、後に法人で承継する場合、主体性の整合性が重要です。14次公募の指針に基づき、以下のフローを推奨します。

  • 戦略的法人設立:申請主体となる法人を整えます。
  • 交付決定までの待機:6月の採択・交付決定を待ちます。
  • 交付決定後の「最終契約・実行」:ここで初めて契約・支払いを行うことで、すべての経費を補助対象として安全に執行できます。

結論:成功へのアドバイス

今、あなたが手にしている案件は、人生を加速させる強力な資産です。
しかし、補助金というルールの枠組みを無視しては、得られるはずの資金を逃すことになります。

売り手側に対しては、「補助金制度を正しく活用することで、より盤石な財務基盤を持って事業を引き継ぎたい」という誠実な意図を伝えてください。
14次公募の「6月の交付決定」をターゲットとしたスケジュール調整は、売り手にとっても「買い手の経営安定」というメリットに繋がります。

案件の成功と補助金の活用を両立させるため、制度と実務の両面に精通したパートナーを伴走させ、あなたの挑戦を確かな成功へと導いてください。
ドリームゲートには事業承継・M&A補助金の申請に必須の認定経営革新等支援機関とM&A支援機関に登録しているアドバイザーがいます。

あなたの挑戦を心より応援しております。

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いかづち株式会社代表の佐藤達也が、上場企業及びIPO準備会社3社での財務経理経験と、高い採択率を誇る補助金申請ノウハウを活かし、事業承継・M&A補助金の活用から事業計画策定、資金調達まで実践的にサポートいたします。
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